ブルックナー/交響曲第6番ニ長調
  Bruckner/Symphony No.6 A-major
【基本データ】
 ≪作曲年≫Updated   1879年9月〜1881年9月  ≪初演≫Updated   1899年2月26日(ブルックナーの死後)    グスタフ・マーラー指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団    ※カット・オーケストレーションの変更あり。     原典版による演奏はハース校訂によるスコアが出版された     1935年以降。  ≪楽章≫4楽章構成   T.第1楽章 : Maestoso   U.第2楽章 : Adagio. Sehr feierlich   V.第3楽章 : Scherzo. Nicht schnell   W.第4楽章 : Finale. Bewegt, doch nicht zu schnell  ≪編成≫   ・フルート2 / 2 Flutes   ・オーボエ2 / 2 Oboes   ・クラリネット2 / 2 Clarinets   ・ファゴット2 / 2 Bassoons   ・ホルン4 /4 Horns   ・トランペット3 / 3 Trumpets   ・トロンボーン3 /3 Trombones   ・チューバ / Tuba   ・ティンパニ / Timpani   ・弦5部 / Strings  ≪演奏時間≫    約60分 /60minutes  ≪ミニチュアスコア≫   ・音楽の友社版(\1700+税)      ※輸入版などあり。



【HP管理者の曲論・極論】
 ブル6・・・。意外と聴いたことない方が 多い曲であると思います。ブルックナーと言えば、入門的には4番『ロマンティック』、 そして、7,8,9番を聴いて、5番、そして3番『ワーグナー』と進む場合が多い ですよね。何故か、ブルックナーの交響曲では6番は忘れ去られています・・・。 私の場合は、3番『ワーグナー』の前に、この6番を聴いたわけですが、 実は、6番はかなりの名曲であると思います。
 アマチュアオーケストラ的にも、 良いのではないかと思います。編成を見ていただければ、分かる通り、編成が大きいという イメージのあるブルックナーですが、特殊楽器もない所謂普通の2管編成の曲です。 また、演奏時間も60分と、この時代の交響曲にしては長いと言えば長いですが、 ブルックナーの後半の交響曲にしては短いですよね。そしてブルックナーらしく、 金管楽器的にも、かなりカッコイイ曲です。アマチュアオーケストラの選曲では いつも、辛い目に会うトロンボーンも、この曲に関しては、お腹一杯になると思います。 そして、ライブラリアン的に大変な、「版の問題」もありません。詳しくは 分かりませんが、この曲ではノヴァーク版、ハース版とも違いが殆どないそうです。 そんなわけで、アマオケには、持って来いのブルックナーの交響曲だったりします。
 しかし、何故か、演奏回数の少ない曲であったりします。何故でしょう?? 編成の大きい7〜9番の方がむしろ、演奏回数が多いような気がします。 そうそう、CD屋に行って見てください。そしてブルックナーの交響曲の コーナーを見てください。何故か、ブルックナーの交響曲の中でも(特に4番以降では)、 最もスペースが少ない、つまり出ているCDが少ないんです!!小さなCD屋では 中には6番のスペースがないかも・・・。
 私的には、ブルックナーの入門曲としては6番をお薦めします。・・・いや、入門曲 として以上に、色々な意味で名曲だと思います。入門曲としては挙げられる理由として、

1.ブルックナーらしく金管がかっこ良い。
2.時間的に長くない。=聞きやすい。
3.上記理由の為、CDが1枚なので値段が安い。
4.メロディーが分かりやすく、取っ付きやすい。
5.2楽章が実は、スゴイ泣ける(人によっては、“神”を感じるそうだ)。
6.ブルックナーの交響曲におけるいわゆる「版の問題」がない(=改訂版等がない)。

こんなことが言えるでしょうか??お薦めなんだけどな〜。

 1楽章は、弦楽器のリズムに乗って、いきなり金管がカッコイイ。このメロディーは この楽章に何回か出てきます。このカッコ良さは、現在の映画音楽のカッコ良さに 通じるものがあると思います。ん〜ブルックナーは先見の目があったんだな〜、と 思ったりします。中間部にも出てきますが、こっちは全合奏だったりするので、 こっちも良いな〜。特に弦楽器だけでなくティンパニが同じようにリズムを たたいているので引き締まって聞こえます。最後のフィナーレ部分は、 ちょっと短めな気がします。突然、終わってしまいます。でも、 その終わり方は、2楽章への良い余韻になるような気もします。

 2楽章は、打って変って、静かな曲。泣けます。7番の2楽章のアダージョも ブルックナーの交響曲の中では最も綺麗な楽章とよく言われるようですが、僕はこの6番の 2楽章のアダージョの方が好きです。53章節目と133章節目の葬送行進曲(?)は、 泣けます。人によっては、ここが“神”を感じる場所だとか。それも納得です。

 3楽章は、ブルックナーらしい、スケルツオ。なんと表現したら良いのだろうか? どうも、この6番は、前半2楽章は好き何だけど、後半2楽章はびみょ〜。これが、 あまりメジャーになれない理由ですかな??でも、カッコイイし、好きではあります。

 4楽章は、29章節目から始まるメロディーが何となく、馬鹿っぽい・・・。特に 演奏する側からすると笑えます。この楽章はこのような部分が随所に出てきます。 あ、でも、金管系が吹く所は、いずれもカッコイイですね。この楽章のコーダは 1楽章同様短く、何となく、「あれっ」って感じであっけなく終わってしまいます。

 ちなみにブル6は、僕にとって現在(※2001年現在)は、唯一のブルックナーで 演奏したことのある曲です。ヴァイオリンだったら、個人的には2ndがお薦め。
                            (2001年12月18日)



■朝比奈隆/大阪フィルハーモニー交響楽団
  Takashi Asahina / Osaka Philharmonic Orchestra


【データ】
 ・レーベル  : CANYON Classics(国内盤PCCL-00474)
 ・値 段   : ¥1500(税抜き)
 ・録 音   : 1994年4月1〜4日、大阪フィルハーモニー(DDD)
          キャニオン24bitリマスタリング、
          HDCD高解像度記録再生システム
 ・時 間   : ┌第1楽章 = 16:01 第2楽章 = 19:11
          └第3楽章 =  9:11 第4楽章 = 14:38
           トータル  = 59:19
 ・発売日   : 2000年1月19日
 ・カップリング: なし



■セルジュ・チェリビダッケ/ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
  Sergiu Celibidache / Munchner Philharmoniker



【データ】
 ・レーベル  : EMI Classics(輸入盤7243 5 56694 2 1)
           ※国内盤あり
 ・値 段   : ¥890(税抜・時価)
 ・録 音   : 1991年11月29日、ミュンヘン、ガスタイクザール
          (Live、DDD)
 ・時 間   : ┌(拍手) = 0:51
          ├第1楽章 = 17:02 第2楽章 = 22:01
          ├第3楽章 =  8:18 第4楽章 = 15:08
          └(拍手) =  0:58
           トータル  =  65:46
 ・カップリング: なし

 個人的には、かなり好きな演奏です。 金管も良く響き、弦の音も深く、カッコイイ部分と、ブルックナーチックな部分の 両方が上手く出ていると思います。2楽章などは、冒頭から低弦が素晴らしい響きを 出しており、思わず「おおっ」と言いたくなってしまいます。総合的に見て、 一番良い演奏だと思います。


■スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ/ザールブリュッケン放送交響楽団
  Stanislaw Skrowaczewski / Saarbrucken Radio Symphony Orchestra



【データ】
 ・レーベル  : ARTE NOVA Classics(国内盤BVCE-9710)
           ※輸入盤あり(74321-54456-2)
 ・値 段   : ¥952(税抜)
 ・録 音   : 1997年3月3〜4日、ザールブリュッケン、
           コングレシュハレ(DDD)
 ・時 間   : ┌第1楽章 = 15:37 第2楽章 = 18:33
          └第3楽章 =  8:40 第4楽章 = 13:53
           トータル =  56:54
 ・発売日   : 1998年5月21日
 ・カップリング: なし





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