ブラームス/交響曲第1番ハ短調作品68
  Brahms/Symphony No.1 C-minor op.68
【基本データ】
 ≪作曲年≫   〜1876年9月  ≪初演≫   1876年11月4日    フェリックス・オット・デッソフの指揮(カルルスルーエの宮廷劇場)   (11月7日マンハイム、15日ミュンヘン、12月17日ウィーンにおいて    ブラームス自身の指揮で演奏されている)  ≪楽章≫4楽章構成   T.第1楽章 : Un poco sostenuto - Allegro   U.第2楽章 : Andante sostenuto   V.第3楽章 : Un poco Allegretto e grazioso   W.第4楽章 : Adagio - Piu Andante - Allegro non troppo, ma con brio       ≪編成≫   ・フルート2 / 2 Flutes   ・オーボエ2 / 2 Oboes   ・クラリネット2 / 2 Clarinets   ・ファゴット2 / 2 Bassoons   ・コントラファゴット /Duble Bassoons   ・ホルン2 / 2 Horns   ・トランペット2 / 2 Trumpets   ・トロンボーン3 (第4楽章のみ)/3 Trombones(4th mov.only)   ・ティンパニ / Timpani   ・弦5部 / Strings  ≪演奏時間≫    約45分 /45minutes    (1楽章の繰り返しの有無によって大きく変わる)  ≪ミニチュアスコア≫   ・音楽の友社版(\950+税)   ・全音楽譜出版社版(\1000+税)   ・日本楽譜出版社版(\900+税)    他



【HP管理者の曲論・極論】
 とにかく濃い!!というのが、この曲の第一印象でしょうか。 基本的にブラームスの曲は、アツく、濃いのが特徴ですね。 他の交響曲、弦楽六重奏第1番をはじめ、アツく、濃い曲を挙げれば、 キリが無いですよね。その中でも、最初から最後まで、しつこい位の 濃さがあるのは、この交響曲第1番でしょう。1楽章の冒頭から コントラファゴット、ティンパニ、コントラバスの8分音符の 刻みの上に、いきなり、『グワー』と迫ってくるような圧迫感は 一度聴いたら忘れられませんね。  2楽章のヴァイオリンソロとホルンの掛け合いも美しい。  4楽章も再び、冒頭から緊張感のあるアツさが戻ってきます。 しかし、その後の、ホルンのアルプス的な響き、ファゴットと この曲では4楽章でしか登場しないトロンボーンとの美しい コラールでは、非常に広い空間が目の前に広がってきそうな 臨場感があります。そして、ゲネラルパウゼの後に続く、弦楽器を 中心とした何とも重厚かつ感動的なメロディーは、TVCM等でも 使われる部分で、何処かで聞いたことのある曲の一つですね。 個人的には、この後半のヴィオラの副旋律が大好きです。泣けます。  この部分には、色々と関係した曲があり、有名なところですと、 マーラーの交響曲第3番の1楽章冒頭は、音系的にもリズム的にも 非常に酷似しています。おそらく、誰もがわかる程、はっきりと わかることでしょう。  ちょっと、マイナーなところですと、デンマークの作曲家 ニールセン(1865〜1931)の交響曲第3番『広がり』の4楽章の 冒頭にも似ています。  ・・・そして、良く聴いてみれば、ブラームス以前の作曲家、 ベートーヴェンのかの第九の喜びの歌部分とも雰囲気などは 多少違いますが、続けて演奏しても違和感の無いメロディーですね。 この辺も、ブラームスの1番が、ベートーヴェンの10番と言われる 所以でもあるのでしょうか??                             (2002年07月21日)



■ヘルベルト・フォン・カラヤン/ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
  Herbert von Karajan / Berliner Philharmoniker


【データ】
 ・レーベル  : Deutsche Grammophon(国内盤POCG-50009)
 ・値 段   : ¥1714(税抜き)
 ・録 音   : 1987年1月〜4月、ベルリン(DDD)
 ・時 間   : ┌第1楽章 = 13:22 第2楽章 =  8:22
          └第3楽章 =  4:46 第4楽章 = 17:38
 ・発売日   : 1997年9月5日
 ・カップリング: 
          ブラームス/ハイドンの主題による変奏曲作品56a


 定番中の定番ではないでしょうか?DG社のスーパーベストにもなっている CDです。全体的に、重く、低音がしっかりしているので、ブラームスらしい響きがしている と思うのは、私でしょうか??晩年のカラヤンは、全体的に重く、低音重視のような感じがします。 そういった中で、僕は、ブラームスやRシュトラウス、ベートーヴェンに関しては、晩年の録音が 好きです。特にRシュトラウスは、カラヤン自身と重ね合わせているようで、どの曲を取っても 名盤ではないかと思っています。

■オトマール・スウィトナー/ベルリン・シュターツカペレ
  Otmar Suitner / Staatskapelle Berlin



【データ】
 ・レーベル  : Altus(国内盤ALT-024)
 ・値 段   : ¥1890(税抜)
 ・録 音   : 1988年6月13日、東京 サントリーホール(DDD)
 ・時 間   : ┌第1楽章 = 13:25 第2楽章 =  8:44
          └第3楽章 =  4:07 第4楽章 = 18:30
 ・カップリング: モーツアルト/歌劇「魔笛」序曲






■ジルケ=トーラ・マティース(Pf)、クリスティアン・ケーン(Pf)
  Silke-Thora Matthies, Christian Kohn



【データ】
 ・レーベル  : NAXOS(直輸入盤8.554119)
           ※簡単な日本語解説あり
 ・値 段   : 時価
 ・録 音   : 1996年4月15〜20日、ドイツ ザントハウゼン(DDD)
 ・時 間   : ┌第1楽章 = 15:31 第2楽章 =  9:59
          └第3楽章 =  4:31 第4楽章 = 16:17
 ・カップリング: ブラームス/勝利の歌作品55
                  


 ピアノ連弾版のブラ1です。 複雑かつ、濃厚なブラ1の骨組みが見えるような気がします。ブラームスの特有の あの“アツさ”はあるのですが、ピアノ連弾ということで比較的あっさり聞こえる部分もあるので、 あの“ねちっこさ”に耐えられない方にはお勧めのCDと言えるかもしれません。





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