これは、名盤です。かの
クライバーの運命です。しかも、ベト7とカップリングで音質も
ステレオ録音ならでの良さが大きく出て良いです。大抵の方が持っている
CDの一つではないでしょうか??快濶で、歯切れの良い、パワーのある
演奏は、ただただ感心するばかりです。
■近衞秀麿/読売日本交響楽団
Hidemaro Konoe / Yomiuri Nippon Symphony Orchestra
【データ】
・レーベル : PLATZ(国内盤PLCC-740)
・値 段 : ¥1800(税抜)
・録 音 : 1968年2月21日、杉並公会堂(ADD)
・時 間 : ┌第1楽章 = 8:23 第2楽章 = 10:24
└第3楽章 = 5:50 第4楽章 = 8:54
・発売日 : 2000年9月21日
・カップリング: シューベルト/交響曲第8番ロ短調D759
「未完成」
これは、近衞盤です。
近衞盤??と思われる方もいらっしゃるのでは??これは、もちろん
日本へ西洋音楽の普及に尽力された近衞秀麿(1923~1973)による版です。
“近衞”という苗字で戦時中の総理大臣の近衞文麿を思い起こせる人も
いると思いますが、秀麿は文麿の弟です。また、秀麿は現在のN響の前身
である新交響楽団を創設した人物としても有名ですね。これはその秀麿に
よって手が加えられた版の「運命」です。運命をよく聴いている人ならば、
何処にどういう手を加えたのかがきっとよく分かると思います。
例えば、1楽章の冒頭の繰り返しに、何故かホルンが入っていたり、
228小節にティンパニが追加されていたり、478小節では、主題の
「ジャジャジャ、ジャーン」を強調する為に全パートの頭の8分音符を
省略したりしている(他にもあります、色々と・・・)。似たようなことで
有名なのは、ストコ節で有名な、ストコフスキーもそうですね。
そう言った意味でも、楽しめますが、それ以上に、日本の西洋音楽の黎明期に
おける歴史的に重要な録音である事は言うまでもありません。
録音はステレオ録音。悪くはありません。この時代の標準的な録音だと
思います。カップリングの「未完成」も多いに聴く価値のある演奏で
あると思います。
■デイビット・ジンマン/チューリッヒ・トンハレ管弦楽団
David Zinman / Tonhalle Orchestra Zurich
【データ】
・レーベル : ARTE NOVA Classics(輸入盤74321 49695 2)
※国内盤あり
・値 段 : 時価
・録 音 : 1997年3月25~26日、スイス・トンハレ(DDD)
・時 間 : ┌第1楽章 = 6:49 第2楽章 = 8:45
└第3楽章 = 7:19 第4楽章 = 10:25
トータル = 33:18
・カップリング: ベートーヴェン/交響曲第6番ト長調作品68
「田園」
これは、ベーレンライター盤です。
が!!上記≪ミニチュアスコア≫の項で紹介したベーレンライター版とは
明らかに違うのです!!例えば、第1楽章の268小節目のオーボエの
ソロがまず違います。これは、ちょっと知っている方(曲さえ知っていれば)
であれば、明らかに違うのが分かります。また、第3楽章に何故か
繰り返しがあり、冒頭にまた戻ってきます。もちろん、両方とも、
売っているベーレンライターには書いてありません。なんででしょう??
でも、このオーボエのソロを某大学オケでの新入生歓迎コンサートで、
この版のように、アドリブで吹き替えてみて、奏者全員を驚かせた
つわもの(?)もいらっしゃいます(E.Yさんです)。
■プロ・アルテ・アンティクア・プラハ
PRO ARTE ANTIQUA PRAHA
【データ】
・レーベル : Bona Nova(国内盤PCCL-00321)
・値 段 : ¥2913(税抜き)
・録 音 : 1995年11月22~25日、プラハ「芸術の家」
ドヴォルザークホール(DDD)
キャニオン24bitレコーディングシステム
・時 間 : ┌第1楽章 = 6:53 第2楽章 = 7:53
└第3楽章 = 4:39 第4楽章 = 9:22
・発売日 : 1996年2月21日
・カップリング: ベートーヴェン/交響曲第8番ヘ長調作品93
これは、弦楽五重奏盤です。
弦楽五重奏版に編曲したのはC.F.エバース(1770~1836)という人で、
ベートーヴェン(1770~1827)とほぼ同じ時代を生きた人です。
この時代では、ある曲を編曲するということは、割合に多く行われて
いたようで、このような形以外の編成も、ひょっとしたら存在
するのかもしれません。この弦楽五重奏(Vn2丁、Va2丁、Vc1丁)版
の演奏は、管弦楽の運命と比べてみても違和感無く聴け、管弦楽とは
また違った発見があるかもしれません。
私自身、このような管弦楽の曲を室内楽に編曲したものを演奏して
みたいなとも思っています。
ちなみにCDのライナーノーツによると、この演奏のピッチは
オリジナルに近い形でと言うことで、A=428hzのようです
(現在は一般的にA=440~443hz)。
■グレン・グールド
Glenn Gould
【データ】
・レーベル : SONY CLASSICAL(輸入盤SMK 52 636)
・値 段 : 時価
・録 音 : 1967年11月22日~1968年1月8日、ニューヨーク
Super Bit Mapping(ADD)
・時 間 : ┌第1楽章 = 5:56 第2楽章 = 14:29
└第3楽章 = 7:00 第4楽章 = 11:33
・カップリング: ベートーヴェン/交響曲第6番ト長調作品68
「田園」より第1楽章
これは、ピアノ盤です。
ピアノ版に編曲したのは、かの大ピアニスト、フランツ・リスト(1811~1886)で、
その編曲も見事です。あの管弦楽曲を、上記の弦楽五重奏より更に小さな編成、
というより、つまり人間1人の2手で演奏出来るものに編曲している訳ですが、
管弦楽版の交響曲を想定して聴いても、その再現力も素晴らしいし、
これはこれで、このような曲があっても良いのではないか?と
思うほどです。ピアノソナタをあれだけ残しているベートーヴェンですから
「運命ソナタ」なんてあっても良かったかもしれません(笑)。
このピアノ版のベートーヴェンの交響曲は、リストによって、
この5番だけでなく、全ての交響曲(第1番~第9番「合唱付」)の編曲版が
あるようです。私は、まだ、このCDと第7番しか聴いていませんが、
どちらもなかなか良いと思います。
■エルンスト・エリッヒ・シュテンダー
Ernst-Erich Stender
2002.03.15 Updated
【データ】
・レーベル : Ornament Records(輸入盤ORN 11457)
・値 段 : 時価(¥1990(税抜き))
・録 音 : 2001年、ドイツ・リューベック
(DDD)
・時 間 : ┌第1楽章 = 7:53 第2楽章 = 08:56
└第3楽章 = 4:48 第4楽章 = 11:01
トータル = 59:37
・カップリング: ベートーヴェン/交響曲第1番ハ長調作品21
(もちろん、オルガン版)
これは、オルガン盤です。
オルガンを演奏しているErnst-Erich Stenderによって編曲されているようです。
ちなみに、彼は、この演奏を録音したリューベックの聖マリエン教会の教会
オルガニストのようです。
このCDをお店で発見した時、「これは絶対ヤバイ・・・」と思い、速攻で購入する
ことに決定(普通は、買わないが・・・)。しかし!!帰宅して、聴いてみると・・・
勿論、びみょ~と思われる所もあるのですが、「ほう、なるほど」と思われる所もあり、
買ってみた価値はあったかなとも思います。
1楽章冒頭は、オルガンで演奏されると、スゴイものがあります(汗)。
バッハのトッカータとフーガと運命が混じったような激しいものがあります。
途中、変な所も多少ありますが、繰り返しの終わった後以降は意外にも、オルガンの
響きが良い効果をあげています。2楽章は、丁度、教会で懺悔でもしているような
雰囲気が出ており、全楽章の中で、1番オルガンに合うような感じがします。
3楽章は、曲の後半の静かになった部分が、これもオルガンの響きを上手く
生かしており、オルガン曲であったような感じがします。4楽章は、ちょっと
オルガンでは限界かな?と思う部分がありますが、これはこれで良いのかと。
でも、実際にこの教会で生のオルガン演奏で聴いたら、相当圧倒されるで
しょうけど・・・(聴いてみたい)。