「グリーンマイル」(監督/フランク・ダラボン 出演/トム・ハンクス)

K:原作はホラーの大御所スティーブン・キング。ある死刑囚だけを集めた刑務所の中で不思議な事件が起きる。その中で刑務所長(ハンクス)と不思議な超能力を持つ死刑囚(マイケル・クラーク・ダンカン)との間に友情のような物が芽生えていくのだが・・・
K’:んむ、まずは三時間の上映時間。密度の濃い時間で時間の長さは余り感じませんでした。面白かったですよ。で、かなりげんなりしました。結構、可哀想な物語です。人生って無情ですね。やっぱり、スティーブン・キングって基本的にやな奴ですよ。ファンの人はそこも含めてファンなんだと思うけど(僕は嫌いと好きの真ん中ぐらい)。「世にも奇妙な物語」のワンエピソードを長尺にしたような感じ。普通に面白かったですよ。☆四つ満点の四つあげるし、満足感もある。でも、他の映画を押し退けてまでこれを見ろとはなあ。「マグノリア」の方が全然良かったのに。みんな「グリーンマイル」に行っちゃうのはちょっと悲しい。
K:なんか「映画を見た」というより、「小説を読み終わったような感じ」がしちゃうのはなんでだろ。善と悪がはっきりしている、見やすくて分かりやすい世界観。ポップさはキングの長所だけど(だからベストセラー作家なんだけど)。わびさびにちょっと欠けた西洋人的なドラマツルギー。アメリカ映画って基本的にどの人種の人が見ても分かるように、分かりやすく作っている。良い事だけど、一つの見方だけ押しつけられてもなあって思ってしまう(全部が全部ではないが)。面白いし、良くできてますよ。でも……
K’:やめとこ。それは、この映画についての不満じゃなくて、ハリウッド映画についての事だし、言ってもしゃあないわ。ま、こんな感じです。
('00・3月劇場公開)

'00・3月 メール・掲示板機能付きFAX「mojico」掲示板にて初出
'00・12/7 加筆修正

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