「ISOLA 多重人格少女」(監督/水谷俊之 出演/木村佳乃)

K’:これ、ショックシーンは少ないから、怖いかって言われるとそうでもないけど……
K:その続きは僕が言おう。これ今年の邦画ベスト10に入ってもおかしくない、大傑作になり損ねた傑作ですわ。星評価は(☆☆☆1/2)にしとくけど、前半から中盤にかけてのお客さんの引き込み具合は、かなりのもんだと思うよ。しかも、阪神大震災の事を真面目に取り上げた映画で、無理なく内容に溶け込ませている。ラスト客席から拍手沸いたもん。多重人格と臨死体験、幽体離脱を素材にした原作を読んだ時から、結構異色作ではあったんだが……いやはや、これ見た方がいいと思うよ。十三の人格同士の葛藤を時間の関係で削らないといけなかったんだよね。それと、クライマックスの物足りなさだけが勿体無いよなあ……あ、あと見た人に一言。最後につけられた名前、漢字の意味を広辞苑で調べるか、小説のラストを立ち読みしてもらうと、この映画のラストに違った意味が込められてるのが分かるので、是非、チェック!……この「リング0」と「ISOLA」の二本立て、かなり充実した興行でした。
('00・1月劇場公開)

'00・1月 メール・掲示板機能付きFAX「mojico」掲示板にて初出
'00・12/7 加筆修正

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