ケイ国王の映画感想文21 VOL.34

ウォーターボーイズ

「ウォーターボーイズ」(監督/矢口史靖 出演/妻夫木聡 平山綾 竹中直人 柄本明)

 元気が出る映画
 
 男子高のダメ水泳部員達がひょんな事から学校の文化祭に男子シンクロで出場する事になり……と言う事で汗と涙と笑い(ていうかほとんど笑い。笑)に溢れた彼らの青春のヒトコマを切り取った「抱腹絶倒の明るい元気な青春映画」である。
 何が悲しゅうて野郎共の海パン姿をわざわざ劇場まで見に行かなあかんのか……と言うのが標準的な我ら野郎達の意見かも知れない。事実わてもそうでした。
 しかし、もう二度と戻らないあの頃の気持ち……高校時代の夏休みの時とかに想いを馳せながら甘酸っぱい気持ちに浸れる、ええ感じの映画でございました。というか、「むちゃくちゃ笑ってすっきり出来る映画なので見ないのは損」。見てない人は劇場に急ぎましょう!

 変化球っぽい映画(最近の邦画)が多い中であえて直球を投げて来たと思われる、王道の娯楽映画。しかし最後ど真ん中できっちりストライクを取る為に投げて来る序盤中盤の球は全部微妙な回転が加わっている(=今時のひねった笑い)。しかもあえて緩めの球(=とぼけたギャグ)を投げて来る矢口監督のギャグセンスは今回も快調!
 物語展開の早さ、テンポの良さ、は監督の代表作(大傑作!)「ひみつの花園」で実体験済みだが、今回も気持ち良く物語が展開して行き、日本でスクリューボールコメディを撮らせたら、この人か周防正行(「シコふんじゃった。」、「Shall we ダンス?」)だなってのをつくづく実感させられました。しかも矢口監督ってまだ30代前半! そりゃセンスも若いっすよ。今時の高校生達が続々と劇場に駆け付けるのも納得出来る筈。事実、僕が劇場に見に行った時の客席の女子高生、大爆笑してたし……
 今回東宝メジャー系では矢口監督は初仕事。今回の成功を機に大きな劇場&全国展開でこれからも矢口監督のキレのいいコメディが見れるといいな〜と思う次第です。
 そして矢口監督の長篇二作目の「ひみつの花園」はめちゃくちゃ面白いので是非見てくれとプッシュしとこうと思います。「ひみつの花園」の西田尚美は最高っす〜。
 
 役者陣、主役の妻夫木聡(昔、千原兄弟と深夜にバラエティ番組やってた。その時はひたすら「可愛い男の子扱い」で一方的にいじられるばっかりだったなあ)君も良かったし、竹中直人もなかなかいい感じでした。そしてヒロイン役の平山綾ちゃん! ベリーキュート! 矢口監督、相変わらずヒロインの撮り方がうまいです。先生役の真鍋かをりちゃんも良い!(出番が少ないのが惜しい)
 他にも出て来るキャスト全員がメインから脇役まで強烈な個性を放ってました。もちろんラストの大シンクロシーンは拍手もの! 男子シンクロブーム、来るかも知れませんよ(来なかったらゴメン。笑)
 ハリウッドでリメイクの噂もあるらしい(!)。しかしアメリカの役者でうまくこの味が出るのだろうか? それはそれで見てみたいですけどね。
 でわま、そゆことで。
(☆☆☆☆)

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('01・9月劇場公開)
('01/10/8書き下ろし)