ケイ国王の映画感想文21 VOL.4
ケイ君のビデオ観賞記21その三(「TATARI」)

「TATARI」(監督/ウィリアム・マローン 出演/ジェフリー・ラッシュ ファムケ・ヤンセン)

 お化け屋敷もの。原題「HOUSE ON HAUNTED HILL」。久々に気合いの入ったハリウッド製ホラーを見ました。面白かったです。

あらすじ〜遊園地のテーマパークのプロデューサーで大富豪のプライス(ジェフリー・ラッシュ)は人を驚かし、恐怖に陥れるのが大好きな、ちょっと度が過ぎる思われる程の変わり者である。彼は妻エブリン(ファムケ・ヤンセン)の誕生パーティに五人の男女を招待する。場所は数十年前、医学の研究の名の元に狂気の人体実験が行われた精神病院のあった廃虚である。プライスは招待客に告げた。「この恐怖の館で一晩、生き残れた者には1億円の賞金を差し上げよう」。プライスは館に機械的な仕掛けを施し、招待客も泣き叫ぶような、恐怖の趣向を凝らしたパーティーを行おうとしているらしい。
 が、しかし、プライスにも、妻エブリンにも、招待客にも納得の出来ない不思議な出来事があった。プライスやエブリンが招待状を出したのは今日来たメンバーではなかった。もちろん招待された五人も自分らになぜ招待状が届いたのか全く分からない。果たして何者が彼等五人をこの場所に集めたのだろうか? 
 そして、プライスが想定していない恐ろしい出来事が次々と起こり始める。果たしてそれは血塗られた病院の呪いなのだろうか……

 「TATARI」と言う恐ろし気なタイトルに似合わず、恐怖演出は今どきっぽい。一つの恐怖をじわじわ追求すると言うより、次々と恐怖シーンがテンポよく、スピード感溢れる演出で繰り広げられて行く。まさしくテーマパーク感覚。それこそ遊園地のお化け屋敷状態だ。ハラハラドキドキしながら楽しめる。もっとも一つ一つの恐怖が積み重なって行かないので、心底ぞーっとしたい人には不満が残るかも。にしても、最近見たハリウッド製ホラーの中では非常に良く出来ていた。
 あらすじを読めば分かる通り、脚本家も監督もかなりひねった感覚でこの作品を作っている。結構嫌いではない感覚だ。ラストも結構人を喰ったような終わり方である。あ、ちなみにエンディングロールが終った後に、もう少し続きがあるのでビデオで見る方は飛ばさずにちゃんと見るように。結構いやーんな終わり方でゲス。夜中一人で見てたらちょっとヤかも。でも全体的には楽しい感覚に溢れた面白い作品でありました。(☆☆☆1/2)

('00/7月劇場公開→'01/1月ビデオでの観賞)
('01/1/23書き下ろし)

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