ケイ国王の映画感想文21 VOL.44

キリング・ミー・ソフトリー

「キリング・ミー・ソフトリー」(監督/陳凱歌[チェン・カイコー] 出演/ヘザー・グラハム ジョセフ・ファインズ)

 
火曜サスペンス劇場in陳凱歌[チェン・カイコー]
 
 なんと言うか・・・いかにも絵に書いた「エロティックサスペンス」である。
 物凄く分かりやすい、シンプルな構造の作品だ。いわゆるヒッチコック・スタイルと言うか、そう言うサスペンス。と言うより火曜サスペンス劇場チックと言うか……
 ハリウッド初進出のチェン・カイコー監督はベストセラー小説でもある原作を、いわゆる商業映画として過不足のない、物凄くこじんまりとした作品に仕上げた。
 監督が中国にいた頃に撮った映画「さらばわが愛 覇王別姫」はスケールの大きい大河歴史ロマン(そしてこの映画「さらばわが愛〜」はわての個人的なオールタイムベストワンなのだが)で、それと競べると「ん?」って感じなのだが、まあ良いではないか。スケール感とは無縁の題材。ヒロイン側の目線で語られるこの映画の魅力はその部分ではない。
 
 て言うか……監督ははじめからわざわざ日常的なサスペンスをこじんまりと撮りたかったに違いない。そして本当にやりたかった事、それは……

 ヘザー・グラハム祭り! 
 
 
監督がこの映画で表現したかった事……それは「エロティック・サスペンス」の「サスペンス」の部分ではない(いや、サスペンスとしても面白かったっすよ!まじで!)、「エロス」の部分である。中国にいた頃はこういう映画撮りたくても撮れなかったもんねえ。んむ、分かる、分かるよ〜!
 そしてそんなテーマを含んだ作品のヒロインとして、数あるハリウッド女優の中から我らがアイドル、ヘザー・グラハム(「ブギー・ナイツ」、「オースティン・パワーズ・デラックス」)を選んだチェン・カイコー監督……いや〜、趣味良すぎですぜ、監督……アンタは最高だ!(あんた呼ばわりかよ!笑)

 謎の男(ジョセフ・ファインズ→この人もセクシー過ぎ! 女性客にとっては彼が目の保養と言う事になりますね)に翻弄されるわれらがヒロイン、へザー・グラハムを可愛く、エッチに、フェティッシュに撮る事のみに腐心するチェン・カイコー監督……(笑)。
 チェン師匠、アンタ男の鑑だ! 一生ついて行きますぜ!(←バカ発言)
 はっきり言おう。何が良いってヘザーの方が巻き込まれる側なんだよね。謎の女に翻弄される男の物語ではなくて、謎の男に翻弄される女の物語。メロメロにされるヘザー・グラハム……これはねえ、見ないと駄目っしょ、ヘザーファンは。なんちゅうか18禁映画なんすけど(一般映画としては性表現は過激な方かも知れないけど)、18禁の作品の中では表現はソフトな方。でもそこがまたいいんだよね。男性陣はある意味中学生の気持ちで楽しんで頂きたいと思う今日この頃(笑)。
 あと女性が結構楽しめると思うので女性も是非見てちょ、と言う感じ。ヘザーちゃんのスタイルの良さ、ファッションにも注目して下さいと言う事で。ミニスカート似合うよなあ、この人。脚、キレイっす。

 と言う事でヘザー・グラハムファンには(☆☆☆☆☆)の作品でありやす。ごちそうさまでした。

('02・2月劇場公開)
('02/3/9 書き下ろし)

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