ケイ国王の映画感想文21 VOL.30

ダンジョン&ドラゴン

「ダンジョン&ドラゴン」(監督/コートニー・ソロモン 出演/ジェレミー・アイアンズ ソーラ・バーチ)

 舞台となるのは、魔法を使える貴族“メイジ”たちが平民を支配するイズメール帝国。中世の暗黒時代を思わせる中、女王サヴィーナ(ソーラ・バーチ)だけは人々の平等を願っていた。だが、邪悪な魔法使い、宰相プロフィオン(ジェレミー・アイアンズ)は、マジーナ評議委員会を説得し、女王の王位を奪おうとする。プロフィオンに勝つには、伝説の魔法の杖=サブリールの杖を手に入れ、レッド・ドラゴンを操るしかない!かくして、一人の青年が旅立った!
(公式ホームページより)

 1974年に史上初のロールプレイングゲームとして誕生し、映画化を待望されながら、そのイマジネーションの豊かさ、スケールの大きさに、ジョージ・ルーカスやスティーブン・スピルバーグでさえ、手を出せなかった壮大な物語、それが「ダンジョン&ドラゴン」。

・低予算だが丁寧に作られている 
 剣と魔法の物語は基本的に大好きである。魔法学校に忍び込んだ若き盗賊の青年二人が、世界の覇権を巡る竜の力を操る魔法の杖の争奪戦に巻き込まれて行くのだが、いわゆるロールプレイングゲームではお馴染みの妖精エルフや小人族のドワーフなども出てきて、夢のある世界が展開されて行く。単純にそれを見るだけで楽しい。
 この映画でデビューしたソロモン監督はこのロールプレイングゲーム「D&D(ダンジョンズ&ドラゴンズ)」の熱烈なファンで早くから映画化の権利を取得。映画化実現の為に色々な人に働きかけ、10年後に念願の映画化にこぎつける事が出来た。この手の映画にしては結構低予算だが、そんな監督の思い入れが見る側に伝わってきて見てて非常に気持ちがいい。
 
 ジェットコースターのように次から次に畳み掛けるようなアドベンチャーが今ではハリウッドの主流だが、この作品は同じジェットコースターでも、「フジヤマ」のような超スリルではなく、花屋敷のジェットコースターのような、「ちょっとええ感じのスリル」が楽しめる。のんびりとファンタジーとアドベンチャーを楽しみたい人にうってつけだ。
 ロマンスも散りばめられてたり、笑えるシーンも多く、気楽に見るにはとても良い感じ。なかなかの拾い物です。ファンタジー好きの人は是非☆

(☆☆☆1/2)

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('01・7月劇場公開)
('01/8/6書き下ろし)