ケイ国王の映画感想文21 VOL.33

COWBOY BEBOP/天国の扉 Knockin' on heaven's door

「COWBOY BEBOP/天国の扉 Knockin' on heaven's door」(監督/渡辺信一郎 声の出演/山寺宏一 石塚運昇 林原めぐみ)(アニメーション作品)

・宇宙をまたぐ賞金稼ぎが、化学兵器を駆使するテロリストと対決
 
 
1998年、民放地上波の飛び飛びオンエアから、BS放送やビデオ、LDリリースを経てでファンを増殖させたSFアニメ『カウボーイ・ビバップ』。製作を公言されながらも、その全貌がまったく見えなかった待望の劇場版、ついに公開!! 

 ストーリー
〜火星で起こったタンクローリー爆破テロ。政府はこの事件の首謀者に賞金3億ウーロンを懸けることを開示。スパイクをはじめビバップ号のカウボーイ=賞金稼ぎたちは、容疑者とされる謎の男・ヴィンセントを探し出そうとする。
 だが、ヴィンセントの人物像に近づくにつれ、彼の背後には軍と製薬会社による〈生物兵器開発〉が関与していることが明らかになる。ヴィンセントはいったい何者なのか。そして、テロ行為の目的は――?
(以上、公式ホームページより)

・マニアック感想

 ○沖浦啓之(「人狼」の監督。アニメーター出身)がオープニングの演出担当!
 後になって知った。どうりで本編と絵の雰囲気が違うなって思った。
 「人狼」は劇場で見てるんだけど、疲れた日に見に行ったせいで、殆ど寝てて覚えてないんだよね〜(あちゃ〜)。物凄いクオリティの高い作品だったんだけど、ただ、背景と人物の絵の線が一緒で、全体的にのっぺりとした感じ(立体感があまりない)、それにストーリーも重くて、ゆったりとした感じだったので、どうも寝てしまったわけだが……
 もともと凄い才能の主なので、見せてくれます。かっこいいオープニングを堪能して下さい!

 ○伝説のアニメーター、板野一郎の空中戦!
 ドッグファイト(空中戦)を描かせたら世界でも右に出るものがいない(筈)板野一郎氏が久々に現場復帰!(オリジナルビデオアニメ「バース」で注目される。その後「超時空要塞マクロス」で主人公達の乗る、戦闘機型ロボット「バルキリー」の空前絶後の変型・戦闘シーンの絵コンテを手掛けてるのがこの人!)
 後半に出て来るソードフィッシュ号の凄まじい空中戦に注目を!

 ○信本敬子の脚本はややステレオタイプ
 
この人の主な作品、
 
 「白線流し」←世間の評判程いいとは思わない。
 「バナナチップスラブ」←これは良かった!
 アニメ「マクロス・プラス」←つまんねえ〜!
 
 この人の脚本は、ステレオタイプなんだよね〜。
 ま、許せる範囲かな。

 ○ヴィンセント
 声(磯辺勉)やキャクラターも悪役としては結構、型に嵌っている。膨らみが足りない。ヴィンセント・ギャロをモデルにしたキャラ(名前までまんまかよ!)なのだが、外見程のエキセントリックさはない……でもかっこよろし。

 ○女性キャラのフェイ
 
いつも同じ服なのは、アニメらしくないアニメを目指してる(と思われる)この作品の中で、数少ない「アニメファン向けの落とし所」だと言う事に気が付く。コスプレ人気を当て込んでる訳やね……

 ○いわゆるアメリカ文化にややかぶれ過ぎ
 アメリカ、特にニューヨーク辺りの風景・風俗トレースし過ぎ。ちょっと見ててこっ恥ずかしい……

 ○スパイクは相変らずかっこええ〜
 声は「おはスタ」でも有名な山ちゃん(山寺宏一)。ギャップあるよなあ……

 
 んー、なんか否定的な文章が多い気が……そんな筈じゃなかったのに。
 じゃあ、最後に本当に言いたかった事を、大きい太文字で書く事にしよう。

 めちゃくちゃカッコイイじゃねえか!最高!!!
オモロイ!!!

 宇宙を股にかけるカウボーイ(=賞金稼ぎ)とテロリストとの死闘! 渋いっす〜(ちょっと時期的にアレですが)。ジャズィーな音楽も最高! 大人のハードボイルドを是非堪能してくだされ。
 誰が見ても面白いです。テレビシリーズを見てなかった人も大丈夫。むしろ普段アニメ見ない人が楽しめます。エンターティメントのお手本みたいな作品! と言う事で……
 「面白い映画を見たい人」、劇場へGO!(☆☆☆☆)

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('01・8月劇場公開)
('01/9/13書き下ろし)