ケイ国王の映画感想文21 VOL.15
ケイ君のビデオ観賞記21その七(「カオス」)

「カオス」(監督/中田秀夫 出演/萩原聖人 中谷美紀)

 高級レストランで食事をする実業家の小宮山(光石研)とその妻・佐織理(中谷)。小宮山がほんの少し目を離した隙に、佐織理の姿が消えた、不審に思いながらも仕事に戻った小宮山の元に、「あんたの女房を預かっている」と言う脅迫電話がかかってくる。犯人・黒田(萩原)は3千万円の身代金を要求。妻の身を案じつつ、警察の指示を仰ぐ小宮山。 しかしこれは佐緒里が便利屋の黒田に依頼した狂言誘拐だったのだ。慎重な下準備と巧妙な手口を用いて警察の裏をかいて見せる黒田。しかし、事を終え、佐緒里を隠しているマンションに戻った黒田がそこで目にしたものは? そして佐緒里が本当に企んでいた事とは・・・

 中谷美紀の女優っぷりを見せつけられました。二転三転するストーリーの面白さと共に、中谷さんの美しさ・妖しさに魅入られ、ドキドキしっぱなしです(笑)。
 裏をかいたりかかれたり。こういう役は演じる側も演じがいがあると思います。「リング」、「リング2」の中田監督作品への出演は3度目の中谷美紀ちゃんですが、監督はほんと彼女に惚れ込んでますね。僕もマジで彼女は若手女優の中でも実力派だと思ってます。受けの芝居が旨過ぎて逆に目立たないけど、「リング2」なんかは彼女の存在感がなければもっとトッ散らかってたかもしれません。それはそれで面白いのかも知れませんが(笑)。
 サスペンスなのでストーリーは多くを語れませんが、最後まで物語にぐいぐい引き込まれました。萩原聖人も好演。
 欲を言えばもっと濃密なエロスを漂わせてくれても良かったかな。この物語だったらそれをやってくれても問題なかった筈。更に深みが加えられるような気もするけど、ま、それは好みの問題かな。
 誰にでも薦められる面白いサスペンス。邦画嫌いな方もどうぞ。☆四つあげちゃおう!

(☆☆☆☆)

('00・10月劇場公開)
('01/3/24書き下ろし)

>BACK