ケイ国王の映画感想文21 特別編(1)
ケイ君の選ぶ2000年邦画ベスト

・2000年邦画ベスト
1位 顔(監督/阪本順治)
〜ひきこもりの夢見がちの独身おばさん(藤山直美)が妹を殺してしまい、その逃避行の最中、皮肉にも人間らしい顔を取り戻して行く……藤山直美最高! 素晴らしい演技! 「顔」、阪本作品の中でもベストではないのか? 豊川悦史、佐藤浩市、大楠道代など役者陣が全員好演! 笑いと涙。めちゃくちゃかっこいい!
1位 金髪の草原(監督/犬童一心)
〜ある日突然、自分を二十歳の若者だと思い込む老人(伊勢谷友介)とホームヘルパー(池脇千鶴)の恋。日本では珍しい切ない心地よいファンタジーである。大好きな作品。
1位 呪怨1・2(監督/清水崇)
〜感想文参照。多分「エクソシスト」なんかよりも恐い最凶のホラー映画。死にそうに恐い!
1位 漂流街(監督/三池崇史)
〜吉川晃司! 及川ミッチー! 相変わらずリミッターが外れた三池監督のぶっちぎり無国籍バイオレンス映画。ヒィヒィ言いながら楽しもう! 
1位 ピンチランナー(監督/那須博之)
〜感想文参照。「チャーリーズ・エンジェル」と同じ方法論、同じ精神で作った映画なのに、全然ベストテンに入れて貰えない映画。ワイヤーアクションを取るか、駅伝を取るか、だとやはりワイヤーアクションなのか? 物語に絡まないのに一番おいしい所を持って行く後藤真希の輝きをスクリーンに残しただけでも那須監督の功績はもっと称えられてしかるべきだ。役者の輝きだけに頼って映画をつくってもいいのか?
「いいのです!」(断言!)
1位 カリスマ(監督/黒澤清)
〜感想文参照。こんな映画を普通に見られる我らは恵まれているに違いない。凄いよこの人は。
1位 BULLETT BALLETT/バレット・バレエ(監督/塚本晋也)
〜拳銃を手に入れた男がのめり込むバイオレンスの世界。好きだからしゃあない。ガンガンいったれ! 冷たい金属感が好きさ! やっぱツカモトさんはこうでないとね!
1位 バトル・ロワイアル(監督/深作欣二)
〜原作にないセリフで名セリフ多し! 安藤政信カッコ良過ぎ。たけちゃんの存在感! 深作監督本当に70歳なん? こんな若い感覚の映画が作れるのに……
狂った傑作! 続編の話も出てるが、こうなったらイッタレ、イッタレ! 
2位 うずまき(監督/Higuchinsky)
〜感想文参照。怖くない? それがどうした? これは怪奇映画、もしくは怪奇ファンタジーであろう。「もうひとつの世界」を描いた映画は大好きである。完成されていると思う。ぐるぐるぐるぐる〜@
3位 首吊り気球(監督/小田一生 他)3話オムニバス
〜感想文参照。首吊り気球を考えた原作者伊藤潤二が偉いのかな? こういう世界好き。
3位 ISOLA 多重人格少女(監督/水谷俊之)
〜感想文参照。良く出来ていると思うんだけど(特に前半)。怖くないけど、別にいいじゃん。
3位 リング0〜バースデイ〜(監督/鶴田法男)
〜感想文参照。見せ場を盛り上げる為に前半退屈に演出するのは、良くある事。ホラーってそう言うものです。

 他、「押切」、「ホワイトアウト」、「富江アナザフェイス(ビデオオリジナル)」等楽しませて頂きました。「発狂する唇」は順位付けから外しましたが、確かに凄い事は認めます。ラスト、監督の力量がなくて、収拾付けられないのを「バカ映画だからわざと収拾付けなかったんだよ」とごまかす、逃げのラストが嫌いです。

・2000年邦画主演男優賞
該当者無し
〜何となくね。
次点・塚本晋也

・2000年邦画主演女優賞
藤山直美(「顔」)
〜文句の付けようがない。素晴らしい。
次点・池脇千鶴

・2000年邦画助演男優賞
吉川晃司(「漂流街」)
〜かっこええ〜。
次点・豊川悦史、及川光博

・2000年邦画助演女優賞
大楠道代(「顔」)
〜うまいわあ。
次点・真野きりな

・2000年邦画新人賞
後藤真希(「ピンチランナー」)
〜演技とか言う時点を超えてしまっている。スクリーンに愛されるとはこういう事だ。

・2000年邦画トホホ(ワーストではない)
○ 蛇女(監督/清水厚)
〜やっぱり佐伯日菜子が蛇女役じゃなくって襲われる側って言う時点でなあ〜。蛇女役の夏生ゆうなの怪演は買いだが……最後の佐伯日菜子の逆襲のシーン、逆ギレして「咬みつく」って……(笑)。メリハリなくようわからんまま終った最後に流れてくるのは、佐伯日菜子の歌う主題歌、佐伯日菜子デビューシングル「冷たい月を抱く女〜蒼い記憶のグノス」!
注目→作詞:大槻ケンジ 作曲:エリック・サティ&中川孝 編曲:中川孝
……オーケンなにしてはんねん!(笑)エリック・サティ……この曲、たけしの「その男凶暴につき」で使われていたあの曲ですわ。……トホホ感倍増! まったく変な映画でしたよ。だから逆に見て欲しいと言うか……(笑)
○ 富江replay(監督/光石冨士朗)
〜「感想文」参照。普通につまらなかったです。菅田俊の怪演だけちょっと良い。

・2000年邦画ワースト
● A・LI・CE(監督/?)
〜フルポリゴン3DCGアニメ。そんな退屈な人形劇いらん! あほかい!
● 新・仁義なき戦い。(監督/阪本順治)
〜「顔」はあんなに面白かったのに……やる気のないやくざ映画と言う新しいジャンルなのか? あと誰かが阪本さんは個人を描くのは得意だけど群集劇は苦手なのではと言っていたが、そうかも知れないなあと思ったっす。ベストとワーストW受賞ってのも凄いけど……
● GOJOE/五条霊戦記(監督/石井聡互)
〜浅野忠信&永瀬正敏。人気のある二人でもダメな物はダメ。弁慶役の隆大介、好演だけど、昔むちゃくちゃワルだったって設定の弁慶役には合わない。ミスキャストだと思う。隆大介には罪はない。いい役者だ。
● D/ディー(監督/岡部暢哉)
〜3DCGのパワードスーツで元傭兵が暴れ回る……ドラマ部分がひど過ぎ。この映画も監督の力量がないのをバカ映画だからと言う姿勢でごまかしているのが腹立たしかった。ちゃんとやれっての!
● PARTY7(監督/石井克人)
〜「感想文」参照。ちなみに今年の「世にも奇妙な物語SMAP特別編」のキムタクの「BLACK ROOM」を撮ったのもこの人だった。最初の会話部分、相変わらずいらいらさせれられたが、最後は突然の大げさなCGシーンで馬鹿馬鹿しい前半のくだらない会話をいい風に昇華させ、それでも「PARTY7」より見られるものに仕上げていた。この監督も次回作で真価を問われるであろう。ちなみにこれも浅野忠信&永瀬正敏。浅野は好きだけど、こう駄作が続くとちょっとなあ……

・サイコー!「幻の湖」&「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」!
 あと本年度公開作品ではありませんが、去年は、ビデオでは見られない幻のカルト「幻の湖('82 監督/橋本忍)」、「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間('69 監督/石井輝男)」に出会えた記念すべき(?)年でした。(川崎でハロウィンに行われたオールナイトのカルトムービーフェスティバルで拝見)。
 「恐怖〜」の方はさんざんいろんな所でストーリーとオチをを聞いてしまっていたのと、「直撃地獄拳」、「ゲンセンカン主人」、「地獄」などで、「もう石井監督の世界に慣れっこになってしまっていたので(笑)」、思った程楽しめなかったのですが、(それでもかなりキテいる。絶対に見た方がいい)「幻の湖」の「最高さに」、しびれまくり(笑)。 激オモなので是非ビデオ化DVD化を希望します。ニ作品とも色んな意味でヤバ過ぎ。「幻の湖」死ぬかと思った。笑い過ぎて。

ついでに……
・2000年テレビドラマベスト
★読売TV「オカン」(主演/天童よしみ)単発二時間ドラマ
〜漫才師、西川のりおが自分の母親について書いたノンフィクションのドラマ化。これが良かったんだわ! 昭和初期、子供に厳しく、むちゃくちゃケチだが、実はめちゃくちゃため込んだお金で買う時はパッと当時高級品だったTVを買ってのける(もちろん値切る事は忘れない)たくましいのりおのオカン役を、割烹着姿の天童が好演! 銀行もオカンには頭が上がらない。金を貸していた運送会社の社長に夜逃げされても、従業員から債権を買い取り、自分がそこの社長になり(!)あっと言うまに会社を立て直して見せたりとか……それでいて家族思いのオカンの泣けるエピソードにこっちももらい泣き! 最後は大人になったのりお(赤井英和)が亡くなったオカンのお墓に本を書いた事を報告するシーン。のりおの頭に聞こえてくるオカンの声。「のりお、かっこよく書き過ぎやで!」。面白かった。再放送希望!
★テレビ東京「バミリオン・プレジャーナイト」内で放映された「QuickGirl」(短編ドラマ)
〜パルコのCMに出て来そうなオシャレなお姉さんが街中を歩いている。そのお姉さんが突然銃をぶっ放す! 飛び散る大量の血飛沫! それが次から次へと連鎖し(射殺シーンの連続!)最後には意外なラストシーン。渋谷の街中で堂々とロケを敢行! ある意味バトル・ロワイアルよりも刺激の強い映像だった。これ確かビデオ化される筈。楽しみ!
★NHK「深く潜れ〜八犬伝2001」連続ドラマ

〜前世を扱った摩訶不思議なドラマだった。鈴木あみ、千原兄弟、テリー伊藤とキャスティングも最高! 主題歌ミッシェル・ガン・エレファントとワシのツボを突きまくり! 一番良かったのがアボちゃん役の小西真奈美ちゃん! 要注目の女優さんですなあ。
★フジテレビ「やまとなでしこ」連続ドラマ

〜非常に面白かったです。コメディとして非常に良く出来ていたと思う。
 
と言う事で……。
('01/2/1)

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