「スネーク・アイズ」(監督・B・デ・パルマ 出演・ニコラス・ケイジ)

 一万四千人の観客の前でボクシングの試合中に国防長官が殺された。試合を観戦していた刑事(N・ケイジ→シャレではない)が封鎖されたスタジアムの中、真犯人を追い詰める! 事件の真相! 巧妙なトリック! そしてラスト意外なオチが……いやあ、楽しませて頂きました。冒頭の13分のステディカムの長回し、分割された画面で、別角度で映し出される同時進行する事件展開を映し出して見たり、ホテルの部屋の様子を、天井からのカメラで俯瞰で移動しながら見せたりとか、etc……目まぐるしい速度で展開する物語は、物凄い集中力と観察力を要求されます。で、この映画を見る予定のあなたにKからのアドバイス!
 初めて見る方、全員→必ずラストまで見て下さい(クレジットが終わるまで)。「え?」新たな謎が提示されます(ある物が映し出される)。「これって?」。見終った後、もう一度最初から見るかどうか最後まで迷いました(友人は全貌を知る為、三回見たそうです)。パンフレットの説明とその友人の話で七割がた、その意味を理解したつもりなんですが……展開の激しい入り組んだ物語が苦手だと自覚している人は最初から三回見る覚悟で行きましょう(少なくとも二回見る覚悟で)。何度も見て楽しめる映画、そうはありません。もしくは最初からビデオが出るまで待つのがいいかも知れませんね(意味ないじゃーん!→明石家さんま風で)。
 事件の謎解きも面白いが、出てくるキャラクターそのものが面白い!→特にN・ケイジ演ずる汚職刑事のキャラクターは最高! 被害者の女性を無茶苦茶ののしったりとか……素晴らしいですね、ニコラスの演技力は。展開を追い切れなくなった場合はキャラクターの魅力に注目して下さい。むしろその魅力が、いまいちこういう展開の物語では伝わりにくい気がしますね(字幕を追っかけながらだと特に)。 音楽は坂本竜一氏ですが、多分、展開を追うのに目一杯で、音楽を聴いてる余裕は無いでしょう→サントラを買って聴きましょう。僕も今回は全く音楽を聴く余裕はなかったです。
 こうやって書いていくと、敷居の高い感じがしますが、勿論、芸術映画みたいな難解な作品ではないので、怖がらなくていいですよ。単純にハラハラドキドキを楽しんで下さい。監督の映像マジックに皆で酔いましょう。それでは。Kでした。
(☆☆☆1/2)
('99・2月劇場公開)

'99・3月 メール・掲示板機能付きFAX「mojico」掲示板にて初出
'00・12/7 加筆修正

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