PARTY7(監督/石井克人 出演/永瀬正敏 浅野忠信)

 「鮫肌男と桃尻女」の石井克人監督の劇場長編第二作目。とある錆びれたホテルに飛び込んできた訳ありの客(永瀬正敏)の元に、次々と怪しげな人物が現れる。その様子を隠しカメラで見ているのはホテルの跡取りのおたく風の息子(浅野忠信)と怪しげな扮装の謎の男“キャプテン・バナナ”(原田芳雄)。やがて彼らを巻き込んで、巻き起こる珍騒動……
 結論から言うと「非常にお笑いが好きな人(監督)がそのお笑いへの憧れの気持ちだけで作ってしまった似非コント」。もっとはっきり言うと「『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』のフリートークと『ごっつええ感じ』のショートコントの出来の悪いパロディ」と言う事です。どうして誰も指摘しないのだ?
 役者陣の下手糞なダウンタウンごっこを見るのは気恥ずかしい事このうえなかった。ていうかムカついた(笑)。だって表面だけ、形だけなぞらえた真似なんだよね(「このハゲ!」っと言うツッコミ。言葉の言い換え、言い直しのギャグ)。しかもアクション映画の一部分にコントの部分があるとかじゃなくて、えんえんと 「似非コント」を見せられる訳だ。……つらかった(笑)。基本的に室内劇だから余計爽快感がないんだよね〜。しかも室内劇なんてよっぽど監督の演出力、役者の演技力が問われるわけだよね。しかも喜劇(コメディ)を作ると言う事は普通の劇を作るより非常に難しいと昔から言われているわけだ。それをお気楽にこの石井監督という人は……
 他に迫力ある銃撃シーンとかアクションシーンとか、そう言うのがあればまた違うんだけど……ハー(溜め息)。キャプテン・バナナっていうセンスのないネーミングを聞いた時にやばいと思ったんだよなあ……浅野忠信のキャラと岡田義徳のキャラ、両方共オタクキャラの設定かぶってるし。とにかく不愉快な映画だった。がっかり。(☆☆)
('00・12月劇場公開)

'00・12/30書き下ろし

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