「グッバイ・ラバー」(劇場公開時タイトル「パトリシア・アークエットのグッバイ・ラバー」)(監督/ローランド・ジョフィー 主演/パトリシア・アークエット)

 目茶苦茶面白かった! 新宿の映画館で単館ロードショーされている、おしゃれでブラックな大人のコメディ。夫の実の兄(ドン・ジョンソン!)と不倫している主人公のアークエットが夫の保険金殺人を計画するが、実は本当にハメようとしていたのは……そして、話は二転三転し……その計画がらみで出てくる殺し屋役がビンセント・ギャロ!と言う事で「もしかしてこの映画は面白いのでは?」と言う予測の元に見に行かせて貰いました。いや、予測は裏切られなかった! 他にも清純派っぽいメアリー=ルイーズ・パーカーのムフフなシーンとか、がさつで女らしくなく、それでいて腕利きの女刑事役のエレン・デジェネレスのほれぼれする役者っぷりとか(上手いこの人!)――最高である。で、もちろんパトリシア・アークエットの可愛げのある悪女っぷりが良い! 単なる悪女ではなく今時の現代女性風である所が新しい所だ。
( 自己啓発テープを繰り返し聞き、「サウンド・オブ・ミュージック」がお気に入りという設定。人生の成功を夢見て、愛する男性との純愛を貫き、純粋なる夢の実現の為に「天使のような純真な心」で保険金殺人を企てる。笑)。ギャロの怪演も良かった。
 気持ち良いのは、ドンデン返しを品のいい所で止めてみせるところ(悪い例→「ワイルド・シングス」たくさんドンデン返しゃいいってもんじゃない!)やりすぎない所に、大人の余裕を感じる(冗談抜きにドンデン返しをやると見せかけてやらないと言うシーンが出てくる)。色っぽいシーンも楽しめる非常に面白い大人のドラマ。ラストも結構イマっぽい感じだ。ビデオでぜひ観てくださいね。(☆☆☆☆)
('99・10月劇場公開)

'99・10月 メール・掲示板機能付きFAX「mojico」掲示板にて初出
'00・12/30 加筆修正

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