「エリザベス」(監督/シェカール・カプール 主演/ケイト・ブランシェット)
 
1588年、女王に即位したエリザベスを巡る政権、宗教、国家間の陰謀。そして恋愛……自分の「(人間臭い)感情」を貫く為に、「人間らしさ」を捨て、たくましく非情な《女王》に変貌を遂げて行くエリザベスを若いK・ブランシェットがきっちりと誠実に演じている。ドロドロした人間関係、政治の駆け引きをケレン味たっぷりに描いた「硬質なメロドラマ」。ドロドロしてて嫌だと言う人と、ドロドロさが物足りない、て言う人と両方いるだろう。僕はドラマチック過剰じゃなくてちょうど良かったです。結構嫌いではない映画。インド人監督のカプールにイギリスの歴史物を撮らせると言うのがユニーク。パワフルな演出! 「渡る世間は鬼ばかり」とかが好きな人が観ても充分楽しめる(笑)。幅広い年代の女性客を集めて、日本でヒットしたのも頷けますね(☆☆☆)
('99・8月劇場公開)

'99・9月 メール・掲示板機能付きFAX「mojico」掲示板にて初出
'00・12/24 加筆修正

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