気づくと僕は
人ごみの中で一人だった
誰も僕を見ていない
誰にも僕の声は聞こえない
切り取られた空間に
僕はただはめ込まれていた
深夜の街
自転車で走るのが好きだ
流れる景色の中に
誰もいない
人影さえも見えない
静寂の空間を漂う
店に光はなく
いつもの信号は黄信号
これが真実だ
虚像を映し出すスクリーンを
その薄い一枚を剥ぎ取れば
僕はいつもこの空間に棲んでいる
そう、昼間でもずっと
夜更けの見慣れた非日常に・・・
快晴の夕暮れ
天は壮大なグラデーションに
染め抜かれる
太陽が落としたオレンジの残り火は
西へ走る藍のカーテンに塗りつぶされ
訪れた漆黒の中に
銀の砂が目を覚ます
君は春風
朗として
僕の心に微笑を
君は向日葵
燦として
生きる勇気と楽しさを
君は雲
遊として
とどめ置けない切なさを
君は月
凛として
不意に息飲む瞬間を
君は根雪
頑として
溶けぬ強さを内に秘め
そんな君をいつも見ている
火星人2世