還らない糸
 

部屋を飛び出して
あなたのいないところへ

湿った風 曇り空
私の心と同じなのに
なぜか癒される
不思議の海

きらきら光る糸を吐いて
織りあげた布 巻きつけた首
さらっていった風を
感じるはずなのに


そんなに簡単に
言葉を投げつけないで

ざくざくと胸を掘る
目に見えない棘
風をまといに海へ出る

どこかでまた会えるように
名前を教えてね
名前を教えるね
少し笑った私を
忘れないでね


指に憶えてる感触を
次はあなたからもらいたくて
でも 前世の記憶のように
世界の裏
右眼を閉じたら見えるかもしれない
遠く遠く
遥か遠く


どこかでまた会えるように
名前を憶えてね
私も憶えてるから
無表情なあなたを
忘れないから