花びら ひとひら
ひとはみな
どこかに川が流れている
あなたの瞳の奥に
海が見える
溯って 水源を探すのよ
そこが あなたの
ほんとうの 心臓だから
すべてのものが
止まって見えるときでも
体の中で流れる感覚
たぐりよせれば
生き返られる気もした
でも
私の川は干上がってしまったから
もう流れてはゆけないの
花びら ひとひら 海へ送るために
コップ一杯の
コップ一杯の水をください
甘い水も
海へ出てしまえばしょっぱくて
悲しみも忘れるほど
考えてしまう
溯って水源を探すのは
そこが わたしの
ほんとうの 心臓だから
すべてのものが
止まってしまったときには
せめてせせらぎの音でもいい
耳をよせて
“静止”を振りきるけど
そう
私の川は干上がってしまったから
もう流れてはゆけないの
でもこんなにも涙こぼれる
桃色花びらは
いつしか海に着いていた