オフィス街(青)

インターネットでコミュニケーションを考える


−第一回共通テーマ 「外国人と日本人」−

1.問題提起

外国人と日本人を考える上での最初の問題提起として、有田氏の投稿された話 題「A村の外国人のプール使用禁止事件」を取り上げました。事件の概要は外国人がプールで悪さをして日本人の少女が身の危険を感じた。その少女の母親 の訴えにより「外国人はご遠慮下さい」という貼紙が村当局によりプールの入 り口に貼られ(すべての)外国人がそのプールから締め出されたという事件で す。これは日本に住む外国人にとって大ニュースだったので、日本の英字新聞 に掲載された。さらに、アメリカのある新聞では、この事件は日本関連ニュー スのトップとして伝えられた。これは外国人と日本人を考える上で興味深い テーマであり問題提起として取り上げた。

2.日本人の人権意識のなさと国際感覚の不足

民間でも許されない行為だと思いますが、これが公共の場でおこなわれたとは 断固問題にすべきだと思います。(峰松)

有田さんが紹介され、ラズロさんがフォローしてくださったA村村営プールの 外国人差別事件は、信じられません。 A村の取った措置を正当化する根拠は 何もありません。自分を外国人の立場において考えて見ればすぐ分かることで す。早く謝罪すべきです。(側島)

いうまでもない事ですが、外国人がみな事件をおこすわけではありません。 それは外国人だからではなくて、たまたま事件を起こした人が外国人であった というだけのことです。 日本には外国人である事以外にも、偏見や差別を受ける事柄がありますが 特に外国人に対する偏見や差別は根が深い、強いものを感じます。(福田)

といった日本人の人権意識のなさと国際感覚の不足といった内容にほとんどの 人の意見は一致した。

3.これは日本人の一般的な傾向か特殊な事件か。

A村の人達がなぜそういう行動をとったのか一般の日本人でも理解出来ないと ころがあります。東京とか横浜では絶対起こらない事件に思われます。典型的 な日本人の行動パターンなのだろうか。(多賀)

という日本人の一般的な傾向だろうかといった疑問が提示された。

民間では、「外国人入場禁止」というのは決して珍しいことではないのです。 手元には北海道、東京、静岡の例を中心としたかなり長いリストがあります。 (ラズロ)

これは特殊な事件ではなく、日本の人権問題の後れを指摘する意見がだされた。

4.どういう対策があるか。

人権や国際化に対する認識、理解を個人レベルを対象にしたセミナーや学習会 を(国や民間主催で)全国的に行っていく必要が有ると思います。また学校教 育の中にも取り入れ、子供のうちから、そいうことにもっと柔軟に対応できる バランス感覚を養っていくべきでは・・(単に教科書の上ではなく、生きた学 習として)。(KOO)

国際化はもっとセミナーや教育を通じて改善する必要があるという意見が出さ れた。

5.なぜこういった外国人排除が起こるか。

A村の人たちのの行動もこれと似た「不安」から来ているのではないでしょう か。(行動や思考などが)分かっている(と思っている)存在に対しては不安は 生じませんが、分からない存在には不安が付きまといます。そしてその不安を 取り除くもっとも手っ取り早い方法は「排除」です。私はこのキーワードを 「分からない」ではないかと思っています。分かれば不安は取り除かれるわけで すから「分からない」を「分かる」ことに変える具体的な方策を検討し、提案し ていく必要があるのかなと思っています。(石井)

外国人への「不安」や「分からない」ということから排除が起こるのではない かという仮説が提示された。

これに関連してネウストプニー著「外国人とのコミュニケーション」による外国人排除がなぜ起こるかの紹介があった。
この本によると何処の国でも外国人が警戒されたり、拒否されたりすることが起こり得る。外来のものや外国人の行動のもっとも顕著な特色は、社会の主流 のものや行動と異なる変わった動機、考え方、行動のパターン、原則、ストラ テージやルールをもとにして行われていることである。(多賀)

今回のプール事件の場合は、日本人を怖がらせる事件がありA村の人達が外国 人をルール違反をする「分からない人達」と考えたとすると、石井氏の仮説が 裏付けられるといった意見がだされた。

6.実感として恐い外国人もいる。

以前に、出張からの帰りに日暮里駅(鴬谷かな?)で乗り換えようとした時、 ○○○人の人たちが駅の構内をところ狭しと、集まっていたのを見て、恐怖を 感じました。それは、前に読んだか聞いた話で、この駅のあたりを溜まり場と して、○○○の人たちが、犯罪や違法行為を行っていることを思い出したから です。(渋谷)

やはり外国人は恐いと思っている日本人が多いという意見が出された。

7.役所の責任が大きい?

情報不足で不安をかかえている人をコントロールする立場の人たちが不安をあお るような行為をしているとしか思えません。これはこの村の役所の人の問題だと 思いたいですが、日本人一般的な行為でしょうか? この事件が他の村、町、市で おこったらどうだったでしょうか。(峰松)

役所に勤務する職員が「情報不足で不安を抱えている人をコントロールする立場」 であるかどうかは異論のあるところだと思いますし、「あおった」かどうかは取材 したわけでもありませんので何とも言えませんが、適正な対応ができなかったこと が大きな誤りの原因であることはそうだと思います。しかし、なぜ適正な対応がで きず、短絡的な行動を取ったのでしょうか。東村に居住したり、勤務したりする人 が全員日本の中で特殊な教育を受けて他の日本人と異なる思考をしていたからでし ょうか。わたしは違うと思います。冷静に一人一人に聞けばきっと彼らはその 行為自身を「誤り」であろうと考えるはずだと思います。たぶん「仕方が無い」 方法として誤った行為を行わせた、つまり行為の正当性の検討や冷静な判断を途 断させた「何か」があったはずなのです。
いずれにせよ此処のところにに「メス」を入れないと誤りを回避する対策が提 案できないのではないでしょうか。誤りの結果を糾弾するだけでなく、誤り経 過を分析するところから意義ある提案が生まれると個人的には思っています。

自分たちと「異質なもの=不明な部分を有しているもの」に対する「不安」が 何かをきっかけに顕在化した時その敵対行動はきっかけを作った個が属するグ ループに向かうのは歴史の長い間で繰り返されてきたように思います。それが 生物にもともと備わったものなのか、それとも人間に特有かはたまた、民族に 専属するものかは良く分かりませんが、少なくともそのメカニズムを解明、分 析することから始めないと「外国人と日本人」間の差別問題のみならず、他の 様々な差別の問題などもまた各所で形を変えて繰り返されるような気がしま す。(石井)

役所の責任が大きいのではないかという意見に対して、必ずしもそうばかりと は言えない、そういう手段をとらせたメカニズムの解明を行わないと真の解決 にならないという意見が出された。

8.おかしいと思う人はいなかったのか。

この時、村の有力者の中に外国人と親しい人がいて「おかしいぞ」と言い出し たらこんな処置は取られなかったのでしょう。それまでのA村と外国人との付 き合いはどうだったのでしょうか。(多賀)

私も、「おかしいぞ」と思う人がいなかったかなと思いました。そして、行政 側と、市民側と両方に複数の人達がいたら、このような処置を止められたので はないかと思いました。(武藤)

A村に外国人と親しい人がいればこういう事にはならなかったのではないかと いう意見が出された。

9.こういった事件ではマスコミとか識者は正しいか。

事ごと左様に、私たちは「事実」に関する材料なしに、「識者」と称せられる 人々の「見解」や「新聞報道」に惑わされていると思います。これらのいずれ も、客観的、科学的、総合的に研究された結果に基づき、その研究した「グル ープ」の名により発表されたものではなく、「識者」「記者」「編集長」という、 「一個人」の見解の発表に過ぎません。(有田)

有田氏より「強固な団体」である「行政」や「企業」に対抗する「力」をネッ トワーク上で「結集」してインフォマルな「パワー」を持つべきという提言が あった。

10.知的障害者の排除も同じパターン。

知的障害者でも外国人でも、地域の中で分かり合うということが大事だと思っ ています。その為には、彼らも地域の中に積極的に出ていって、仲良しになる 努力も必要だと思っています。(徳田)

同じ排除は外国人だけでなく知的障害者にも行われているとのコメントがあっ た。

11.では分からないだけが排除の原因か。

ある帰国した人から出来るだけ目立つな、外国の話はするなと子供に言い聞か せていると聞きました。「自分達の知らないことを知っている」「自分たちの出 来ないことができる」「羨ましい」「妬ましい」「排除したい」=「いじめ」と いうことではないでしょうか。日本の同質社会が抱えている一番大きな問題で はないかと思っています。(多賀)

石井説の「分からない」「不安、恐い」「排除する」というパタン以外にも 「羨ましい」「妬ましい」「排除したい」という外国人差別の問題があるとの意 見が出された。

12.差別は普遍的に存在する。

東南アジアの諸国などでは、日本人は殆どビザが要りません。国ごとに 滞在期間が異なりますが、韓国を除けば2、3ヶ月位はノービザで滞在可 能です。反面、彼の国の人たちが日本に入国する際には、日本国内の保証 人を要求し、戸籍謄本添付や銀行残高証明の添付を要求したりしています。 聞くところによりますと、タイ人女性の入国は、まず殆ど絶望的だとのこと です。(徳江)

差別そのものについてははっきり言ってなくならないものだと思います。ある 意味では人間である以上他人と違うということで差別化をしなくては個人として成り立たないのではないかと思います。 問題となるのはその差別感情が感情に留まらずに人間生活をおくる上でさまざまな障害となったり、住民サービスなどに差が出てはいけないと思います。(寺田)

 私のピアノの生徒は、夏休みに友人のいるウィ−ンに遊びに行ったのですが、 その友人によると、日本人はウィ−ンでは差別を受けるそうです。彼女は生まれ て初めての人種差別を、あこがれの地で受けたことが大変ショックだったとか。 (向田)

差別はなかなか無くならない。外国においても日本人への差別は存在するという 意見がだされた。

13.「個々の問題」と「すべての問題」

私たちは、「個々の問題」と「すべての問題」を明確に分離していないのでは ないでしょうかという有田氏より問いかけがあった。

これに対し 「私たちは」という問いかけ自身がそうですし、「外国人と日本人」というテ ーマの設定もそうです。外国人にたいしても自分の知っている「個々の外国人」 をとうしてその国を語る事がしばしばあります。そういった取らえ方は間違って いますが、自分が外国に行った時は逆にそういった取らえ方をされると言うこと も心すべきと思う。(多賀)

外国人を理解するときにしばしば個々の問題で国民全体が判断される事がある との意見が出された。

14.外国人はお断りの事例は多い。

1) 公営施設(その措置は自治法に反するが、施設がその措置をしようと思えば、 勧告は受けるかもしれないが、強制的に辞めさせられることはないようです)。
2) 民営の店など(その措置は国内法に反しないようです。従って、犯罪にはな らず、勝手にしていいことになっているようです。これをする多くの店は勧告さ え受けないことが現状です)。
3) 民営銭湯、温泉など(話を聞くと、民間の銭湯などは、民間であるがゆえに、 上記の2)と同じことになりますが、銭湯・温泉であるがために、ちょっと特別 視されているようです。もうしかしたら、外国人の入場を禁止したところが訴訟 起こされ、負けた例もあるかと聞いています。(ラズロ)

その例の多さには少しびっくりしているという報告があり事例が紹介された。

15.問題の本質

外国人に対する差別意識が他の国より特別に多いかどうか、これは調べていな いからわかりません。しかし、私の考えでは、これは一番重要な点ではありま せん。より重要なのは、差別を法的、社会的にどの程度許しているかです。こ れは日本では大きな問題が存在するとしか言えないのです。しかし「加害者を 特定できないから、加害者と同一のメルクマールを持つ一定範囲の者を使用禁 止とする」ということが問題の差別ですから、かつて「誰か」による「トラブ ル」は仮にあっても、差別をする言い訳にならないのですね。民族・人種・国 籍による差別を許すか、許さないかが、日本にとって一つの大きな課題であり 、挑戦であるのです。差別を考えるとき、差別を受ける側には何かの問題があ るかという問うは、不適切なんですね(これを英語でいうvictim blamingにな ります。ある女性がレープをされたとき、被害者が夜遅く歩いていたのが悪か ったとか、服装が派手だったのが悪いとかを論じるのと同じです)。因果関係 があるとは限らないし、問題はそもそも、差別行為のこと自体だからです。 (ラズロ )

日本においてこういう問題が起こったのは差別を法的、社会的に許容している のではないかとという、日本社会人権問題の後進性の指摘があった。

加害者と同一のメルクマールを持つ一定範囲の者を対象とするは、社会的な安 全性の立場からは許容される事もあるとおもいます。特定の外国人の一部が麻 薬とか強盗など社会的な問題を引き起こす場合は一定の場所に特定の外国人全 体の立ち入りを禁止するといった措置が取られることがあります。人権の問題 と安全の問題の両面で議論する必要もあると思います。(多賀)

あるコミュニティの安全のためある集団を排除するという行為も絶対ダメとい いきれないのでないかという意見も提示された。

16.日本の特殊事情か

法律は良く分かりませんが、プールの事件は米国、ヨーロッパでは法律違反に なる訳でしょうか。(多賀)

まず、欧米で法律違反になり日本ではならないということは、こういった基本 的人権の問題ではあり得ないと思います。まず、憲法と国際人権規約により、 外国人にも権利の性質上適用可能な人権規定はすべて及びます。国の参政権は 認められていませんが、地方公共団体の選挙権は、定住外国人には認めるべき というのが最近の考え方です。今回のプールに入るという権利は当然外国人に も保障されるべきものです。
ただ、憲法や国際人権規約の権利は抽象的ですので、これを根拠に救済を求め ることはできません。法律に裏づけされた具体的権利を根拠に救済を求めるこ とになります。(側島)

基本的人権は国際社会の普遍的な考え方であり外国人のプール使用は当然の権 利であるという見解が説明された。その具体的な対応は国内法、条例による対 応が必要になるとの説明が行われた。

17.このようにして外国人との良い関係を築いた。

ヨーロッパ系とかアジア系とか一切関係なくどこの国にもいい人もいれば悪い 人もいる。最後はやはり心だと言っています。誠心誠意こちらが親切にしてあ げた事は彼ら(彼女ら)は良く覚えています。彼らの国を訪ねることがあると 彼らも本当に誠心誠意で対応してくれます。人情は変わらないと思います。 (多賀)

私も短いアメリカ生活でしたが、アパートを借りる手続きも簡単でしたし やっぱり"人種のるつぼ" 日本に比べて"外国人"を特別扱いしないな・・と 最初は思いました。でもよくよく考えるとアパートを借りた時は私は会社の 名前(アメリカの会社)を印籠のように使っていました。 いろいろな人種の人が住んでいて、やっぱりグループはできていたのですね。 ドイツのお祭りを皆に開放するように、他のグループとコミュニケーションを 積極的にとっている人の事は理解が進んで親しみ安い印象を与えていいなと思 います。自分たちの文化をほこりに思い紹介するという感じでした。 ( 峰松 )

夫は、30年ほど前、アメリカ東部の大学院に留学しました。 何人か下宿していたようですが、奥さまが、みんなを集めてよくパーテイを開 いたり、日曜には教会に連れて行って下さって、白人の方ばかりの中で、本当 に楽しく過ごしたようです。夫は、部屋を借りるにしても何一ついやな思いを したことがなく、それを極当たり前のことと思っていましたが、帰国してから、 何かで人種問題に触れた時、自分が本当に恵まれた環境にいて、この方が、 特殊なことだったのだと気付いたのです。 その後、夫は、その大学院の先生に招待されて、フロリダの先生のお宅に伺っ たり、先生ご夫妻が来日の折り、横浜の家に来ていただいたりしました。 (藤田)

外資系の会社はホームパーティが盛んでした。その外資系の会社は撤退しまし たので、今、主人は日本系の会社に勤めています。妻としては、外資系の方が 面白かったです。(寺島)

韓国人の女子留学生二人が庭続きの貸家に来てくださいました。二年程になり ますが、日曜日などは近所に住んでいる韓国の人達が自転車やバイクでやって きて、韓国料理を作ったり、おしゃべり等を楽しんでいるようです。小さな小 さな国際交流ですがお互いを少しでも理解できた事をとても嬉しく思っており ます。(城山)

このようにして外国人との良い関係を築いたという体験談が披露された。

18.外国人と日本人は本当に違うか。

日本で行われたあるセミナーで議長が多少独断的に明らかに間違った意見を出 した。日本人は皆黙ってしまったが、あるアメリカ人だけが立ち、堂々と、き びしく反対意見を述べた。これが外国での常識かというと決してそうではなく 英語でも実際上反対意見を述べる時は、非常に弱く丁寧でしかも間接的な表現 を選ぶのが普通である。 (ネウストプニー著「外国人とのコミュニケーション」より)(多賀)

一般に左脳は言語脳と呼ばれていて意味のある言葉や計算など論理的な処理し ている。右脳は音楽脳と呼ばれていて音楽とかパターン認識などを処理してい る。左脳と右脳の使い方が日本人と外国人で違う。虫の声を人間の声と同じよ うに聞いているのは日本人だけである。日本人が自然にたいしてより親しみを 感じていたり、俳句や短歌に自然を詠み込むのは関係があるのでないか。 (多賀)

外国人と日本人の違いはきちんと理解して交流したほうが良い。ただし人間と しての基本的なところは違いが強調されているわりには近いという事も理解し ておいたほうが良という意見がだされた。

19.国際化を考える上で素晴らしい日本人がいた。

司馬遼太郎が「菜の花の沖」で書いた高田屋嘉兵衛です。嘉兵衛は200年ほど 前に淡路島の貧農の家に生まれています。嘉兵衛は故郷を追われるように兵庫 にでで回船問屋に身を寄せます。一介の見習い水夫から上方から日本海を通り 蝦夷地と交易する北前航路の船頭にまでなります。さらに船主になり巨万の富 を築いていきます。
国後島から択捉への航路を開拓し幕府の信頼を得ます。当時松前藩が蝦夷地を 統治していましたが、アイヌから絞れるだけ絞るという搾取政策をとっていま した。嘉兵衛はアイヌに対してもきちんと交易の対価を払い、アイヌ人とも信頼 関係を築いていきます。
こんなときロシアが国後島で家を焼き、食料を奪うなどの乱暴行為を働きます。 幕府はこれに対抗して文化8年(1811年)ロシアの海軍の艦長ゴローニンら ロシア人81人を捕らえるという衝撃的な「ゴロ―ニン事件」が起きます。これ に対抗して副艦長リコルドが日本の船を拿捕します。この船に嘉兵衛が乗ってい ました。

リコルドは捕らえた嘉兵衛に信頼を寄せていきます。嘉兵衛は自分を放せば幕府 と交渉しゴローニンを釈放させるとリコルドを懸命に説得します。リコルドはつい に嘉兵衛を信用し釈放します。嘉兵衛は幕府と折衝しついにゴローニンを釈放させ ます。
この経緯をゴローニンとリコルドは「日本幽囚記」に書きます。
リコルドの手記に は嘉兵衛についてつぎの様に書かれています。 「日本には、あらゆる意味で人間という崇高な名で呼ぶにふさわしい人物がいた」 この言葉を読むたびに私は胸が熱くなります。この手記は当時全世界で読まれ高田 屋嘉兵衛を通して日本という国が世界に紹介されたのはまさしく幸運なことでした。 ロシア海軍の副艦長リコルドといえば当時として最高に教養ある人物だっと思いま す。その彼が一介の水夫あがりの言葉もろくに通じない嘉兵衛に、ここまっで人間 としての信頼と敬意を寄せたということは、教育とは何だろうということと、これ からの日本人としての生き方を考えさせられます。
この話で「外国人と日本人のテーマを締めくくりたいと思います。

(編集責任者 多賀)

トップ アイコン
次のページへ

トップメニュー



オフィス街(青)