ボーリング・フォー・コロンバイン アカデミー賞ドキュメンタリー部門受賞作

“アメリカの銃社会を痛烈に批判している”程度の予備知識で観たら
度肝を抜かれた。

前半はコロンバイン学校で起きた学生2人による銃乱射事件を追う。
すごい映像と声。

少年達は12人を殺し、大量の生徒を負傷させ、その後自殺した。
動機はわからない。
そこで影響を与えたと言われるマリリン・マンソンや
同学校のある卒業生に興味深いインタビューをしている。

私は幼稚園から小3位までコロンバインと同じ州、コロラドの
デンバーにいたことがある。(事件は南デンバーで起きた)
事件あった当初、少なからずも知っている地名で起きた事件はショックだった。

泣きならがインタビューに答える生徒たち。
彼らは無事だったけれど傷は相当なものだろうと心が痛んだ。

あらゆる人のインタビューやドキュメント映像で全く飽きず
目が離せないような展開で進む。
次々に見せられる、数字の数々にア然、愕然とさせられる。

『銃がある』から犯罪が起きるのではない。
「銃弾が誰でも買える。」「銃が簡単に手に入る。」だけの理由でもないのだ。
そこには背景がある。

6歳の少年が6歳の少女を射殺した事件を追いながら
その背景に目を背けていたアメリカのメディアを皮肉った映像が生々しい。

涙が止まらなかった部分もあった。これを観たら銃のある世界の見方が変わった。

ほんとに楽しかった思い出しかないアメリカ生活があるのに
正直自分の国ではない事にほっとしてしまった位だ。

マイケル・ムーア監督はすごかった。
彼のインタビューで化けの皮が剥がれていく人もいる、
彼のおかげで変わった企業もある。

そしてこれはアカデミー賞を獲った。アメリカ人が認めた事実の作品となったわけだ。
すごい!