らんま1/2 親子編

第3話 学校へ行こう!


学生の時分に戻りたい…これはすべての人が大人になって思うことだろう
もちろんそれは不可能である、しかしそれを実現したなんとも幸運な男がいた

「どーいうことだよ、あかね!」
天道道場に乱馬の怒鳴り声が響いた
「だからさっきから言ってるじゃない、風林館高校にあんたが入る手続きをしたの」
「自慢じゃないけど俺もう30代後半だぞ、高校なんか行けるかよ」
「これの何処が30代後半なのよ」
あかねのいう通り、乱馬はどう見ても10代後半にしか見えない

「うっ…でもよ!なんで今更俺が行く必要があるんだ?そりゃ勉強はできないけどよ」
「ことねのボディーガードよ、もしものことがあったら大変でしょ、大丈夫息子ってことにしてあるから」
「そうだな」
乱馬も自分の可愛いことねのためと聞くと断れない
「じゃ、今日からたのむわね」
「お父さ〜ん、早く行こ♪」
ことねが玄関から声をかけた
実は彼女、話をずっと玄関で盗み聞きしていた
「おっし!じゃあ行ってくるぜ」
「行ってきま〜す♪」

「何でそんなに急いでるんだ?もう余裕で間にあうだろ」
ことねは道場を出てからずっと全速力で走っている
もう学校が見えるとこまで来ているというのに
「ちょっと片付けなきゃいけないことがあるの、お父さんも手伝ってね」
「!!!!!!!!?」
乱馬の目に大勢の男が校門の前でスタンバイする姿が映った

(まさか)

乱馬は思い出していた
今から約20年前
"あかねに勝った者だけがあかねに交際を申し込める"
こんな馬鹿げた協定を、元風林館高校最強かつ最悪の変態"九能帯刀"が弁論大会で作った為
あかねと戦った男たちの姿を

「早乙女ことね、好きだ!」
「僕と愛のマラソンを!」
「君と愛のダブルスを組みたい!」
男たちはことねの姿を見つけるとあっという間に群がった
「やっぱり!あかねの時と同じだ」

「とりゃ、とりゃ、とりゃ、とりゃ!」

ことねは目にもとまらぬ速さで男たちを倒していく
技のキレ、スピードは乱馬にはかなわないが、当時のあかねよりは優っていた
「ことね、才能あるじゃないか」
「お父さんとお母さんの子だもん♪でもお父さんにはかなわないよ」
乱馬は火中天津甘栗拳でことねの2倍のスピードで男達を倒している

「止めぇ!」

男たちの8割が力尽きたとき、校舎から1人の袴姿でサングラスというなんとも怪しい男が出て来た
「お前今日から我が風林館高校の生徒になる早乙女あかねの息子だな!」
「ああ、そうだけど」
「名を名乗れと言いたい所だが、自分から名乗るのが礼儀だな…僕の名は風林館高校校長九能帯刀!」

「えっ?」
乱馬は開いた口がふさがらなかった…

「校長!!!!!!?」
「僕は過去に風林館の青いいかずちと全校生徒から尊敬されていたんだよ、校長になるのは当然のこと」
「んなことは誰も聞いてねえよ!」
「そうかそうか聞けて嬉しかったか、はっはっはっは〜」
(ホントに九能のヤローは進歩がねぇな、昔と全く変わってねえじゃねえか)
耳にこびりつくような高笑い…彼は風林館高校の校長であると同時に風林館高校史上最悪の変態

「おい!昔のハワイかぶりの校長はどうしたんだよ」
「ほう、奴のことを知っているのか…奴は僕の妹と一緒に何処か遠くで暮らしているはず」
(ということは、とりあえず小太刀には振り回されないですみそうだな)

「よし!そろそろ教室に行くかな、じゃあな九能」
「お兄ちゃん〜案内してあげるよ」
「校長と呼べ!校長と」

「へぇ〜昔とだいぶ変わったなぁ」
十数年の時の流れは学校を大きく変えていた…
過去に乱馬が何十枚割ったかわからない衝撃に弱いガラスは強化ガラスになり
購買部パン販売は食券制になり昼食時の戦争がおこらないシステムに
他にも数えられないほどのことが変わったが、乱馬は強い懐かしさを感じた

…俺は戻ってきたんだ…

「お兄ちゃん、ここが教員室。じゃ教室でまってるからね♪」

…ガラガラガラ
「すいません今日からここに通うことになっている早乙女ですが……えっ!」
乱馬は一瞬目を疑った、そこには…

「アイヤー!お前乱馬の息子か?可愛いネvv」
「し、しゃんぷぅ!?」
十数年前乱馬に負け、男に負けたらその人を婿にするという女傑族の掟により乱馬を愛し
夫にするために追い掛け回したシャンプーがいた

「私の名前知ってるのか?さては乱馬から聞いたんだナ…乱馬元気か?」
「さあな…修行の旅に出ている」
「アイヤー!せっかく乱馬追いかけて日本に来たのにナ」
「じゃあ中国に帰れよ、どうせ俺の親父はいないんだから」
「でも私お前気に入った、どうせ乱馬は妻がいる、私と勝負するあるネ」

「はぁ〜?」
そのとき乱馬はシャンプーの言っていることの意味が全く理解できなかった

「だから勝負するよろしと言ってるね」
「だ・か・ら、なんで俺がお前と勝負しないといけないんだ!」
2人はもうかれこれ30分同じことを繰り返している
「そんなことどうでもいい、早く勝負するね」
しびれをきらしたシャンプーが乱馬を無理やり連れ出そうとしたその時…

・・・キンコンカンコーン・・・
HRの開始を告げる始業のベルがなった

「ひとまず勝負はおあずけね、放課後体育館でまってろ」
「誰が勝負するっていった、誰が!」
すでにシャンプーの姿はなかった
(まったく面倒なことになったもんだ、でもシャンプーのやつ…なんで俺なんかと勝負を…)

「早乙女乱馬くんだね?」
「は、はい!」
乱馬が振り向いた先には白髪まじりの髪の毛の男がいた…年は40代後半ぐらいだろうか
(コイツ、完全に気配をけしてやがった…)
「君のクラスはF組だ…もうHRは始まっているから急いで教室にいきなさい」
「は、はい!」
(新しく入った先生なのか?あんな奴みたことねぇや…)

どうも腑に落ちなかったが乱馬は教室へと急いだ

「えーとF組、F組っと、おっ!ここか」

・・・ガラガラガラ

「失礼しまーす…なんでぇ!?」
乱馬は教卓に立っている女性を見て目を丸くした…
「アイヤー転校生って息子的乱馬のことだったか、私とっても嬉しいネ」
「よりによって担任がシャンプーとは…まいったな…」
「お父…じゃなかったお兄ちゃ〜ん!シャンプー先生のこと知ってるの?」
ちなみにことねは校長の九能に乱馬と同じクラスになるようにねだった張本人

「お兄ちゃん!?」
「ねぇ聞いた?ことねのお兄ちゃんですって」
クラスのめんめんが騒ぎ始めた

「同じ年の兄弟がそんな珍しいか?双子なんか別に珍しくもないだろ?」
それを聞いたクラスの1人の女子が乱馬に耳打ちをし始めた
「そうじゃなくて…これこれこういうことなの」
話を聞いた乱馬が口をあけて固まってしまうほど、女の子の話は壮絶なものだった
その内容はことねが乱馬とだったら結婚してもいいと言ってたなど…

「せっかく美男子が転校してきてくれたのに…あ〜あ」
「俺たちことねのファンだったのに…あ〜あ」
ため息が教室にこだました…


天道家のみなさんの家族会議

ことね:お母さんいいなvv私もいつかお父さんと…

欄間:素敵なキスをしたいな…ですか?

ことね:な、なに言ってるんですか・・・めっちゃ恥ずかしいですぅ

あかね:ことねにはもっとふさわしい人が見つかるわよ、私似で可愛いし

欄間:でも性格はおしとやかで料理も美味いですよねぇ

あかね:どーいう意味!それじゃ私が乱暴物で料理下手みたいじゃない!

欄間:念をおす必要がありますか?

あかね:んぬぬぬぬ!!!!!!!!

なびき:ところで欄間クン、今日は文章がイマイチじゃないの

欄間:ギクッ!いやぁちょっと今日テンション低くて

なびき:困るわねぇそういうの…首にするわよ

欄間:すいませんでした