お昼寝

・・これは比呂とひかりがまだ小さいかったころのお話・・・

今日は比呂の両親もひかりの両親が一緒に出かけていて、比呂とひかりは2人でお留守番

「ひかり、トランプしようよ。」
「ダメ!ヒロはすぐ負けるからつまんないもん。ヒロは野球以外なんにもできないんだから。」

比呂はひかりにトランプで勝ったためしがない。

「じゃあTVゲームでもしようぜ。」
「『今日はゲームやっちゃだめ』って言われたでしょ。ホントにヒロはいい加減なんだから。」

「うるへー!じゃあ何するんだよ?」
「結婚式ごっこよ」
「結婚式ごっこ?何それ?

「とにかくヒロは、私が『あなたは雨宮ひかりを一生愛し続けることを誓いますか?』って言ったら
『ハイ誓います』って、その後ヒロは私に『あなたは国見比呂を一生愛し続けることを誓いますか』っていうのよ。」

ひかりは顔を赤らめながら説明した。

「わかった、あんま面白そうじゃないけど。」

…ひかりは何で顔が赤いんだ?熱でもあるのかな?…
…ヒロは結婚式の意味がわかってないのかしら、ほんとにヒロは子供なんだから!…

「じゃあ始めるわよ。あなたは雨宮ひかりを一生愛し続けることを誓いますか?」
「ハイ誓います。」

・・・えーと次はなんて言うんだっけ?…

「もう忘れたの?『あなたは国見比呂を一生愛し続けることを誓いますか』でしょ。」
「そうだったそうだった、えーと、あなたは国見比呂を一生愛し続けることを誓いますか?」
「ハイ誓います。」
「それでは誓いの口づけを。」

…うん?誓いの口づけってなんなんだ?…

「ひかり、誓いの口づけって何?」

…そんなことも知らないなんて、でも知らなくてよかったな…

「教えてあげないよ〜だ。もう結婚式ごっこはおしまい!」

・・・大きくなったらヒロと、本当の結婚式をやるんだ・・・ ひかりは想いを胸にしまった。

「ちぇ、つまんねえの」
「ふあ〜なんだか眠くなっちゃった。お昼ねしようよ。」
「へいへい。」

…2人は同じ布団でなかよく眠り始めた。2人の寝顔はまるで天使のようだった…

二時間後…

「あら、仲良く寝てること」
「うちのばか息子とひかりちゃんは大きくなったら結婚してほしいですねえ。」
「比呂君にひかりをもらってほしいですわねえ。」

大人たちは比呂とひかりの将来の希望を話していた。

比呂とひかりという名の2人の天使の寝ている前で…

           

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