月の異変の衝撃源への制約

Constraints on the Source of Lunar Cataclysm Impactors

Matija Cuk, Brett J. Gladman, Sarah T. Stewart
(訳 片山泰男 Dec. 30 2011)

原文
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概要:多数の衝撃の海盆が月の上に形成された約38億年前は、月の異変(lunar cataclysm)又は後期重爆撃(late heavy bomberdment)と して知られる。現在、多くの研究者が月の異変を、基本的に遅れた惑星移動によって不安定化された主要小惑星帯によって引き起こされた衝撃 スパイクと解釈する。我々は、形態学的にほとんどの月の高地の新鮮な(クラス1)クレータが、異変の短い後尾の時期に形成されたことを示す。 それらが東の海海盆と噴出被覆物に類似した絶対クレータ数密度をもつからである。クラス1クレータと異変との結合は、そのサイズ頻度分布が、 層序学的に特定された雨の海海盆のそれへの類似性によって支持される。(クラス1を含め)雨の海代海盆よりも若い月の大多数のクレータは、 このように異変の衝撃のサイズ頻度分布を記録している。この分布は、主要小惑星帯よりもずっと急峻である。我々は、異変時の月への爆撃 投射体が、純粋な重力的手段によって発射された主要帯小惑星ではあり得なかったと議論する。


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1. 導入

月の異変は、アポロ宇宙飛行士によって採集され、月の近い側の数多くの衝撃で融けた岩の年齢が、38-40億年前の狭い範囲に集中すること に基づいて提案された (Tera et al. 1974)。より古い衝撃熔融がないことは、最もよく、2つの非常に違った方法で解釈される:強い衝撃が 地質化学的な時計を最後の数少ない海盆の形成にリセットし、惑星的降着の最後だけを記録しているか("stone wall"; Hartmann 1975)、 惑星降着と約39億年衝撃スパイクとの間に非常に爆撃が少なかったか(Ryder 1990)である。後者の見方が支配的になってきたが、アポロ以降 の標本がないため、反対論はまだ残っている。アポロ17号のいくらかの標本の年代付けによって晴れの海の盆地形成の年代は、より最近の年代 の衝撃によって作られたことに整合し(Dalrymple & Ryder, 1996)、その他の研究は、より長い盆地形成か、少なくとも神酒の海の前期スパイク 形成を支持するようである(Warren, 2003)。(小惑星帯を起原にする)隕石の衝撃の年代付けからのデータはアポロのサンプルに基づくものから "顕著に違い"(Chapman et al., 2007, 又 Hartmann, 2003 を見よ)、幾らかの科学者に異変の太陽系全体の性質に疑問を起こさせた(Ryder, 1990)。

月の異変の研究には最近、リバイバルがあった。部分的には惑星の動力学の進歩を動機にして、惑星移動の Nice モデルは、巨大惑星の離心率 と傾斜角(Tsiganis et al. 2005)だけでなく、木星のトロヤの起原(Morbidelli et al.. 2005)、ヒルダ、小惑星帯の彗星(Levison et al., 2009)まで説明するかもしれない。そのモデルの主要な特徴は、木星と土星の過去の発散的動きが相互の1:2の平均運動の尽数を通して、外部惑 星系がそれまでは安定的だった外部彗星帯への拡大する比較的短期間のきっかけを与えた。一方、主要な出来事は Nice モデルではたった数百 万年で実行され、急速な移動の時期の始まりを数億年遅らせることが可能である。それが月の異変をこの遅れた惑星移動の帰結であるという可 能性を開く(Levison et al., 2001; Gomes et al., 2005)。衝撃体は、初めには、外部太陽系から引っ張ってこられたが、約1億年の後に最初の 尽数を交差し、主要帯小惑星がν6 長期尽数 (それは土星の移動のように小惑星帯をなめ尽くした Minton & Malhotra, 2009a) によって放出され、 内部太陽系の支配を始めた。

Nice モデルと異変の間の結合の支持がしばしば採られた重要な論文のなかで、Strom et al. (2005) は、 (古いクレータデータと新しい小惑星 観測を使って) 月高地のクレータのサイズ頻度分布が小惑星帯の生産関数に一致すると議論する。その意味は次のようである。(今日のと同じサ イズ分布をもつ) 古代の小惑星帯が純粋に重力的メカニズムによって不安定化された。若い地形(そして形態学的に若いクレータ)は、違うサイズ 分布を保存する、それを Storm et al. (2005) は、現在の地球近傍小惑星(NEAs)に似ると議論する。NEAs は、また小惑星帯のなかで始まるが、 サイズに依存するYarkovsky効果によって放出される(Morbidelli & Vokrouhlicky, 2003)。そのため、主要帯小惑星(MBAs)と比べて、比較的小体 の過剰がNEAsにはある。

この論文で我々は、異変の最終段階の月のクレータ記録を批判的に検証する。


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2. 異変の定義

最近のレビューで Chapman et al. (2007)は、異変は、38億年前に比較的不意に終了したとある確かさをもっていうことができるが、いつ始 まったかについては得られるデータに基づいて、いうことが不可能であると結論した。我々はこの見方をシェアする一方、動的なモデリングが 異変の始まりと性質を制約するのに役立つと信じる。Bottke et al.(2007)は、初期のNEAs的集団の高傾斜の減少をモデリングし、約1億年の急 速な低減(半減期1500万年)左上り分布と残りの約8000万年半減期をもつ減衰を見出した。Bottke et al. (2007)の結論は、内太陽系の小天体の 低減の他の直接数値シミュレーション(Gladman et al.,2000; Morbidelli et al., 2001) のそれらに非常に近い。45億年前の合理的な初期分布 が、反論なく若い雨の海と東の海の海盆を38-39億年の窓にもっともらしく作り出すには、この低減は余りに少ない衝撃体しか残さない。より多 い初期集団は、互いの衝突で効率的に落下し、6億年生き残れない(Bottke et al., 2007)。

雨の海代の以外の全海盆年代が反論され、我々は、"月の異変"という言葉を遅れ一時的に終わる雨の海と東の海の海盆形成を指すのに使う。 Bottke et al. によれば、そのような異変の"最小化派"でさえ、惑星形成からその出来事を分離しないといけなかった(なぜなら、初期の微惑星は、 殆どこの時までに消滅していたから)。

この定義を使って、それら月の表面の年代、反論なきほど近い年齢の雨の海と東の海海盆の年代だけが異変研究に使うことができる。この定義は、 便宜的で異変の性質についてのいかなる意見をも反映しない。少なくとも幾らかの前雨の海代の海盆もまたこのときの形成はありそうだが、 ここに示す議論は、それに依存しない。

我々は、月の異変衝撃体のクレータサイズ頻度を研究するのに、火星と水星からのクレータのデータを使わないだろう。一方、火星も、39億年に 強い爆撃を蒙っているだろう(Ash et al., 1996)が、火星のどの地形も、それに関する絶対的データをもたない。相対的なクレータ数による年代 付けは、月と火星の爆撃履歴が同じと仮定して、ときに絶対的日付に変換される。しかし、この方法で導かれたどの日付も独立とは考えられない。 火星と月のサイズ頻度分布を比較して、衝撃体の分布に対する違いを探ることはできるだろう(Strom et al., 2005)。しかし、我々が集めた火星 の表面のサンプルを文脈にいれるまでは、絶対的年代学は、月のサンプルだけを使って較正されなければならないだろう。


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3. 雨の海代の衝撃の年代学

早期の月に歴史は、3つの系に分けられる(Wilhelms et al., 1987):前神酒の海系、神酒の海盆よりも古い表面でできている。神酒系、 神酒の海と雨の海衝撃の間の不確かな期間に拡がる。そして雨の海系、雨の海海盆の形成時代から後、約32億年まで。雨の海とより若い 東の海海盆は、前期雨の海地形と考えられる一方、玄武岩質の噴火でその後に形成された数多くの海(*1)は、後期雨の海単位と考えられる。 図1は、8つの雨の海単位のクレータ密度vs.関係するサンプルの放射性年代である(サンプルのない東の海海盆の場合、近傍の雨の海と静かの 海のサンプルから、エラーバーの年代が定義される)。絶対年代は戻された月のサンプルの年代付けから導かれる。全ての年代とクレータ密度 (ともにエラーバーを伴う)は、Stoffer & Ryder (2000)から採られ、(多分、過剰に推定され) 50%のクレータ数エラーバーを不確かさのない ものが用意されたと仮定する。

(*1)海盆は、約300kmより大きい衝撃クレータ;海は、玄武岩質の溶岩の流れの領域である。通常、周辺の地形よりもより暗い。もし、海盆 を海が満たすと、海は盆地自体より若い。

何を我々は雨の海年代について結論できるだろうか? データは、地球を交差する衝撃数の単純な低減に整合する。それは、補充されていない (Bottke et al., 2007, 図 1 のなかの実線)。雨の海衝撃よりもそれほど長く前でない、内部太陽系への衝撃体の集団の瞬間的注入は、ひとつ のもっともらしい解釈である。多くの他のシナリオが許されるが、排除できるふたつがある。衝撃体の太陽中心軌道への回避なしの純粋に地球 %% 中心の異変は、地質学上即時であり、静かの海と晴れの海の古い部分へのクレータ計数の上昇から排除できる。非常に緩慢な減少が新しい地球交差 体の継続した供給(半減期1億年以上)は、図1に示すよりも長くさえある異変の名残を作り出すだろう、それは、海盆と海の両方へのクレータ頻 度と調停できないだろう。最も単純な説明は、東の海の形成時期に地球近辺の空間に残った衝撃体が、単純に自然の力学的な半減期とともに消 え去ったとし、異変の尾を仮定するものである。

最も重要な図1の含意は、東の海海盆の大多数(66%ー90%)のクレータの噴出被覆体は、月の異変の尾に属する衝撃体によって作られ、もっと 単一の35億年以降の成分にではないことである。NEAsによる背景クレータ作成(短い破線の直線)が、東の海海盆への約 40x10^-4 km-2 クレータより少なく加算されていなくてはならない。それは、D>1ーkmクレータ密度約200 x 10^-4 km^-2 (垂直破線矢印)である。

東の海噴出物のD>1kmクレータの貧弱な統計にもかかわらず(このサイズ範囲が図1に使われたのは海について最もよいデータを与えるから)、ほ とんどの東の海以降のクレータの協力によって異変はよく確立され、独立のデータとともに(Hartmann et al., 1981 彼らの表8.3.2)、雨の海と 東の海噴出物被覆は、参照"平均的海"(抽象的概念でクレータ密度の単位としてそこで使われた)のクレータ密度(D>2.8を使用) のそれぞれ3倍と 2.5倍をもつことを示している。雨の海海とクリジウム海のような後期雨の海代の海(それは図1では異変の最後尾すら完了した後の形成を示唆する) は、Hartmann et al. (1981) によれば、"平均海"のクレーター密度の約半分をもち、これが東の海海盆と噴出被覆上の約80%のクレータが異変中 に形成されたという見方を支持する。

我々は、Bottke et al. (2007) の結果を、月の異変の終わりの時期についての、いくらかの混乱を導くかもしれない図1にプロットされたデータに モデルをフィットさせるために使う。Bottke et al. (2007) 曲線は、ふたつの指数関数の結合である。それは、まだ単一の衝撃体の数の枯渇を記述し ている。すなわち、高傾斜のNEAsである。これは、初期の地球交差空間への衝撃体の洪水が、急速な減少と長命のメタ安定な軌道領域の両方を満たす ことによる。それゆえ、ふたつの要素の"膝"(38億年)は、衝撃体の性質の変化や異変の終了を意味しない。もし、我々が最も単純な解釈を受け入れる なら、図1のクレータ密度に貢献したふたつの成分があるという解釈だが、背景と異変、背景の定常状態のNEAsクレータ作成速度が単独で36億年とそれ より若い地形のクレータ密度だけを説明する。


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4. 月の異変クレータのサイズー頻度分布

異変の出来事へのそれぞれ特定の仮説に依って月のクレータ記録から異変衝撃体のサイズ分布への異なった導出方法がある。幾らかの研究者は、39-40 億年時間範囲の衝撃によって全月が再表面されたと考える(この古い年代の欠如は、石壁仮説には不可欠だが、スパイクシナリオには必要でない。) 異変の間に全再表面を仮定して、Storm et al.(2005) は、全ての重くクレータされた表面は、今日の小惑星帯にあるものと非常に類似する衝撃体 サイズ分布を保存していると示唆した。この結論に達するには、ひどくクレータされた地形の絶対日付の完全な欠如にも関わらず、異変の衝撃スパイク によって、全ての月の高地が再表面化 (すなわち、それらのクレータの保存している年齢がリセット) されたという仮定が必要である。ここでは、 我々は、異なるアプローチ、絶対日付と層序学によって既に日付けされたか、又は括弧付けされた月の部分だけを使う方法を提案する。特に、インブ リウム地形上のクレータ密度に焦点をあてて、それはクレータ飽和に近くなく、異変の最後尾からの衝撃体によるものに違いない(図1)。

一方、東の海は、最後の衝撃海盆であって、その投射体被覆は、その後の衝撃の流れによって汚れる前の記録を保存するに違いない(どの他 の海盆の2次汚染からも免れている。又はそのクレータがときにより古い地形であると提案されることを保証する。)これらの後期の雨の海代の 衝撃体は異変の最後尾に属している。Storm(1977) は東の海投射被覆の上のクレータを数えた;結果は図2(黒四角印)にプロットされる。 東の海投射体被覆上の 10km 直径より小さいスケールの計数は、 Hartmann & Yale (1968) (星印)は同意した。ずっと密度の高い全体として の高地のクレータ数(白三角印)は、比較のためにプロットされた。Strom (1977) は、ふたつのサイズ頻度分布の類似した形状を使って、月の高地と 同じサイズ頻度であると結論した。のちに、Strom et al. (2005) は、後者を主要帯小惑星の積関数(傾き約-1.3の微分対数的区分の)に結合し、 より若い地形の異なるサイズー分布(傾き約-2の微分log-bin)が、NEAsによる衝撃であるとして扱われた(*2).

(*2)幾らかの研究者は、全ての月の地形上に、単独のクレータのサイズ頻度分布を見出す(Neukum et al, 2001)。

しかしながら、若い地形のクレータ計数は、若いクレータの分離に使われる唯一の方法ではない。Strom et al. (2005) は、形態学的ー新鮮なクラス1 の高地クレータのサイズ分布を提示し(図2の白四角)、遅い(ポスト月異変の)衝撃体のサイズ分布が NEAs のそれに類似する証拠として示した。驚くべき ことに、10ー100km直径クラス1クレータの絶対表面密度は、(不確かさも与えて)東の海投射被覆の上のそれと同じである。もし、我々が Strom et al. (2005) の行う合理的な仮定、クラス1クレータは相対年代のなか最も若いこと、を受け入れるなら、最初のクラス1クレータは、東の海 の衝撃の時代頃に遡ることになる。東の海海盆形成は、衝撃の率の急速な減衰の時期、地球交差空間が動的に衝撃体(図1)を清掃した時期の前 になり、東の海投射体被覆上の殆どのクレータが異変の後尾の間に形成されなくてはならない。クラス1クレータと東の海海盆と投射 被覆上のそれらは同じ絶対クレータ年代をもつから、殆どのクラス1のクレータがまた図1表示の爆撃の急速な低減の期間に形成されなくてはいけない。

月の衝撃の極端に非均一な過去の分布を受け入れない限り、これらふたつの数の等しい領域の密度は、それらが同じ投射体の母集団からきて、そして こうして同じ衝撃体のサイズ分布を分け合う必要がある。一方、クラス1のクレータ計数統計は、東の海投射被覆のそれらより良いから、形態 学的分類における何らかのバイアスがあった可能性が常にある。クラス1クレータが後期雨の海衝撃のバイアスのない記録として信用できるか どうかをチェックするために、我々はまた、Willhelms et al.(1978) が計測した、直径20kmより大きい雨の海とポスト雨の海のデータ を図2に示す。Willhelms et al.(1978) は、基本的に層序学を使ってクレータを異なる月の系に割り当てる。それゆえ、彼らのアプローチは、厳格な 層序学の分類の可能なバイアスから免疫がなければならない。これら多くの雨の海クレータが雨の海衝撃によって再表面化された地形 からきたものであって、そしてそれゆえ、それらの数密度が東の海投射被覆上のそれより少し高いことは驚くべき事ではないことに注意し てほしい。彼らのサイズカバーした期間については、Wilhelms et al. (1978) の計数が微分指数約-2の "平坦" 対数区分に整合し、驚くべき事でな いがクラス1の分布の "比例倍" されたバージョンとして現れる。これは、クラス1と雨の海クレータが同じ衝撃体の母集団を反映しているが、 その大半は、後続する35億年の期間でなく、月の異変の最後尾の期間に撃ったことに整合する。

クラス1クレータと月の異変の間の関係が東の海海盆上に重ね合わされたクレータのサイズ頻度分布上に静止しているのではなく、むしろ、 それらの絶対密度の間の関係であることを注意することは重要である。東の海上の計数のエラーバーは単独で、疑問の余地なくそのサイズ 分布がクラス1/雨の海又は高地/小惑星カーブに合致するというには余りに大きく、(東の海計数は、不確かさのなかでどちらとも整合 している。) しかしながら、東の海海盆の圧倒的なクレータ密度とクラス1クレータが意味するところは、ふたつのサンプルが同じ時代から 来なくてはいけないことと、同じ衝撃体の母集団によって形成されたことである。(それはまた、雨の海代のサンプルについても整合する。) この確立した事実によって、我々は、クラス1クレータを月の異変の衝撃体であるかどうかの推定を行うことができる。


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5. 雨の海衝撃体源の意味

月の異変の衝撃体に我々が見出したサイズ頻度分布は、現在のNEAs(-1.75〜-1.8 (Morbidelli & Vokrouhlicky, 2003)) のそれとは 大きく違わない。しかしながら、これらはふたつの顕著な動的な集合でなければならない。なぜなら、漸進的な熱のYarkovsky 効果 は、NEAsに、考えられる爆撃スパイクを作り出したということができないからである。一方、これらふたつの集団の間に傾きのこの 類似は、区別することを (特に貧弱なクレータ統計の地形に)、困難にするから、類似しない起原のふたつの集団がなぜ類似したサイ ズ分布をの傾きを持ち得ないという先天的な理由はない。クラス1クレータは、明らかにNEAsによって、引き起こされたということは、 クレータ密度なしの年代学的議論は、不十分である。

一方、関係するサイズ範囲では海王星を越えて来る物体のサイズ分布は知られていず、彗星単体は月の異変を起こすとはありそうもない。 Gomes et al. (2005) は、(低い衝撃確率によって)月の異変を起こすには、海王星外物体には地球の1/10の質量の必要性を示した。 そのような質量の大きな微惑星円盤の枯渇は、大規模な惑星移動とν6 長期尽数が小惑星帯の清掃とを導くことが避けられない。 すなわち、Nice モデルのなかで出来事が提案されている(Levison et al., 2001; Minton & Malhotra, 2009a))。Gomes et al., (2005) は、また脱出した小惑星の地球交差軌道滞留は、不安定化された彗星よりも長期であり、それゆえ、Nice モデル型の異変の 両集団が同時に不安定化されたとしても、爆撃尾は小惑星によって支配されなければならないことを見出した。 それゆえ、基本的に海王星外の領域から導かれた彗星によって構成された異変の後尾のなかのシナリオをイメージすることが難しい。

月の異変が -1.2か-1.3 (現在の小惑星帯;Ivzic et al., 2001) でなく、-1.9か-2をもつ累乗則で記述される微分サイズ頻度分布の集団 によって作成されたとする月の異変を作る理論モデルは、主要帯小惑星の重力的な注入は、深刻に挑戦された。これらのシナリオは、Nice モデル(*3)と惑星 V (Chambers, 2007)を含める仮説である。惑星Vシナリオは、火星と小惑星の間の軌道上を殆ど10億年の期間生き延びる ように管理され、その逃避の期間に帯を不安定化するもうひとつの惑星を提案する。

(*3) 我々の結果は、Niceモデル型の惑星移動が起きなかったということを意味するのではなく、それが月の異変より長い以前に起き、両者 に関係がないことを意味する。

我々の月の異変の衝撃体の主要帯小惑星との非共存性についての結論は、月の異変の衝撃体の放出時の主要帯のサイズ分布が現在と大きく 変わらないときにだけ成立する。衝突的な進化をする集団が到達するサイズ分布は、基本的に衝撃速度と天体の物質の特性が問題になる。 最近の理論的仕事(Bottke et al., 2005)は、帯の動的状態は、異変時に顕著に変化するだろう、主要帯小惑星のサイズ分布は、すでに確立 しているだろう、そして、そのように月の異変時に今日と同じでなかってはいけない、(この場合、月の異変の衝撃体は、小惑星からでない と結論できる。) そうでなければ、多分、異変事象の前には主要小惑星帯は、力学的により寒冷で、異なるサイズ分布を持っていた; このシナリオのなかでは衝撃体を放出する事象は帯を温め、そうして現在のサイズ分布に向かって衝突的な縮退を始めたことを示している。 しかしながら、Minton & Malhotra (2008) は、もし小惑星が今日よりずっと少ない離心率をもっていたら、ν6尽数は、帯を清掃 (莫大な 数の小惑星を射出する最も有りそうなメカニズム) したとき、帯の破壊は現在の帯を後に残すには余りにはるかに効率的である。さらには、 力学的に寒冷な小惑星から例外的な大質量の異変を起きさせるのは、異変に関係したクレータのサイズ分布が雨の海代に見出され、大半の 古い地形でないということに整合しない(図2)。明らかにさらなる仕事が必要であるが、主要帯で可能な変化の事共は、異変の衝撃体はサイ ズ分布が現在の小惑星帯に合致しないという我々の主要な結論に影響しない。

小惑星衝撃体の代替案は何か? 追加的な小天体集団で、偉大な数のまま38億年まで生き延び、そのとき急速に縮退した集団を想像すること は難しい。上記図1は、月の異変の衝撃体集団の内部太陽系への即時的な注入を許すから、ひとつの代替案は、必要な衝撃体を作り出すため の単独の大天体(もし地球交差軌道上での崩壊なら D>= 500km) の遅れた崩壊である(Wetherill 1975)。 崩壊は潮汐によるものだったろう (Asphaug et al., 2006)、太陽系内の降着から取り残された "ふたつの" 大きな原始惑星を含む大災厄のような衝突は、それらのひとつが遅 れた生き残るよりも、ずっとありそうにない(Wetherill, 1975)。別の代替案として、追加の太陽系惑星の水星(又は金星)との衝突で、その 惑星は崩壊し再度降着するというのは、それらの天体からサンプル又は隕石のなしに完全には除外できない。どの場合も、異変のトリガーは、 長命の大天体の力学的な不安定化であったろう。いくらかの長期疑似安定軌道は、内部太陽系に多種のポケットのなかに存在が知られている (Tbachnik & Evans, 2000; Chambers, 2007)、しかし、これらの領域にかつて多くの質量を貯蔵したかどうかは明瞭でない。より最近には、 Minton & Malhotra (2009b) は、帯の最終的な彫刻の2億年以上後に、大きな小惑星の30%までが不安定化したかもしれないと示唆した。 小惑星帯は、月の異変にサイズが十分な数個の天体を貯蔵して、この研究の小路は有望そうにみえる。しかし、大質量の潮汐事象の可能 性を査定するに必要なより多くの作業を必要とする。


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6. 結論

我々の結論は次のように纏められる:

1. 月のクレータ計数と月のサンプルの放射性同位元素による年代付けの相関は、約38億年の衝撃スパイクを支持する(Tera et al., 1974)。

2. 東の海海盆と射出被覆上の殆どのクレータは、衝撃スパイクの間に形成された(東の海海盆自身と同じく)。

3. 東の海海盆と射出被覆上のクレータのそれらと類似した絶対密度をもつ、月表側の高地の至るところにある、形態学的に若いクラス1 クレータも、この爆撃のスパイクの間に形成された。

4. クラス1クレータのサイズ頻度分布は、そうして異変の衝撃を記録している。この分布は、今日の主要小惑星帯のそれと同じではない。

5. 雨の海期に割り当てられた、クレータのサイズ頻度分布(Wilhelms et al., 1978)は、東の海海盆を含むが、クラス1クレータのそれと 一致するが、現在の主要帯小惑星とは一致しない。

6. 小惑星帯が同じサイズ分布を39億年前に持っていたと仮定して、清掃の長期の尽数による射出、又は生き残り原始惑星による散乱された 小惑星は、月の異変を引き起こすことは決してできない。

謝辞

MC は、ハーバード大学の Daly ポスドクである。我々は、Clark Chapman と Bill Hartmann の非常に助けになった議論に感謝する。 それだけでなく、Zoe Leinhardt と Laurel Senft には、彼らの洞察に富むコメントを初期の原稿に頂いた。

(参考文献と図の翻訳は省略)

図1の注釈

図1. 月の異変の話。プロットにラベルされた8つの雨の海地形のクレータの数密度(1万km^2あたり直径1km以上)対年齢。全てのデータ は、Stoffler & Ryder(2000) から採られた。殆どの地形は文献に1つ以上クレータのある地形。それを我々は離れた点としてプロットした。 実線は、Bottke et al., (2007)の結果に基づいた38億年の1500万年と8000万年の半減期の移行の可能な一致。一方、長い破線は、一定の4000 万年半減期をもつ(両方の近似とも時間に線形な背景項を含む)。直線の短い破線は、現在はゼロ密度の一定の背景爆撃からの寄与を示す(傾き は、最終ふたつの海表面のプロットに一致するように選ばれた)。破線の矢印は、月の異変の最後尾の期間に形成された東の海射出被 覆上のクレータの超過を示す。

図2. クラス1クレータは雨の海海盆地形上のそれらと類似した数密度をもつ。点は、直径Dから√2 Dまでの範囲のクレータの数に、√2 πD^2/4 を掛け、係数した領域で割ったものをプロットする。-2の対数的区分の微分サイズ頻度指数の集団が水平線として表わされる。白い 四角は、形態学的に新鮮なクラス1のクレータを月の近側の高地からであるおクレータを表す(Strom et al., 2005)。一方、黒い四角と星印は、 東の海射出被覆上のStorm による計数(1977)とHartmann & Yale (1968)のもので、それぞれ(明確さのために軽く横にシフトしている)。 参照のため、クラス1と全体高地 (白い三角;Strom et al., 2005))のクレータサイズ頻度密度に近似的に一致する、-1.95 (実線と長い破線) と-1.2 (短い破線)の傾きをプロットした。黒い三角は、Wilhelms et al., 1978) によって計数された雨の海とポスト雨の海の 密度をプロットする。一方、高い密度をもつので、後者のグループは、また、クラス1クレータとサイズ頻度分布が整合する(そして長い破線 の傾き-1.95とフィットする)が、全体高地集団とは整合しない。