Gravitational Lensing Characteristics of the Transparent Sun

透明太陽の重力レンズ特性

Gravitational Lensing Characteristics of the Transparent Sun

Bijunath Patla and Robert J. Nemiroff

訳 片山泰男(Yasuo Katayama)

目次

要約
1. 導入
2. 透明恒星レンズの最小焦点長
3. レンズ方程式の解
4. 中心ピークレンズの強度
5. 臨界曲線、焼灼、拡大
6. 議論
A. 追補


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要約

透明太陽が球対称で中心に圧縮された重力レンズとして最新の標準太陽モデル(SSM)データを使って、モデル化された。 太陽の最小焦点長は、精度を上げ、丁度、天王星の軌道を越えた 23.5+-0.1 AU と計算される。太陽は、最小焦点長 内の観測者に、源と太陽の中心を結び通る線から十分離れた観測者に、見える遠方の点源の単独の像を作成する。 それらの関係する増幅率にそって、遠方天源の3つの像が作られる所に、空間の領域が写像される。太陽の焼灼点、 臨界曲線、アインシュタイン輪が計算され議論される。極端に高い重力レンズ増幅率が位置する観測者に存在し、 角度的に小さい3つの焼灼点の近傍にレンズ作用を受けない源が現れる。太陽コアを通過できるものとして、 ニュートリノと重力放射を含み、太陽レンズ効果に重要な放射の型が議論される。


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1. 導入

我々の太陽は重力レンズとして働くことが知られている。日食の期間に、太陽の背後に位置する星のみかけの角度のシフト は、一般相対論(Einstein, 1916)の予測に従って、1919年に(Dyson 等, 1920)最初に観測された。数年後に、遠方の星々の レンズに似た作用は、より一般的に議論された(Chowlson 1924; Einstein 1936)。その影響の議論は、源、レンズ、観測者 の完全な配置では、点レンズの周りのアインシュタイン輪と呼ばれる観測者にみえるリングをもたらす。詳細な歴史的レビュー は、例えば、Wambsganss (1998) をみよ。

衝撃パラメータbをもって出会った平行光線は、レンズ平面上で角度αだけ屈折される。屈折角度は、 Einstein (1916)によって最初に導かれた式に従って、衝撃パラメータbに反比例し、

α= 4GM(b)/(R.bc^2) .......(1)

ここで、bは通過光線の無次元の衝撃パラメータ、M(b)は屈折質量、Gは重力定数、そしてcは真空中の光速である。M. と R. はそれぞれ太陽の質量と半径である。屈折角度が小さいことを仮定して、不透明太陽の最小焦点長は、次で近似される。

F= R.^2 c^2/4GM. = 548.30(+-0.01) AU. .............(2)

ここで、Fは、不透明太陽の最小焦点長。Fの不確かさはR.とGM.(Cox 1999)の統計誤差に基づく。レンズ又は源の光学軸から の軽微なズレはアインシュタイン輪を壊し2つの明るい像に観測者に見られる。

透明な太陽を重力レンズとして使う可能性は、以前から様々な著者 (Lawewnce 1971; Clark 1972; Ohanian 1973; Cyranski & Lubkin 1974; Bontz & Haugan 1980; Burke 1985; Nemiroff & Ftaclas 1997; Demikov & Puchkov 2000; Escribano et al. 2001) によって議論された。Burke (1985) は、円筒質量の半径の関数としての最大屈折角度の考察によって、最小焦点長を 25 AU と計算した。 Demkov と Puchkov (2000) は、他方、透明太陽の最小焦点長を約 24 AU と計算した。1989 年に知られる標準太陽モデル(Bahcall 1989) とともに始まり、彼らは衝撃パラメータの関数としての重力レンズ屈折角度を計算し、そして、太陽中心近辺にはテーラー展開を用いて これを近似した。

現在の分析を通し、さらに最近の Bahcall et al. (2005) の標準太陽モデルのデータが使われる。透明太陽の重力レンズの特性の より完全なモデル、より正確な最小焦点長 (23.5 +-0.1 AU) 多重イメージの領域、とさらに焼灼位置と臨界曲線を含めて計算した。

論文の計画は次のようである。2章は、恒星の密度側面の累乗法則と、それらのレンズ作用による屈折角度との関係を説明し、3章は 透明太陽の最小焦点長を得るふたつの他の代替的アプローチを概観する。多重像を生成する能力をもつ複合レンズ強度が4章に扱いを 通して与えられる。臨界曲線、焼灼、拡大率と多重像領域が5章に、そして結論が6章にまとめられる。


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2. 透明恒星レンズの最小焦点長

透明恒星レンズは以前に重力放射(Lawrence 1971; Ohanian 1973) の文脈のなかで研究された。重力放射の透明太陽の単純なモデルの レンズ作用は、Bontz と Haugan (1973) によって研究された。透明レンズのひとつの特性は、レンズ中心と、異なる衝撃パラメータが 集約に対応する所の光軸上点と、の間の 最小 の距離として定義される最小焦点長である、

太陽のような主系列星は、水静力学的平衡状態にある。単純な水静力学状態は、それらの圧力と密度が単純にポリトロピック(累乗則) インデックス(Chandrasekhar 1958)に嵩上げされたそれらの半径に比例すると記述できる。それは一般的に密度がポリトロピカルにr^n から外れるとき、重力レンズ屈折角がr^(n+1) から離れ落ちる(Burke 1985)。ある半径の外では、太陽のような星々の密度側面は 1/r^2 に近似から離れるようなポリトロピックインデックスによってよく特徴づけられる。

太陽焦点長の一般的な問題を明瞭にするため、司令的練習が種々の理想化した累乗則を標準太陽モデルデータを使って比較することが できるかもしれない。星の質量を M*、半径を R* とする。ρ(r) は、星の理想化した密度側面とする。

ρ(r)= ρ_0 r^n, ..............(3)

ここで、ρ_0 は定数、r は星の中心からの半径距離、n は累乗インデックスである。ρ_0 の値は、星の質量と半径で決定される。 無次元衝撃パラメータbの関数としての正規化された投影された質量は、n= -2,-1,0 に対応する累乗則によって式(3)を積分することで 解析的に計算でき、円筒座標系の体積要素を使って、

M(b)_n=-2 / M* = 1 - √(1-b^2) + b tan^-1 √(1/b^2 - 1)...............(4)

M(b)_n=-1 / M* = 1 - √(1-b^2) + b^2 tan^-1 √(1/b^2 - 1)...............(5)

M(b)_n=0 / M* = 1 - (1-b^2)^3/2 ...............(6)

ここで、M(b)は、半径bの円筒に封入された質量。対応する屈折角と焦点長への対応する表式は、

α(b)n = 4GM(b)n/(c^2R* b), .................(7)

と、

D(b)n = R* b/α(b)n = R* ^2 b^2 c^2 /4GM(b)n, ................(8)

ここで、D(b)n は焦点長でα(b)n は累乗則インデックスn, 衝撃パラメータbに対応する屈折角。関数 M(b)n はnの異なる3つの値に よって式(4)(5)と(6)で与えられる。

図1. 正規化した焦点長が水平軸に沿ってプロットされる。無次元衝撃パラメータは垂直軸に沿ってプロットされる。n= 0 曲線は一定 密度球で最小焦点長 365 AU をもつ。太陽の標準太陽モデルデータは、太陽の最小焦点長 23.5 AU に設定する。太陽の焦点長はSSMデータ を使用して数値的に計算された。

最小焦点長を任意のnに対して結合する便利な関係は、L' Hostital's ルールによって、式(7)に非常に小さな衝撃パラメータb→0 の極限を 取ることによって打ち立てることができる。太陽質量と半径を使って定数 g= GM./R.^2 を導入し、n>−2に対する焦点長の極限値の一般 表式が得られるだろう。4g/c^2 が長さ548 AUに対応することに注意して、不透明太陽の最小焦点長は、

lim n->0 D(b)n = Dn = c^2/g (1+n)/2(3+n), ..............(9)

ここで、lim D(b)b->0 は n= -1, n= 0 についてだけの また、最小焦点長である。n>1の整数については、 もはや 最小焦点長でない(図1をみよ)。一様な球、n= 0 は、次をもたらす。

Dn=0 = c^2/6g = 2/3 F, ......................(10)

ここで、Dn=0 と F は同じ質量と半径をそれぞれもつ透明均一球と不透明球の最小焦点長。式(9) は、半径と質量とが太陽の半径と質量をもつ、 透明均一球の最小焦点長を 365 AUに設定する(Lawrence 1971; Clark 1972; Ohanian 1973)。n= -1 では式(9)は、0 にゆき、n<-1 では無効になる。

図 2. 正規化した M(r)/r これは、屈折角度が無次元衝撃パラメータの関数としてプロットされている。太陽の M(r)/r 側面は、 小衝撃パラメータへの理想化したn= -2側面に向かって立ち上がるが、その後、漸近的に落ち始める。

我々が注意するのは、太陽は、〜0.075 R. の外側で、大まかに、n= -2 の密度側面に従うことである。しかしながら、図1からは、太陽の焦点長側面は、 この〜0.10 M. を封入する衝撃半径のなかで、一定密度球のそれを真似ている。それゆえ、太陽の最小焦点長は、大雑把に次で近似できる。

F = c^2/4g (0.075)^2/0.1 = 31 AU. .....................(11)

次の章では、対照的に、より正確な太陽の最小焦点長を推定を得るために、より複雑な光線追跡方法が採用される。


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3. レンズ方程式の解

よく知られているが、点レンズだけが、弱い屈折極限でふたつの像を生成できる(Schneider et al. 1992)。しかしながら、複合レンズは、 多重像を生成できる。レンズ平面内の像の位置は、衝撃半径内に封入された投影質量に依存する。Burkeの奇数定理(Burke 1981)は、複合レンズは、 源の奇数の像だけを生成することと、源が焼灼の内(外)に移動するとき、像が常にペアで出現(消失)することをいう。

標準の幾何光学近似では、光線は、源から直線で開始し、屈折平面で離散的に方向を変え、最終的に観測者に到達する。複合レンズへ幾何光学を 使用するためには、3次元的な屈折質量を源と観測者を結ぶ光軸に垂直な平面上に写像する必要がある。平面波近似が仮定され、源の放射は、波長 λ≪ R_B をもつ、ここで R_B は背景時空の曲率半径である。

源は点源的であり、内部への収斂、質量による Ricci 収束、光線の鉛筆への収斂は、貢献しない。別の言葉でいえば、光の束は無限に細く、屈折は 純粋に Weyl 収束、衝撃半径内にある投影質量だけによる(Dyer 1977)。 Newton と Birkhoffの定理に従って、衝撃半径の外部の質量は屈折に貢献しない。

図3. レンズ中心は、観測者OからD_L、源から D_LS にある。βとθは、レンズ効果前の源とその観測者に見える像に対する角度である。

図3の幾何学は次の式を満たす。

β=θーα, ............................(12)

もし、D_LS〜D_S を遠方の源に仮定するなら。βとαは、レンズ効果を受ける前の源とそれの観測者に見える像とに対する角度である。 屈折角度αは、式(1)と同じく、次の式に書き直せる。

α=4G/c^2 ∫_S r dΦdrΣ(r)r/|r^2|, ............................(13)

ここで、Σ(r) は、レンズの中心からrの点の投影質量密度の値で、rは衝撃パラメータ、そしてSは、極(r,Φ)座標系の表面である。 レンズ中心は、円筒対称による単純化のため、選択した座標系の中心と一致させる。

式(12)の数値解は、像の位置をもたらす。円対称のため、αはr(半径)だけの関数である。一般には極座標の2つのパラメータの関数になる。 別の言葉で言えば、源と像は、直線上に配置されない。

図4. 3つの異なるシナリオにおける、レンズ効果前の源の位置βと像の位置θとの曲線関係。連続した曲線は、中心に濃縮したレンズの レンズ方程式の解を再現する。破線曲線のセットは、同じ質量の点レンズ、直線は、レンズなしを表し、レンズ効果前の源位置と像位置 がつねに一致する。観測者の距離は、レンズ中心から50 AUである。

レンズ方程式の解は、最大3つの根をもつ。βーθ平面のどの垂直線も固定の源位置に対応し、その交差点は、像の位置に関係する。図4 の精査によって、光軸から遠い源は、単独の像に見られる。βーθ曲線は、どの観測者の位置D_Lにおいても、θーβ写像の同型変換である。 図4は、逆写像に基づき、拡大を計算するのに使われることに注意。

β=0では、2つの像が光軸から等しく離れてある。仮定したレンズの球対称は、レンズ平面上に円形のアインシュタイン環を生成するだろう。 現実のアインシュタイン環の生成は、レンズ中心を通して観測者を結ぶ線上に沿って正確に源が位置すべきことであり、それは、現実的な場合 には、有限サイズの源にしか起こらない。それにも関わらず、アインシュタイン環は、まだ理論的な重要性をもつ。それはそれが像のセットを 分離するからである(Nemiroff 1993)。例えば、源がレンズの背後に移動するとき、アインシュタイン環を交差する像は決して見えないだろう。

図5. 光軸に沿った観測者ーレンズ距離に対するアインシュタイン環の半径、曲線(a)は、太陽に対応し、曲線(b)は、太陽と等しい半径と平均 密度をもつ一様なレンズ。両方の場合、太陽の縁に対する角度は、〜1.75 " である。

重力レンズと対照にして、光学レンズでいう焦点長が意味するものを区別することは重要である。光学レンズの焦点長は、 レンズ中心と平行光線が収束又は発散を表す点との間の距離である。屈折角度は、

b=D_L tan α, .........................(14)

ここで、b、D_Lとαは、それぞれ、衝撃パラメータ、焦点長、屈折角度である。

重力レンズは、各衝撃パラメータにおいて最小焦点長で限定された焦点長をもつ。これは、屈折角度が衝撃パラメータの線形関数でない からである。平行光線は、光軸に沿って異なる点に集中する。

多重像の存在は、整合性のとれた焦点長の定義には必要条件である。最小焦点長を過ぎれば、観測されたふたつの源の像は一体化され、 アインシュタイン環の形態になる。数値シミュレーション(さらに議論する追補に)は、D_Lの異なる値と、Burke の奇数定理が、次の 多重像の存在のための数学的条件を課していることを含む(Schneider et al. 1992)。

dθ/dβ<0. ...........................(15)

上の条件を満たすD_Lの最小値、最小焦点長、は、数値的に 23.5 AU である。これは、23.5 AU より小さいD_Lの値は、多重像がなく、それゆえ 焦点をもたないことを意味する。源とレンズ、そして観測者の完全な配置でも、23.5 AU より近い観測者はアインシュタイン環の形態をなさない だろう。


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4. 中心ピークレンズの強度

太陽の質量密度は、半径とともに単調に減少するだけでなく、そのレンズ平面への質量密度投影も、半径に従って単調に減少する。 臨界表面密度に対して正規化された表面密度は、多重像を生成するのに必要なもので、無次元の表面密度と参照される(又、収束と 呼ばれる)κであり、レンズの強度の尺度である(Subramanian & Cowling 1986; Schneider et al. 1992)。

κ(r)= Σ(r)/Σ_cr, .....................................(16)

Σ_cr= c^2/4πGD_L, .....................................(17)

は、臨界密度で、D_Lは、レンズと観測者の距離である。もし、レンズ上のある領域でκ(r)>=1なら、そのレンズは"強い"と 用語する。我々の太陽への指令的比較のために、体積密度が太陽の平均密度と等しい、半径R.の"一定密度"球が使われる。

"弱い"レンズは、κ≪ 1で特徴付けられ、多重像を作成できない(Subramanian & Cowling 1986)。 一定密度球は、D_L=23.5 AUに多重像を作成しない。これが図4に表示され、50AUでは全体レンズを通して曲線(b)がκ≪ 1の値をもつ。 弱いレンズは、十分近い観測者に対してだけ弱い。ある最小焦点長より遠い観測者は、強いレンズと同じく、多重像を創る。 太陽の一定密度球の場合、この値は、D_L について、〜 365 AU である。

式(15)の有効性は、次のことを意味する。レンズが弱から強への遷移は、少なくとも十分な点数で、βーθ曲線が最小焦点長で 連続であることで追跡されるべきである。それゆえ、最小焦点長の存在を、確立し検証するために、光線追跡アルゴリズムが採用 された。より精確に、誤差は1%より少なく、それはデータとシミュレーションの複合誤差である(Bahcall et al. 2005)。

図6. 表面密度κが垂直軸にプロットされたのは、半径の単調減少関数である。曲線(a)は、太陽の観測者ーレンズ距離がD_L= 50 AU である。一方、曲線(b)と(c)は、一様密度球のD_Lが50と450 AUである。無次元表面密度パラメータは、透明太陽がD_L= 50 AUでは 強いレンズであり、一様球は、同じD_Lでは、κ≪ 1 の弱いレンズである。しかし、この同じ一様球は、365 AU より観測者ーレンズ 距離が大きいとき、多重像を生成することができる。

代わりに、太陽の焦点長は、κ=1に対応する封入された質量と衝撃パラメータから得られる。式(2)を使って、0.0135 M. の値を 代入し、そして封入質量の半径を0.024R.として、最小焦点長 〜 23.5 AU が得られ、それは、天王星と海王星の軌道の間にある。


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5. 臨界曲線、焼灼、拡大

レンズ平面は、点源と固定の観測者を結ぶ線に垂直な平面と定義される。透明重力レンズの奇数定理(Burke 1981)に従って、 観測者は、レンズ中心がレンズ平面のどこを占有していても、点源の奇数の像をみるだろう。レンズ平面には観測者にみえる特定の 奇数の像を作るためのレンズ中心が位置できる領域が存在するだろう。これらの領域の境界は、臨界曲線と呼ばれる。球対称のレンズ にとっては、臨界曲線は円である。レンズ中心が臨界曲線にあれば、式上は、点源の無限の拡大が観測者に見える。

源平面は、固定の観測者からレンズ中心を通して延ばした線に垂直な平面として定義される。レンズ平面のアナロジーで、源平面 にも、 (固定の)レンズが (固定の)観測者からみえる特定の奇数の像を作成し、点源の像が存在できる領域が存在するだろう。 源平面のこれらの領域の境界は、焼灼と呼ばれる。球対称レンズにとって、焼灼もまた円である。点源が焼灼にあれば、式上は、 無限の拡大が観測者にみえる。レンズが与えられると、θ対β曲線が傾斜の発散の点を示す。これらの点は無限拡大に対応し、 それゆえ、焼灼(β)と臨界(θ) の円に対応する角度半径をもたらす。

いま、我々の太陽に特定し考察しよう。θ対β曲線が図4に示される。30 AUでは丁度最小焦点長23.5 AUの外側では、焼灼の半径は アインシュタイン環の角度半径θE= 3.65" の場合 0.10 θE に見出される。太陽の次元(単位)ではアインシュタイン環の半径は、 0.10 R. で、焼灼は、0.01 R. である。同様に、臨界曲線の半径は、0.50 θE又は〜0.06 R. である。表1は、アインシュタイン環 、焼灼、そして臨界曲線の相対的サイズを、異なった観測者の位置について、まとめたものである。θ. はD_Lに対応して太陽半径 の角度尺度である。

			Table 1. 臨界曲線と焼灼の半径
-------------------------------------------------------------------------------------------
D_L		θE/θ. 	θcaus/θE	θcrit/θE	θcaus/θ. 	θcrit/θ.
-------------------------------------------------------------------------------------------
23.0		0		0		0		0		0
25.0		5.62 10^-2	3.68 10^-2	0.481		2.07 10^-3	2.70 10^-2
27.0		8.24 10^-2	6.14 10^-2	0.518		5.06 10^-3	4.28 10^-2
30.0		11.3 10^-2	10.0 10^-2	0.519		11.3 10^-3	5.87 10^-2
-------------------------------------------------------------------------------------------

図7. 上の回転面の内部の点は、観測者が多重像をみる体積領域。角度距離は、水平軸に沿う所与の D_Lに対応して、 アインシュタイン環の半径の単位に正規化している。

太陽レンズの背後の、角度的に小さい源の、みかけの相対運動は、源が焼灼を交差するとき、光の曲線に鋭いスパイクを発生する。 所与の位置の拡大は、その位置に対応してβーθ曲線から得られる。

μ=θ/β dθ/dβ, .............................(18)

図8. 一番上の光曲線は、レンズの背後の点源が移動するとき、衝撃パラメータnは、角度尺度 0.025 θEを表す。源の距離が離れ、 レンズが増加するに従って、ひとつのペア像が消える。 垂直軸は対数スケールの拡大であり、水平軸は、距離のスケールをアインシュタイン環θEに正規化した角度サイズである。

弱い作用のレンズの背後の源の直線的な動きは、レンズから源が表われる最小距離でピークをもつ光曲線をもたらす。この最小角度距離 は、源の衝撃パラメータnと呼ばれる。レンズ平面をレンズ中心から離す距離はβとスケールされ、対応する単独像の対応する距離をθ とする。βとθは小さい。源の大きなレンズ中心からの距離は、像は近似的に源に一致する。しかし、この距離が減少するに従って、 レンズ平面上の像と源の位置は、観測者がみるように離れていく。強いレンズには、円形の焼灼の内部にレンズ効果を受ける前の源位置 があり、観測者に見える3つの源の像がある。源の像の数に関わらず、有限サイズの源は、有限の総拡大を実行するだろう。

透明な太陽は、遠方の源によって放たれた放射の局所的な波の領域である(Isaacson 1968; Thorne 1989)。それゆえ、弱い場の極限を適用 でき、幾何光学が像位置を計算するのに使われる(Isaacson 1968)。大きな拡大は我々により感度の高い近傍星からのニュートリノ洩れだけ でなく重力的放射をみることを可能にする。

源が焼灼をまたがるとき、ペアで多重像を作成は、つねにアインシュタイン半径以内にある。それゆえ、それらはアインシュタイン半径以内 の距離だけしか離れることができない。

R_E= √(4GM(b)D_L/c^2), ......................(19)

ここで、D_Lは、レンズ平面からの観測者の距離。(レンズ平面内の)2つの像は、検出器の中で、縁の幅、w〜λD_l/R_Eを持つ干渉パターンを作成するため 複合しなければならない(Nakamura 1998)。ここで、λはレンズされる放射の波長。拡大は、μ〜R_E/w は、4GM(b)/λc^2≫1のときにだけ適用できる。 それゆえ、像は放射の波長が、レンズの Schwarzschild 半径のオーダーのとき、像は分解できない。最小焦点長の近くでは回折効果がλをより強く制限 することを意味する。しかしながら、個々の重力波の軌跡、拡大、そして位相は、光線光学を使って計算できる。

高エネルギーニュートリノは、定義によって 100 GeVを超えるエネルギーをもつ(Gaisser et al. 1995)。太陽はニュートリノを電子散乱によって妨げられずに 300 GeVまでだけを受け入れる(Rscribano et al. 2001)。太陽の質量分布と化学構成(75%の水素と25%のヘリウム)は、ニュートリノエネルギースペクトルの 上限を設定する。回折は、ニュートリノには効果なく、300 GeV のニュートリノの de Broglie波長は、レンズの重力半径よりもずっと小さい(10^-15 m)からである。


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6. 議論

太陽の内部のプラズマとコアの回転の効果は、小さいと考えられ、この解析の間は無視された。最小焦点長、臨界曲線、そして焼灼は、数値的に計算された。 典型的な源の分離のための点源の拡大が分析された。プログラムのコードは、入力パラメータとして、仮定される密度側面が、銀河とダークマターハーローを シミュレートするために修正できる。

今日まで、4つの航宙機が、我々の太陽の最小透明焦点長を、天王星の軌道を丁度過ぎて、旅行した。十分に感度の高い重力波、又はニュートリノの検出器を もってこの距離まで航宙機を出発させることは、しかし、まだ夢のまま残っている。別の論文のなかで、強い重力放射と広い範囲のニュートリノエネルギー スペクトルの検出の可能性は、ある程度の詳細に検証されるだろう。現代技術の進歩と検出器の分解能力の改善によって、そのような努力は、 ニュートリノ、高エネルギー重力波、又は、今までは仮想的な少なくともある理論が予測する粒子を放射する源に、新しい光を当てられる。

我々は、匿名のレフェリーの有益な助言に対して感謝する。とくに式の(9)の指摘とその帰結のいくつか、それらは論文を改善するのを助けた。


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A. 追補

与えられた衝撃パラメータの像の位置は式(12)を解くことで見出される。屈折角度αに全ての正と負の両方の範囲を許し、源の位置βに全ての正の値を許し、 制限のなかで内挿することで、像位置θを得る。それゆえ、これは制御された光線追跡アルゴリズムということができる。

β=b/D_L, .........................(A1)

ここでbとD_Lは衝撃パラメータと、レンズ中心からの固定の観測者の距離である。結果の曲線は図4に示される。点源には拡大は曲線から式(18)を使って 直接に計算される。広がった源の拡大は、源を点に近似することで又は逆光線射撃、又はStokes の定理を時折使用することで計算できる。

円対称レンズについて、屈折は衝撃パラメータに依存する。その場合、新しい角度尺度nは図9で源からレンズ平面上の垂直距離のように定義できる。 観測者は座標系を選択して、そのy座標と原点をnに一致させる、レンズ中心を通して。

いま、異なった源の位置に、観測者がみるように、源は、角度尺度に対しているだろう、

x=√(β^2 - n^2), .............................(A2)

x 軸からβ>=nにおいて。

図9. 破線は源のレンズ背後の動きで衝撃パラメータn を作る。球対称のレンズには像と源とはつねにある直線の上にある。それゆえ、 レンズ中心からの源の角度距離は、源の軌跡に沿っている。つねに観測者がみるように、√(β^2-n^2) である。