改善の仕方の4段階法 |
第1段階―作業を分解する | |
1.現在方法をそのまま作業の全細目を記録する | |
2.材料の取り扱い, 機会作業、手作業 | |
は全部細目になる。 |
第2段階―細目毎に自問する 次の自問をする。
1.なぜそれは必要か? 4.いつするのがよいか?
2.その目的はなにか? 5.誰が最も適しているか?
3.どこでするのがよいか? 6.どんな方法よいか?
同時に次の9項目について自問する
材 料 配 置
もっと良い安い得やすい材料を使えないか? 後戻しの回数は最小限か?
この作業で生じる廃品を他の生産に用いうるか? 取扱い回数と移動距離は最小限か?
不良品や廃品を最小限に減少させうるか? 利用できる場所はみな使っているか?
材料規格ははっきり決まっているか? 通路の幅は充分か?
機 械 作 業 場
最大限に稼動しているか? すべての物は適当な動作範囲にあるか?
最良の運転状態にあるか? 重力利用の補給装置や落下送出し装置は使えな
正しく使われているか? いか?
仕事に最も適した機械が用いられているか? 両手は有効に用いられているか?
機械や作業員の手持ち時間を利用しうるか? 手で保持することはみんな取り去られているか?
設備と道具 安 全
適当な設備工具が利用できないか? 作業は楽でありしかも安全だろうか?
作業員がそれらをもつているか? 作業員は安全規則と火災予防をみんな理解して
ゲ―ジ,治具、装置はどうか? いるか
設備,工具、は有効な仕事ができるように準備されて 正しい安全装置が使われているか?
いるか? 事故が労力、機械,材料の浪費となることを思い
起こせ。
設 計 整理整頓
品質が設計や仕様書の変更によって改良されるか? 作業場と材料場の整頓ができているか?
設計の少しの変更で材料又は生産時間が節約できる 不良品置場を作業員,機械,作業台,作業のた
か? めに利用できないか?
不必要な物はみんな片付けておく
必要な物は正しい場所にあるか?
整頓の良い職場は遅延,不良品,事故が少ないこ
とに注意。
第3段階―新方法に展開する
1、不要な細目を取り去る。 3、細目をよい順序に組替える。
2、できるなら細目を結合する 4、必要な細目を簡単にする。
第4段階―新方法を実施する
1,新方法を上司と作業員に納得させる。 3.新方法を仕事に移す。次の改善ができるま
2、安全,品質,生産量,原価の関係者に最後の省 で用いる。
認を求める。 4.他人の功績は認める。
改善の仕方の4段階法についての解説
目 的
ここで述べる改善の仕方の目的は、先行投資をして全く新しい設備を設けたり、大規模に改善を行うものでわなく、現存の労力,機械及び材料を最も有効に使うことによつて、短時間に、良い品質のものを、大量に生産するのに役立つ実際的な方法なのです。これは一生産工場を例に上げておりますが、総ての作業は、無論のこと我々の日常生活の中にも、応用できるものですから,大いに、ご利用下さい。
この改善の仕方は労働省職業安定局が進めている監督者訓練の資料の一部
です私はこの資料で監督者訓練員の認定を受け幹部教育のトレーナをしており
ました。
第1段階―作業を分解する
― 作業分解はすべての作業改善の第一歩です。
― 作業の全細目を記録することは、その作業の完全なきろくとなり,又正確な姿
をとらえることになります。
― それによって、改善の必要なことや、その作業について我々の気が付かなかっ
た多くの細かい点を知ることができます。
― 細かく分解すると、作業の事実がわかります。
― 分解を細かく正確にする程、改善は一層完全なものとなります。
― ここでいう細目とは、やっている一つ一つのことです。すべての検査、すべての
遅れも細目になります。
― 作業分解をやるのに最もよい場所は、作業をしているところです。記憶ではい
けません。
― では次に作業分解が、どのように用いられるかが、第2段階でわかってきます。
第2段階―細目毎に自問する
― およそ改善の成否は、まず疑問をもちこれを解決していく能力にかかってい
ます。
― 行った作業分解について、どの細目ももれなく自問していかなければなりま
せん。
― 我々が教えられて,知っているのはこの6つの大切な自問からのです。
― 例えば,子供は質問して知識を広めますが,我々は質問をすぐにやめてしま
います。それでは、改善はできません。
― 我々は慎重に、改善したい作業のあらゆる細目を自問しなければなりませ
ん。
― 自問の順序は必ず決められた通りにやらなければなりません。
― どんな方法がよいか?の自問を先にやり、その後でなぜそれは必要か?
と自問をして、その細目が不要になったときは先に考えた時間が無駄にな
ます。
― 一つの細目について、すべての自問がすんでから、はじめて次の細目に進
みます。
第1― なぜそれは必要か?
― 我々は各細目の最初にこの自問をやります。
― 必要な細目か,不要な細目か、を区別したいのです。
― これは非常に重要な自問です。
― これによって不要な細目が沢山見つかると、大きな改善が可能になります。
― しかし、しばしば納得の行かない答えがでることがあります。
― そのため正確な答えを探すために別な面からも確かめる自問があります。
第2― その目的はなにか?
― その細目が役に立つ目的を持っているのか、或いは品質をあげるかどかを
調 べる。
― もしその細目が有効でないとなれば、なぜそれは必要か?をもう一度考えま
する。
― その目的はなにか?は、なぜそれは必要か?という自問の確かめの自問と、
なります。
― これらの自問からはっきりした答えが出ると、改善について気のついた着
想が速やかに頭に浮かんできます。
― 出てきた着想は忘れないように、そのまま作業分解シートに全部書きとめ
ます。
― まだ何等の処置も決めないで、更に自問を続けます。そうするともっとよい
着想が出てくるものです。
― もしその細目が必要であるとすれば、更に残りの4っの自問を続けます。
第3― どこでするのがよいか?
― この自問をして、それぞれの細目をやるための最もよい場所を見出します。
― それはどの職場、どの係でやるのがよいか、又どの機械、どの作業場、ど
の設備がよいか。
第4― いつするのがよいか?
― この自問をしてそれぞれの細目をするための最もよい時を見出します。
― その細目を初めにやるか、,終わりにやるべきか? どの順がよいか,他の細
目の前か,後にやるのがよいか?
― それをやる人、,機械、材料,設備,或いは道具をいつなら使えるか?
第5― だれが最も適しているか?
― この自問をして、それぞれの細目をするため最も適した人を見出します。
― 熟練、経験、体力などからその作業に誰が最も適しているだろうか?
第6― どんな方法がよいか?
― すべての必要な細目について、どこ、いつ、だれの自問が済んだら初めて、
この自問をします。
― それぞれの細目をするのに、もっとよい方法があるかどうかを調べます。
― 物事には常にもっとよい方法があるはずです。それには必要な細目に
ついて、まずどんな方法がよいかと自問をしなければなりません。
第2段階の9項目についても自問をする
― これらの項目は、どんな作業にも重要な要素です。
― 作業分解の細目全部につき同時に各項目を自問しなければなりません。
― 材料、機械,設備,道具は,、たびたび足りないことや,得がたいことがよくあ
ります。
― 設計を少し変更すると,作業の大きな改善ができることがあります。
― 配置をよくすると、床面積や作業場を節約することができます。
― 安全が守られなかつたり整理整頓が悪いと、怪我をしたり,、時間や場所の
無駄の原因となります。
― 作業分解の全細目の自問がすっかり終わったら,、そこで第3段階に入るわ
けです。
第3段階― 新方法に展開する
― 第2段階の自問の答えから、第3段階で新方法の展開が生まれてきます。
― 細目を取り去ったり、結合したり、よい順序に組替えたり、簡単にてはじめ
て 生産が向上することができます。
― 最初の4項目の順序に気を付けて下さい。簡単にするの後で取り去るをや
ると時間の無駄になります。
項目1― 不要な細目を取り去る
― なぜ? なに? の答えから不要な細目を取り去ることになります。
― 労力,、機械及び材料の無駄な使用を避けるために不要な細目を取り去る
のです。
項目2― できることなら細目を結合する
― 必要な細目は、結合した方がよく、それができれば結合すべきです。
― どこ、いつ、だれ、の自問の答えから必要な細目を結合することになりま
す。
― それぞれの細目をやるのに最もよい時期,、最も適した人を見つけると、
細目の結合がよくできるものです・
― 細目を結合して、作業間の検査や取り扱いを少なくします。
項目3― 細目をよい順序にくみかえる
― たとい必要な細目が結合できない場合でも、もっとよい順序に組替えら
れることがあります。
― 細目の順序を組替えて、材料の取り扱いや、後戻しを少なくします。
― どこ、いつ、だれ、の自問の答えから,、又必要な細目をよい順序に組
替えることができます。
― 細目の順序を組替えると、部品の無駄な移動をはぶき、取り上げたり、
おろしたりする無駄な細目を少なくすることができます。
項目4― 必要な細目を簡単にする
― 必要な細目をもつとやり易く、安全にするために、これを簡単にします。
― どんな方法での自問の答えから、必要な細目を簡単にすることができ
ます。
項目5― 他人に力も借りて考える
― 我々はよく上司からうまい着想を得られることがあります。
― 上の人はどんな変化が起こり得るか、またどこで生産増加が必要かを
知っている人です。
― 上の人は役立つ指導をしてくれます。
― また部下もよい考えもっており,時には我々以上によいものをもってい
ることがあります。
項目6― 新方法の細目を記録する。
― せっかく出てきた着想が、実行に移されないうちに、または記録され
ないうちにどこかえ消えてしまうことが多いのです。
― 新方法はどんなもので、どうやってやるのか正確に記録して下さい。
― 提案シ―ト等に記録しておけば、新しい改善の完全な記録となります。
第4段階― 新方法を実施する
― 改善したもの実施に移さなかったら、何の価値もありません。
― 改善は一回だけすればよいものではなく、改善に改善を繰り返してよ
りよいものにして行くものなのです。そうするには常に改善の仕方の
第1段階から第3段階の自問を常に繰り返してみて下さい。
以 上
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