ここんとこ小泉首相が自民党総裁選に向けた自らの公約として、

またぞろ「郵政民営化」というやつを叫んでいるようですね。

郵便局の民営化はどうでもいいから、経済政策をしっかりと考えてほしいわ、ホント。

おそらく、ついこの間、株価が上昇したってことで、自らの経済政策を失政と叩かれにくく

なったとでも踏んだんでしょう。

市場活性化対策とか言って、やたらと株価対策の議論がなされていたのは、

遠い過去の物語にでもなったかのようですが、実はついこの間。

実際には何ら対策は施されていないような状態で決して株価上昇は小泉内閣の力では

ないし、たまたま買いが入っただけで、終値1万円を見ずにまた足踏みを

始めてしまいましたわねぇ。

ただ、小泉内閣がついこの間まで議論していた市場活性化対策、

新聞やテレビを見る限り、何のことはない郵便貯金や簡易保険の金で株を買い支えろと

いう極めて原始的なと言いますか、何も考えてないのかい?って感じの対策でしたわね。

郵便貯金、簡易保険に頼れば、そりゃ300兆円からの資金があるし、

その気になれば、一気に株価を押し上げることも可能だと思いますわな。

でも、上がった後はどうすんの?

今度は、郵貯・簡保が利食いのために一気に売るしかないんじゃないの?

それをせんと、ダラダラと持ち続けると結局損を出したりってことになりかねない。

資金が膨大だけに儲けも損も膨大になるだろうねぇ。

竹中大臣なんか、テレ朝で、

「独立した日本郵政公社に政府が無理やり株価対策やらせるのは、筋が違う」なんて

ことを言ったかと思うと、

NHKに出たときには、

「銀行は、資産の4〜5%を株で運用しているが、郵貯は1%しかしてない。」だって。

まるで「やれ」と言ってるようなもんだろ、それじゃ。

1日のうちにこんだけコロッと発言を方向転換するんだから、わけがわからん。

そんでいて、普段は、「郵便貯金は市場を歪めている」みたいなことを

言うわけで、市場を歪めているのはオノレらじゃねぇかって。

小泉さんが「郵政民営化」ってあれだけ言って、結局実現しないのも、

政治が都合のいいように使える資金をとっとかないと困るから、なんじゃないの?

で、結局、郵貯・簡保を株価対策に使うって話はオジャンになったようですが、

代わりに出たのが「郵便局で投資信託を売る」とかいう話。

郵政公社は、随分と乗り気のようで、近々国会にそのための法案を提出するらしい。

ただ、ちょっと「?」だ。

いろいろな雑誌で公社総裁のインタビュー記事がやたらと出てますが、

投資信託については、「郵便局のお客さんが買い易いような小口でローリスクの商品を売る」

ってなことを言うわけです。小口はともかく、ローリスクの投資信託って何?

公社債投信?じゃ、株価対策はどうなったの?

小泉さんも小泉さんで、構造改革で本当に景気が回復すると信じるなら、その象徴的な

改革を何故真っ先にしないで、次の総裁選の公約になんかするの?

株価が下がれば「株価対策に郵貯の金を使え」と、

当然穴が開いたら政府が我々の貯金や保険は保証するわけですわな。

民営化しようと思っている公社に向かって採る態度じゃないわね。

で、株価が上がったら「郵政は民営化」だって。

一体、何がしたいのよ、今の政権は?

行き当たりばったりで政治やって、それで許されるんなら、俺でも大臣できるってぇの。