(画像提供:へんりーさん)
1959年に発売された我が国初の走る潜水艦プラモデルである日本模型の「伊号潜水艦」。
このキットは単に走るだけではなく、一気に自動浮沈機構まで有した画期的なものでした。
機構は簡単で、自動浮沈させたい場合は艦体後部のパーツを帆のように上方に開いて立て、
潜水艦が潜航すると、立てた帆に水が当たって艦尾を沈める(=艦首が持ち上がる)事で
艦全体がまた水上に顔を出すという原理でした。 |
イマイの名作「サブマリン707」の最高峰Cクラスのバンダイ版パッケージ。
このキットは先の日本模型の伊号潜水艦とは違い、艦橋上部に(原作にはない)メッシュ型レーダーを備え、
潜航した艦のレーダーが走行時の水圧で倒れることで、ワイヤーで連動した艦尾水平舵が下げ舵になって
艦首を上げて浮上するという凝った機構でした。但しこの機構はイマイオリジナルではなく、元々は最初に
画像を挙げた山田のUボートのもので、日本のアイディアギミックプラモの泰斗である神林久雄氏の設計です。 |
シズキョーのダイバーエース「シャーク号」。パイロットが密閉コックピットに乗る潜水艇ではなく、ダイバーが
水中に暴露された状態で水中を移動する為の水中スクーター型潜航艇です。
これはタンデム搭乗の前のダイバーの体自体が水中での抵抗体となり、潜水時に船体中央部の水中翼を
上げ舵に変えて浮上するというギミックで、無駄なレーダーがない分すっきりとまとまったデザインでした。 |
アリイのゴム動力潜水艦シリーズですが、中身は日本ホビーの再販です。
古いキットなのでキット自体はおおらかな外観とディテールです。
全て自動浮沈しますが、船体中央部に潜舵がある「おやしお型」は左右の舵を結合する舵軸から直接垂直にレーダー軸が立ち上がって艦橋に繋がる簡潔な構造なのに比べ、潜舵が艦首にあるイ号潜水艦は艦橋レーダーの動きをリンク機構で艦首潜舵に結合するというちょっと凝った設計になっています。 |
これも懐かしいタミヤの潜水艦シリーズ。
夏の定番商品でしたが、発売を終了して久しい名品です。
パッケージイラストは故小松崎茂画伯の手よるものですが、このシリーズは画伯のそれまでのタッチから別境地を探られたと思われる、シャープでリアル感の増した素晴らしいものでした。
特に北極海に浮上した「ワシントン号」のイラストは、それまでの画伯独特の「赤にアクセントを置く鮮やかな色使い」を抑え、静謐でドラマチックな一幅の絵を見ているようなプラモデルの箱絵です。
キットはゴム動力で、セイル上のレーダーに直結した船舵で浮上潜航する単純な構造でしたが、シャープなモールドと、ゴムが切れた後でも交換しやすい構造は、さすがにタミヤが他社に比べて一歩先を行く会社だという感じがします。
今でも時々ネットオークションで見かけますが、ギアボックスなどの大掛かりな部品を必要としないシンプルなプラモデルですので、是非もう一度再版して欲しいキットです。
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アカデミーの「U-Boat IXB」。童友社(山田)の名作自動浮沈「Uボート」の自動浮沈機構をベースに、
ニチモの名作1/200Uボートなどを参考にしたディテールを持つ船体を
1/150にスケールアップして設計した、イイとこ取りのズルいやつ。(笑)
しかし大型船体の不利をRE280クラスモーターと4.5vのパワーに物を言わせ、スケール感溢れる
細長い船体をぐいぐい引っ張るスペックは、潜水艦レースでは常勝の強さを発揮するキットです。
山田の遺伝子を持つ自動浮沈機構は、誰が作っても間違いなく自動浮沈させることができます。
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山田のUボートの直系の遺伝子を持つ山田の伊号潜水艦の再販、童友社の「伊号-401」。
毎年夏休み時期に再版される貴重な動力潜水艦ですが、最近は見かけない年もあるかも。
山田の「Uボート」はその後再設計されて電池3本の4.5v仕様になっていますが、「伊号-401」は
今でも電池2本の3v仕様です。パッケージトップのカットモデルに、ナショナルのハイトップが写っているのがご愛敬。
3v仕様とはいえ、こちらもコンディション次第では上位入賞が狙える優れたキットです。
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