2022年 第22回水ものオフ会
「快速ジェット魚雷艇パンサー」コンテスト
のご案内

水ものオフ会毎年恒例の俺SFメカコンテスト
2022年のテーマは…

 「ジェット魚雷艇パンサー」だ!


トミーの「快速ジェット魚雷艇パンサー」のパッケージ。
ホワイトバックの印象的な側面図に、特徴的な水ジェット機構の内部構造が描かれたパッケージ。

 

 俺「ジェット魚雷艇パンサー」コンテストの参加要領
トミーのSFボート「快速ジェット魚雷艇パンサー」のオマージュ作品によるコンテストです。
勿論本家の「ジェット魚雷艇パンサー」による景気付け参加も大歓迎です。但し当コンテストとしては、参加者オリジナル作品のみがコンテストの集計対象となります。
スクリュー走行ではなく、インペラによる水ジェットを尾部から空中に噴き出して走る、ダイナミックな高速SF魚雷艇です。
動力、サイズに特に制約は設けませんが、安全にデモ走行できる作品に限ります。

 
SF快速「ジェット魚雷艇パンサー」
 について
 
ギミック玩具の雄が世に送ったSFボートの異端児。


 現タカラトミーは、昭和35年に爆発的ヒット商品となった空気人形ダッコちゃんで有名なタカラと、プラレールやミニカーのトミカで有名なトミーが2006年に合併して出来上がった日本を代表する玩具メーカーです。
 その一方の雄であるトミー(TOMY)は、戦後間もなくの1924年に創業し、復興期の日本を玩具輸出で支えた会社でもありました。
 
玩具メーカーらしいブリキのおもちゃから、旅行に持ち歩ける小型のアナログゲーム玩具、プラレールやTOMIXのような列車トイやホビートレイン、電子ゲームや各種マスコミキャラクタートイなど、手広いフィールドで人気商品を出してきたメーカーですが、何と言っても我々モデラーにとっては中堅プラモデルメーカーとしてもシンパシーを感じる会社です。
 一時はMAX模型の金型を引き継ぎ、後にイタラエレイ(現イタレリ)とも提携して正統派スケールモデルメーカーとしても名を馳せましたが、同社の真骨頂はやはり動くプラモデルのギミックの妙と言えます。
 長く続くゾイドシリーズは、玩具とプラモデルの中間に位置し、ギアボックスからの単純なアウトプットを巧妙なリンク機構に繋げて、確実な歩行とプラスアルファな動きを実現しています。その完成度の高い歩行ギミックは、マルサンもニットーも凌駕し、一部のタミヤ「楽しい工作シリーズ」の歩行メカが追随するも、商品全体のキャラクタリスティックな魅力としてはゾイドを超えるものは無いとさえ言われます。ゾイド以外でも、かかとを上げてノッシノッシと疑似二足歩行をするズィーナイトも特筆すべき商品で、これが完成品玩具ではなく、組み立てプラモデルとして世に送られた事にトミーの方向性が色濃く出ていると言えましょう。
 一方動く完成品玩具にも、はたらく自動車「ビッグローダー」のような超絶ギミックを誇る商品もあります。
 これは逆転スイッチを持ったシンプルな車体がプラレールのような閉じた走路を前進後進する単純に見える仕掛けですが、コースを走るうちに何種類ものボディーが入れ替わり立ち代わり自動的にシャーシーに乗り替わり、土砂(に見立てた小さなボール)をホイールローダーがかき集めてホッパーに持ち上げ、それをダンプトラックが荷台で受け止め、あるいはバケットリフターが受け取ってホイールローダーに受け渡す…という一連の動作をエンドレスで続ける超絶ギミックのおもちゃで、基本形はそのままにコースや車輛のデザインを色々と変えながらロングランヒットを続ける商品です。
 そんなギミックにこだわるトミーが1970年代中期にリリースしたのがこの快速ジェット魚雷艇パンサーでした。
 1970年代中期・・・と若干曖昧な発売時期で書いたのは、日本プラモデル50年史のデータベースに載っておらず、該当する雑誌広告等の資料も手元にない為、使用モーターの表記「マブチRE−26」に頼るしかなかった為です。
 マブチのREモーターシリーズが、例えばRE−14からRE−140という3桁表記のナンバーに変わったのが1978年(松井康真著「タミヤの動くプラモデル大全」参照)で、魚雷艇パンサーが使用しているモーターがナンバリング変更前のRE−26である事。また、このキットのTOMYマークが、1975年頃から発売していたMAX模型由来の各種キットに使用されていた「三色旗TOMY」のものである事からの類推です。
 

SF快速ジェット魚雷艇パンサーの雄姿!
 
 動く模型愛好会の公開画像としては再掲となりますが、これがパンサーの完成品となります。
 時は1999年。動く模型愛好会に連綿と続く水ものオフ会(当時はツインスター・メーリングリスト、田宮模型歴史研究室、プラモデルの王国の、3ウェブサイト合同開催)の記念すべき第一回目水ものオフ会に登場した、助手さん作のジェットパンサーです。

 初めて買ったエアブラシを使い、泣きたくなる程苦労して(当時本人談)迷彩をマスキングして仕上げた力作です。
 日本で一番売れたと思われる田宮模型のセミスケール魚雷艇シリーズを見慣れた目には、如何にも巨大に見えたキットでした。
 

「パンサー」の貴重な内部画像。
 今回の企画で「俺パンサー」に挑戦しようとする人たちが一番気になるのが、この内部構造でしょう。これはあの第一回水ものオフ会から実に17年後の2016年のオフ会に、助手さんが再度「パンサー」を手掛けた時の制作途中の画像です。
 強力な
RE−26モーターを垂直に立て、噴流ケースの中でインペラを回して遠心力で飛ばした水をノズルに送り込む設計が良く分かります。 「パンサー」大きく深い船体とタッパの高いキャビンは、このモーターを立てて組み込む要請から生まれた独特のバランスだったんですね。

船体内部をほぼ真上から俯瞰した様子。

 こちらは同じく2016年にO-Show千住宿さんが製作中の「パンサー」です。
 上と同じようなアングルで恐縮ですが、こちらはほぼ真上から見や構図なので、電源が単三電池3本を使った4.5vである事が分かります。
 また、インペラユニットから実際の水ジェット噴出孔である船体後部の穴に向かってゴムのノズルが繋がっている様子も伺えます。
 ジェット噴出孔のモールドは3つありますが、実際に水が飛び出すのは真ん中の一つです。

 
 

助手さん制作の二代目「パンサー」。
 
 左の画像は助手さんの二代目「パンサー」の完成写真。
 パッケージイラストに忠実に倣って塗装した初代の迷彩塗装魚雷艇とは打って変わって、武装を外して田宮模型創立70周年を祝う記念艇として仕上げたもの。
 こうして見ると塗装を変えただけでガラっと見栄えが変わるのもメカ模型の楽しい所です。
 俺「パンサー」も、地味な軍艦色ではなく、こうした派手な民間ボートや、もっとド派手な未来型SF魚雷艇の塗装にするのも写真映えがしていいかもしれません。
 

「パンサー」の走行の様子。

 右の写真は、その助手さんの二代目「パンサー」の走行の様子です。
 
 
スクリュー走行じゃなしに、噴水模型のような機構で水を空中に噴き出して本当に船が走るのぉ?と疑っているアナタ、これがギミックプラモデルの王者トミーが世に送り出した快速ジェット魚雷艇の実力なんです!
 文字通り快速魚雷艇の名の通り、凄い勢いで水ジェットを噴き出しながら、軽快にすいすいと水ものオフ会の走行会場を走り回りました。
 大き目のモーターを縦位置に搭載しながらも、単三電池3本を船底にセットした大型体は、気持ち良いほどバランス良く走ります。
 

「パンサー」を追いかける近所の少年(笑)。

 あまりに楽しいショットなのでこれも再掲してしまいましょう!助手さんの二代目「パンサー」を楽しげに追いかける近所の少年です。
 水ものオフ会の会場となっている親水公園は、夏になると子供達の格好の遊び場にもなります。
 動く模型愛好会の会員はそういった近所のチビッコが通りかかると「一緒に遊ぼうぜ!」と声をかけて水もの模型を楽しんでもらっています。
 動く模型の楽しさを伝える事、それは次世代の模型少年を生み、やがてその中の何人かはそれがきっかけでエンジニアにもなるであろうと期待しています。

 
 
 さて、ここまでトミーの快速ジェット魚雷艇「パンサー」について紹介をさせて頂きましたが、皆さんはどんなインスパイアを得ましたか?
 これを機会にあなたも是非自分オリジナルの「パンサー」を作って、俺メカコンテストに参加してみませんか。
 

TOPページに戻る  2022年水ものオフ会案内ページに戻る