緑商会研究のページ

 



 我国のプラモデル業界は明治期にそのルーツを持つ模型飛行機の発展と共に基盤を作ってきました。その流れを汲む古いメーカーの一つにこの緑商会があります。同社の社長である草野次郎氏は我国プラモデルの黎明期の中にあって常に業界の重鎮として大きく貢献しました。

 大きな’M’のロゴの中に翼の生えた’KSN’のミドリのマークはおなじみですが、その’KSN’が一体何を指すのか疑問に思った人もいるかと思います。緑商会誕生の時期にその訳を知っていた方は少なくないでしょうが、一旦その時代を知る人達の繋がりが切れた後に、改めてその謂(いわ)れを解き明かしたのは日本の玩具研究、マルサン研究等で知られ、骨董玩具店「空想雑貨」の社長でもある神谷僚一氏でした。氏は温故知新のメーカー研究の中で、古い商標登録の資料中から、ミドリのマークに酷似した一つの商標を見つけます。それが他ならぬ翼の生えた’KSN’…ミドリの前身である草野商店の商標だったのです。神谷氏はその商標はKUSANOのK・S・Nを図案化したマークであると直感しました。

 所で同社はプラモデル業界に参入した時を同じくして「緑商会」と社名を変えましたが、その由来に関して「草の緑」からインスパイアされた名称であろうと推測するのが自然な感じですが、実はある方から入手した草野次郎氏のお身内の方の証言では、「草野の草から連想したのではなく、次郎氏本人が好きな色を社名にした」との事だそうです。

 さて、同社はスケールモデルとオリジナルSFプラモデルの2本立ての戦略を立てていましたが、中でもミドリが我国のオリジナルSFプラモデルのリーダーとしてあり続けた根底には、草野次郎氏のメカニズム対する造詣の深さを抜きには語れないと評されています。欧米に範をとってマルサン商店がスケールモデルとして先鞭を切った我国のプラモデルが、その後その発展期において、玩具としての動きの面白さを具現化する手段としてオリジナルSFというジャンルを確立した陰には、同社の精力的なキット開発の貢献がある事は言を待たないでしょう。少年の時期に同社のオリジナルSFキットに接し、その後20年30年を経た今日に至るも、同社のキットの強いインプレッションを忘れることの出来ない「模型少年」は少なくありません。総論としてキャラクターSFキットの比重が高かったイマイに較べ、自社オリジナルSFキットの戦略をメインに置いたミドリのSFキットは、好むと好まざるとに拘わらず、いやが上にもミドリカラーを色濃く漂わせていました。

 今は無き緑商会の栄光ある足跡をここに再現し、あらためて同社が我々に贈ってくれたプラモデルの楽しさを振りかえってみましょう。
 


キットの記述は以下の規則に則る。

@:カタログ、雑誌広告等で確認された中で最も早い発売時期に記載する。
A:発売時期がカタログで確定しないもの、あるいは明らかにカタログ記載以前に発売されていた証言がある物は、妥当と思われる時期に年号記載なしで記載する。

B:その他一部推定により類似シリーズと同じ発売年にしたものもある
C:新発売時期がほぼ特定できたもの(=この年に発売された)は☆印付き、カタログ等でとある年に発売事実が確認されたもの(=この年には発売されていた)は太字標記とする。
D:新発売時期の特定は次の規則で行う。
  ア.カタログ、雑誌広告、雑誌記事、文献等で新発売時期が確認できたもの。
  イ.n年のカタログに記載があるが、n−1年のカタログに記載がないもの。(但し明らかに再版品は除く)
  (注1:上記イ.の場合はカタログ作成時期により1年間の誤差が発生する可能性あり)

前述いずれも発売年が更に正確に特定出来次第随時改定する。

 
西暦(和暦) 会社の歩み(代表的キット、特記事項等)
1913年(大正2年)春  草野与一郎氏が東京中央区入船町にて模型飛行機小売商(草野商店?)を開業。後年模型飛行機用木製プロペラの製造に着手。
1922年(大正11年)  草野与一郎氏子息次郎氏(後の緑商会社長)家業の模型機プロペラ製造に従事。
1929年(昭和4年)  草野与一郎氏亡き後、子息次郎氏家業の模型機プロペラ製造を本格的に継承する。
1942年(昭和17年)  草野商店模型卸業を兼営する。
1944年(昭和19年)  2月、草野次郎氏埼玉県与野町に疎開。東京の営業所へ通う生活を開始。
 6月、次郎氏徴用。(同時にプロペラ製造業は休業?)
1947年(昭和22年)  2月、再上京。
1948年(昭和23年)  草野商店模型卸業再開。
1952年(昭和27年)  草野商店(木製)模型キットメーカーに転向。
1956年(昭和31年)  東京都科学模型教材協同組合設立。同組合の設立発起人15人の一人に(有)草野商店代表取締役・草野次郎氏が名を連ねる。
 草野次郎氏同理事として就任。(〜1961年)
1958年(昭和33年)  12月、マルサン商店より国産初のプラモデルが発売される。
1961年(昭和36年)  緑商会プラモデル業界参入。
 (このころ緑商会設立か?草野次郎氏は自著でこの年プラモデル業界参入としており、同年2月の『日本模型新聞』のとある商店の広告では取り扱い国産プラモデルメーカーの中に『緑商会』と明記してある。)

●KSNレーベル時代のキット
 「ダイハツ・ミゼットMP4」
 世界戦車シリーズNo.1「4式中戦車(チト)」
 戦斗機シリーズNo.1「ゼロ戦」         
 戦斗機シリーズNo.2「鐘馗」
 戦斗機シリーズNo.3「雷電」
 戦斗機シリーズNo.4「隼」
 戦斗機シリーズNo.5「疾風」
1962年(昭和37年) ●以降は全てミドリレーベルのキット
 「M−24軽戦車」
 「M−41ウォーカーブルドック」
 「M−19対空戦車」
 「60式自走砲」
1963年(昭和38年)  草野次郎氏、東京都科学模型教材協同組合顧問として就任。(〜68年、1971年〜1975年)
 同氏日本プラスチックモデル工業協同組合理事長として就任。(〜67年までは確認済み)

 ☆日本傑作戦闘機シリーズ「1/28零戦」
 ☆日本傑作戦闘機シリーズ「1/28飛燕」

 (以下『世界の単発戦闘機シリーズ』は、1961年記載の『戦斗機シリーズ』に外国機を含め、更に双発機シリーズを加えた上でシリーズ名称を整理改称したものと思われる。因みに『…単発機シリーズ』の1〜5は『戦斗機シリーズ』に同じ。)
 世界の単発戦闘機シリーズNo.6「紫電改」
 世界の単発戦闘機シリーズNo.7「コルセア」
 世界の単発戦闘機シリーズNo.8「97戦闘機」
 世界の単発戦闘機シリーズNo.9「ヘルキャット」
 (世界の単発戦闘機シリーズNo.10「ホッケウルフ」…発売未確認)
 世界の双発戦闘機シリーズNo.1「屠龍」
 世界の双発戦闘機シリーズNo.2「月光」
 世界の双発戦闘機シリーズNo.3「ロッキードP−38」
 世界の双発戦闘機シリーズNo.4「メッサーシュミット(Bf110)」
 世界の双発戦闘機シリーズNo.5「グラマンXP−50スカイロケット」
1964年(昭和39年)  優れた国産商品に与えられる通産大臣賞の中で、この年「歩くのらくろ上等兵」が最優秀商品として選ばれる。

 ☆歩くマンガシリーズ「少年忍者部隊月光」
 ☆歩くマンガシリーズ「サムソン」
 ☆歩くマンガシリーズ「鉄腕ボーイ」
 ☆歩くマンガシリーズ「のらくろ上等兵(大)」
 ☆歩くマンガシリーズ「マンモスキング」
 ☆動くマンガシリーズ「0戦太郎」
 ☆動くマンガシリーズ「赤同鈴之助」
 ☆動くマンガシリーズ「キングロボ」
 ☆動くマンガシリーズ「ブラックエース」
 ☆動くマンガシリーズ「のらくろ上等兵(小)」
 ☆動くマンガシリーズ「孫悟空」 
 「サンタクロース(オルゴール付き)」
 「サンタクロース」            
1965年(昭和40年)  レーシングカーシリーズ「フェラリー158」
 レーシングカーシリーズ「ホンダF−1レーサー64年型」
 レーシングカーシリーズ「ロータスフォード」
 レーシングカーシリーズ「アルファロメオカングーロ」
 クリヤーシリーズ「フォードコブラ」
 クリヤーシリーズ「ロータス30」
 自動車シリーズ「フェラリー250GTO/LM」
 自動車シリーズ「ジャガーEタイプ」
 自動車シリーズ「フォードGT」
 インスタントタンクシリーズ「パンサーG」
 インスタントタンクシリーズ「スターリンIII」
 インスタントタンクシリーズ「4連装対空戦車」
 インスタントタンクシリーズ「T−54」
 インスタントタンクシリーズ「パットンA6M5C」
 インスタントタンクシリーズ「3号突撃戦車」
 インスタントタンクシリーズ「タイガーII」
 ロボットシリーズ「ブラックサタン」
 ロボットシリーズ「ミサイルロボット」
 ロボットシリーズ「スチールジャイアント」
 ロボットシリーズ「コバルト3」
 ロボットシリーズ「ボナンザ7」
 潜水艦シリーズ「イ号171潜水艦」
 潜水艦シリーズ「ロ号55潜水艦」
 潜水艦シリーズ「ドイツUボート」
 潜水艦シリーズ「ミサイル潜水艦」
 魚雷艇シリーズ「PT−104」
 魚雷艇シリーズ「PT−707」
 ミゼット魚雷艇シリーズ「PT−3」
 ミゼット魚雷艇シリーズ「PT−9」
1966年(昭和41年)  ☆SFシリーズ:第1弾「ビートル2世」
 ☆SFシリーズ第2弾「エコー7」
 ☆SFシリーズ第3弾「キングモグラス」
 ☆怪獣シリーズNo.1「ゴレム」
 ☆怪獣シリーズNo.2「ガルネラ」
 ☆インスタントタンクシリーズ「M4シャーマン」
 ☆SF潜水艇シリーズ「オーロラ」
 ☆SF潜水艇シリーズ「スターライト」
 ☆ミゼット魚雷艇シリーズ「PT−8」
 ☆ミゼット魚雷艇シリーズ「PT−73」
 ☆「ゴールデン大和」
 ☆「戦艦大和」
 ☆「戦艦武蔵」
 ☆1/100ジェット機シリーズ「リパブリックF−105Dサンダーチーフ」
 ☆1/100ジェット機シリーズ「ロッキードF−104−Jスターファイター」
 ☆ミゼットGTシリーズ「フェラリー」
 ☆ミゼットGTシリーズ「フォードGT」
 ☆ミゼットGTシリーズ「フォードコブラ」
 ☆ミゼットGTシリーズ「アルファロメオ」
1967年(昭和42年)  全国の模型専門店が選出する「第1回モデル大賞」のテクニック賞に「ビートル2世」が、また同プロフィット賞に「キングモグラス」がノミネートされる。(いずれも賞の獲得は逃す)

 ☆宇宙大怪獣ギララ「ギララ(小)」
 ☆宇宙大怪獣ギララ「ギララ(大)」
 ☆宇宙大怪獣ギララ「アトミックアストロボート(小)」
 ☆宇宙大怪獣ギララ「アトミックアストロボート(大)」
 ☆ガンマー3号宇宙大作戦「宇宙ロケット」
 ☆宇宙パトロール戦車「バンガード」
 ☆地中戦車「ビッグモグラス」
 ☆宇宙戦車「アトラス」
 ☆宇宙戦車「スーパービートル」
 ☆宇宙探検車「スペースコマンド」
 ☆ロボットシリーズ「ワンダーロボ」
 ☆怪獣艇「スチールモンスター」

 ☆陸・海・空万能艇「マーキュリー」

 ☆陸・海・空万能艇「プラネット」

1968年(昭和43年)  ☆冒険少年シャダー「シャダー」
 ☆冒険少年シャダー「イオンカー」
 ☆冒険少年シャダー「剣」
 ☆冒険少年シャダー「ゴースター」
 ☆海底科学作戦「シービュー号」
 ☆海底科学作戦「シービュー号(大)」
 ☆海底大戦争「スティングレー」
 ☆海底大戦争「スティングレー(大)」
 ☆海底大戦争「メカニカルフィッシュ」
 「タイガーフィッシュ」
 ☆宇宙戦車「スコーピオン」
 ☆地中戦車「ジュニアモグラス」
 ☆ガンマー3号宇宙大作戦「宇宙船(大)」
 ☆ガンマー3号宇宙大作戦「ロケット戦車(小)」
 ☆ガンマー3号宇宙大作戦「ロケット戦車(大)」
 ☆SFベビーシリーズ「ベビーバンガード」
 ☆SFベビーシリーズ「ベビーエコー」
 ☆SFベビーシリーズ「ベビービートル」
 ☆SFベビーシリーズ「ベビーモグラス」
1969年(昭和44年)  ☆ガンマー3号宇宙大作戦「宇宙船(小)」
 ☆海底科学作戦「ベビーシービュー号」
 ☆海底科学作戦「ビッグシービュー号」
 ☆海底大戦争「ベビースティングレー」
 ☆海底大戦争「ビッグスティングレー」
 ☆巨人の惑星「スピンドリフト号(小)」
 ☆巨人の惑星「スピンドリフト号(大)」
 ☆「宇宙大作戦エンタープライズ(小)」
 ☆「宇宙大作戦エンタープライズ(ゼンマイ)」
 ☆「宇宙大作戦エンタープライズ(大)」
 ☆万能地中戦車「ウルトラモグラス(リモコン)」
 ☆万能地中戦車「ウルトラモグラス(ゼネコン)」
 ☆トーキングSF戦車「ビクトリー」
 ☆万能8輪探検車「スパイダー」

 水陸両用戦車「バラクーダ」
 海底戦車「スーパードラゴン」
 「スーパーアロー」
 ☆宇宙カー「クーガー」
 高速魚雷艇シリーズ「銀河」
 高速魚雷艇シリーズ「ブルーホーネット」
 ミゼット魚雷艇シリーズ「PT−73」
 ミゼット魚雷艇シリーズ「PT−8」

 ロボットシリーズ「タイガーロボ」
 インスタントタンクシリーズ「4式中戦車」
 インスタントタンクシリーズ「61式中戦車」
1970年(昭和45年)  ☆日本傑作戦闘機シリーズ「紫電改21型」
 ☆日本傑作戦闘機シリーズ「隼キ−43−乙」
 「幌馬車」(相原との共同企画)
 「駅馬車」(相原との共同企画)
 SF潜水艇「シーウルフ」
1973年(昭和48年)  クラシックカーシリーズ「1/24ベントレー・ブロア」
 クラシックカーシリーズ「1/24アルファ・ロメオ・グラン・スポルト」
 クラシックカーシリーズ「1/24チキチキバンバン」
 クラシックカーシリーズ「1/20イターラ・ペチノ・パリジ」
 クラシックカーシリーズ「1/16T型フォード」
 クラシックカーシリーズ「1/16ド・ディオン・ブートン」
 クラシックカーシリーズ「1/16ウーズレー」
 HOサイズ「D51蒸気機関車」
 ゴム動力機関車「豆機関車」
 ゴム動力機関車「C−62蒸気機関車」
 ゴム動力機関車「D−51蒸気機関車」
 1/288旅客機シリーズ「日航ジャンボ」
 1/288旅客機シリーズ「パンナムジャンボ」
 1/40装甲車シリーズ「サラディンMK1」
 1/40装甲車シリーズ「パンハルド」
 1/40装甲車シリーズ「ホーネット」
 1/40装甲車シリーズ「Sd.kfz222偵察装甲車」
 1/40装甲車シリーズ「Sd.kfz232六輪重装甲車」
 1/40装甲車シリーズ「Sd.kfz250/3無線指揮車」
 1/40装甲車シリーズ「Sd.kfz250/9軽装甲偵察車」
 1/40装甲車シリーズ「Sd.kfz250/10対戦車自走砲」
 インスタントタンクシリーズ「ヤクトパンサー」
 インスタントタンクシリーズ「AMX−30」
 ロボットシリーズ「ファイヤーマン」
 ロボットシリーズ「スターキングロボ」
 ヨットシリーズ「シーガル」
 ヨットシリーズ「スフィンクス」
 ヨットシリーズ「ネプチューン」
 「1/56スポーツクルーザー」
 ゴム動力ボート「シーホーク」
 ゴム動力ボート「マリーンメイト」
 「ドルフィン」
1974年(昭和49年)  「第8回モデル大賞」のフロンティア賞に「白鳥城(ノイシュバンシュタイン城)」が選ばれる。

 ☆「白鳥城(ノイシュバンシュタイン城)」
 ☆「白鳥城(ノイシュバンシュタイン城)デラックス」
1976年(昭和51年) チビコロけんせつシリーズ「SLくん」
チビコロけんせつシリーズ「ブルくん」
チビコロけんせつシリーズ「トラくん」
チビコロけんせつシリーズ「モグラくん」
ロボットシリーズ「アニマルボーイ」
ロボットシリーズ「スーパーボーイ」
ロボットシリーズ「ガッツマン」
ロボットシリーズ「ガイガーマン」
チビコロSFシリーズ「ガンマー5(ファイブ)」
チビコロSFシリーズ「スーパーシグマ」
チビコロSFシリーズ「スピンZ(ゼット)」
チビコロSFシリーズ「ダッシュ1(ワン)」
チビコロSFシリーズ「ベビーSF4点セット」


上記の他、日本の城シリーズ、ディスプレイケース等、別途追記予定。

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