皆皆様に多大な印象を残したE君についての、詳細なデータをお送りするコーナー それが「E君列伝」であります。
それでは、第3話スタート。
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前回までのあらすじ
南国というよりは北国を連想させるゾウさんを沖縄仕立てにしてしまう恐るべきEの策略によりすっかりやられキャラになったゾウさんに未来はあるのか?
<いじめ かっこ悪い>を人生のスローガンにするオレの救済活動が今始まる…。
* * *
あの日を境に変わったもの…
それは……人間、不幸の始まりなんて何時来るかわかったもんじゃないな。
あのときのゾウさんを見て思ったもんだ。そう あれは10月ぐらいだった…。
動いてなければ寒く、動くと暑い。
そんな気温ののどかな日。
事件は起こった。この季節になるとみんなTシャツの上にジャージを着るようになる。
一年生の俺たちは買ったばかりのジャージの保温力にただただ感心していた。オレ「いやー ジャージはいいねー あったけー」
E「ぐふふ ぐふふ いいなー 俺もほしいなー」
Tる「あれ Aなちゃんも まだ ジャージ買ってないの?」
Aな「うん 高いからさー でも 明日買うよ!」
K谷「ホント便利だよねー」
憲次「……」
こんな和んだ会話が続いてる時にゾウさんが来た。
ぞう「みんな早いねー」
すでに逆らうことは死を意味することを悟ったゾウさんはオレやEと仲良くなろうと必死に話し掛けてきた。
オレ&E「いやー 昨日はごめんごめん。まさかゾウさんのだとは思わなかったんだよ。ホントのねらいはK谷だったんだよ。本当にごめんね」
ぞう「いや 別に気にしてないからさ」
(いやー なんていい奴だ。
あんなことされても許してくれるなんて…。
おまけに性格も明るくていい奴っぽいぞ!
これからは仲良くやるか。)そう思っていたんだ… このときは…
* * *
練習が始まる
なぜかEがジャージを着ていたが気にすることは無い。
K谷が寒いだけでオレは寒くない。練習も激しくなると一人また一人とジャージを脱ぎだす。
結局、練習が終るころにはみんなジャージを脱いでいた。
俺たち二人を除いて…
みんなが練習に汗を流しているころ、オレとEはデザイナーになっていた。
最初に言っておくがオレは悪くない。
一番悪いのはジャージを脱いでしまったぞうさんで次に悪いのはそれを堂々とパクッてきたEが悪い。
オレが悪いとすれば部活に太ペンとハサミを持ってきてることぐらいだ。勘違いしないでくれ、オレがこんなグッズを持ってたのは、いつかこうなる日が来るだろうと予測していただけであって、Eの助けになればと思い持ってきてるだけなんだ。
俺は計画はするが実行はしない。
それがおれの人生哲学。
文句あっか!おもしろグッズとゾウさんの新品ジャージを手に俺らは壁打ち用のコンクリの裏に陣取った。
オレ「とりあえずはアレだな。 ゾウさんは太ってるから首周りがきつくて大変そうだ。 あれはかわいそうだね。 Eもそうおもうだろ」
E「だよねー」
ジョキリコ
ジョキリコ笑いながらEがジャージにハサミを入れる。
しかし そのシルエットはあまりオレ好みではなかった。
ただ単にジグザグに切る…。つまらない。
オレは考えた。
そしてオレ「Vネックなんてどうかなぁ?」
E「おしゃれだねぇー」
Eは会心の笑みと共に、すばやくはさみを動かす。
Vだった…
正にVだった。そのシルエットはオレのハートにぐっと来るもんがあった。
オレ「いいね いいね♪ かなりハイセンスでオシャレだよ!」
Eは得意げに、Vの字を目立たせようと黄色のふとペンでふちどりをしている。
正に悪魔のような奴だ…。チョーシに乗った俺らは止まらない。
次から次へと悪魔のひらめきが舞い降りてくる。
Eもカリスマ美容師になったかのようなテクを披露。そんなこんなの20分。
ついに完成したのが「Vネックジャージ」
その姿は見るものを虜にする。見事に黄色で縁取りされた、Vの字の首周り。
脇の汗も乾かせるための、赤で縁取られた大きな円形の穴。
これを見れば女もイチコロ。
だいたんオレンジで縁取られた乳首穴。
そして背中に大きな象の絵!完璧だ!
正直そう思った。しかしあまりの出来に、これをゾウさんに直接渡すことはためらいがあった。
悩んでいるとEが言った。E「十分楽しんだし、捨てちゃおーよ。」
そう言うとEは帰りに必ず通る道のごみ箱にジャージを捨て、何食わぬ顔で部活に戻った。
* * *
部活が終る。
みんなが着替えている時に異変に気付いたゾウさんが声をあげた。ぞう「俺のジャージがないんだけど、誰か知らない?」
みんな「しらねー」
必死に探すゾウさんに俺は耐え切れずに声をかけた。
オレ「先輩が間違って持ってったのかもしれないから、明日聞いてみればいいじゃん。こんだけ探してないんだから、今日は帰ろうよ。」
みんなが自分を待ってるのに気付いたゾウさんは、しぶしぶ帰ることに同意した。
しかしジャージはすぐに見つかった。
帰り道。
いつもは空のごみ箱に何か入っている。ジャージだ。
ゾウさんは走りよって手にとると、愕然とした。
みごとに変わり果てたジャージにはゾウさんの名前が書いてあった。
昼まではみんなと同じジャージだったのに、今では専用ジャージになっている。部活のみんなは大爆笑!
泣きそうになるゾウさん。
そこでEがとどめの一言E「乳首の穴がポイントです」
言われてから、もう一度ジャージを見ると、<フェロモーン>と赤ペンでかかれた横に乳首穴が…
犯人がEだと確信したゾウさんは、なんとEに殴りかかってきた。
(注:暴力はいけません)ばしゃーん
用水路に落ちるゾウさん。
殴りかかろうとした時に誰かに背中を押されたのだ。
(このときの犯人は未だ誰かはばれてない)そんなゾウさんのことはすぐに忘れる、僕たちはスト2の話をしながら帰っていった。
次の日… ゾウさんは部活には来なかった。
この日を境にゾウさんは明るい性格を失った…。オレはゾウさんと仲良くなろうなんて、この日からこれっぽっちも考えなかった。
だって ダサダサ君ジャン♪
次回<さらばゴクウ>
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いかがでしたか?
HATA様にいただいた「爽やか学園」、お楽しみいただけましたでしょうか?
あまりの過激な内容に、今まで封印していた「E君列伝3」です。
ますますエスカレートしていくHATA君の非人っぷり。学校での彼のあだ名は「カス野郎」です。
クソ虫街道を邁進するHATA君に、皆様からの暖かいエールを。
→ 外伝4
初出:2000/06/18
修正:2001/03/14