2 熱流計 Heat flux meter

 熱の流れを測ることは、材料の熱抵抗を測ったり、温度制御設備(部屋)などの断熱性能を知るのに必要です。 しかし、通常は発生(吸収)熱量のわかっている熱源を用いて熱平衡状態での熱の出入りの両端の温度を測りこれにより推定します。 しかし、例えば部屋などの断熱性能を測る場合、部屋の壁の各場所での熱の流れの違いを知ることはできません。 また、熱源の熱発生(吸収)から平衡状態(各部の温度が時間的に変化しなくなる状態)まで待つ必要がありますので、長い時間が必要となります。外気の温度が変化する時間が平衡状態になる時間に比べて短い場合には正確な測定は難しくなります。 

 熱流計はセンサを熱の流れの中に挿入し、この厚さ方向に流れる熱流束を測定する測定器です。 センサに流れる熱流が、これを入れる前の熱流、すなわち測りたい熱流に等しいことが望まれます。 センサを被測定対象に設置したとき、これまで存在した熱流に変化を与えます。変化を与えないのはセンサが均一な熱伝導率を持つ材料でのみ構成され、かつその熱伝導率がそれを囲む被測定対象物の値と等しい場合に限られます。 現実にはそのような場合はありえませんから、センサを流れる熱流測定値が、何を意味しているかを良く考える必要があります。

マグバン株式会社では熱流を出来るだけ正確に、かつ容易に測定できるようなセンサの構造と測定器 型番 HFM-2F-2T  を開発いたしました。  これは熱抵抗が小さく、面積が小さく、かつ、薄い板をセンサとし、これに対応した超高感度増幅器で構成されます。 また、被測定対象物の性質により最適なセンサ設置方法とそのときに予想される熱流測定誤差の評値方法などの技術資料を用意しております。

1 磁性体検知器 Magnetic article detector

鉄、ニッケル、磁性ステンレス鋼などの磁性体を検出する装置です。磁性体でない銅、アルミなどの非磁性金属や木材、プラスティックは検知しません。 

磁性体は地磁気の磁界を歪めることを利用し、この歪みを検出して磁性体の存在を知ることを原理とする装置であり、外部に電波などの検出するための信号を出しません。検出対象としては、海底に潜った潜水艦などかなり遠方にある磁性体から、縫い針などの小さな磁性体まで目的に応じてセンサが設計されます。 また、検出原理から、磁性体の検出範囲は大きく、かなり遠方から検出できるようにもなります。磁性体による地磁気の歪みは非常に小さく、かつ太陽風、電車、街を走る自動車などによる地磁気の変動の妨害を受けます。 

そのため検出には、単に高感度の磁気センサを作る技術だけではなく他に多くの工夫が必要となります。

当社はこれらについての豊富な知識、測定経験と検出ノウハウを用いて多種の磁性体検知器を作製しています。 その多くは注文製作ですが

標準化したものとして、M1101 MRI 用磁性体検知器があります。 これはMRI室に酸素ボンベなどの磁性体を持ち込んで起きる吸着事故等を防ぐための警報器です。赤外センサと組み合わせて標準化され多くの病院に設置されています。 

 

マグバン株式会社は、これまでにない原理で動作する製品を開発し他にない高性能の機器を生み出すことを目標としています。

設立 平成11(西暦1999) 41

本社・研究所 〒213-0015 川崎市高津区梶ヶ谷5-9-23

E-mail: magbang@dk.catv.ne.jp       Tel: 044-866-3304    Fax: 044-866-3319

 

業務 高感度磁気センサとその応用製品、電気的磁気シールド装置、超低雑音増幅器とその応用製品

以下に主な製品を記します。

3 電気的磁気シールド装置 Active shield

 低周波領域のシールドはパーマロイなどの強磁性体と銅などの良導体との積層構造等で覆った部屋が用いられます。しかし、これらの材料は非常に高価で重量も大きく、通常億円単位の建設費が必要なので特殊な用途に限られます。コストを下げるためパーマロイに替えて鉄を用い銅も簡単なもので実現する簡易型もありますがシールド性能は低下します。

マグバン株式会社では磁気センサを用いて、コイルに電流を流して発生する磁界を外部雑音磁界を打ち消すように制御し、より高性能なシールド効果を得る装置を開発しました。 これは二つのタイプがあります。

A  パーマロイなどの強磁性体と銅などの良導体との積層構造等で作られた高性能なシールドルームに、これを加え、シールドルームの外部雑音磁場による磁化を最小限にする制御を行うものです。 より高性能な低雑音磁場空間を実現するもので、内部で超電導SQUIDセンサなどを用いて高精度のNMR測定などを行うものです。 これらは研究所に設置されます。 産業技術総合研究所、上智大学などに設置されています。(シールドルームは竹中工務店が設置) 

B  シールドルームに期待せず、コイルによる外部雑音磁界を打ち消す制御を行うもので簡易型シールドルームの内部に設置します。これはAのように高価なシールドルームを必要としません。 主にMRI等の装置に適用が考えられます。 これは原理的には磁気センサを必要とする低雑音磁場空間に置く必要がありますが装置の性格上それはできません。(目的の測定そのものに擾乱を与える。)

従ってコイルの外側に置かれます。 このため外部雑音磁界発生源の磁気センサと低雑音磁場空間とに与える磁場が異なり正確な制御は非常に困難となります。また、複数の外部雑音磁界発生源に対応することも困難です。 このため外部雑音磁界発生源の調査やコイル電流の調整等が個々の装置に必要となりシールド効果もCase by case であり、それほど高く出来ません。