イバラード雑感
●戻る ・井上直久先生の「イバラード」をみたのはアニメ雑誌の月刊NewTypeに絵画の 手法が紹介されていた時だったと思います。そこには様々な色を散らした下地から、 段々と形がみえてきて最後は卵のある巣の絵になっていくまでの様子が紹介されていました ・「イバラード」を知るようになり、その世界を知ってゆくに連れて私の持っている 「Horse Island」と世界観(?)がとても似ていると感じるようになりました。 それからは、なにを描いても「イバラードのよう」な絵ばかり描くようになってしまい しばらく悩んだと思います。先生に初めてお会いした時にその事を伝えてみました。 先生は「真似はとてもいい」とおしゃってくれて、楽になったのを覚えています。 ・先生の絵は、ほとんど同じ雰囲気で描かれていて、知り合いがそのことを指摘していました。 いわく、自分は一つの画風だけで創作し続けることができないから、と。 たしかに画風はひとつのスタイルを維持しているけれども、描かれている内容は多種にわたって いることを思うと、先生にとって画風は絵を描く手段であって、むしろ固定された画風で 様々なイメージを形にしていくことに重点を置かれているのかなと私は思っています。 ・先生を見ていると私が絵に対していつも思っていることがその通りだと感じることがあります。 それは絵を描くのに絵だけ描いていてはだめということ。 絵100%の生活をして、それで良い絵が描けるかと言うと、そうでないことが多いので。 むしろ他の事が忙しく時間が無い中で描いた絵の方が良い出来だったりします。 それから絵以外の事に興味がないと、絵に「深み」がでないということ。 絵はいってみれば「嘘」のようなものだから、それを「本当」にするには作者の体験が必要なんですよね。 体験を通して描かれた絵は強い力を発します。 逆に空想のみの絵はやはり弱いですね。 「この世に存在しないもの」を描く時、必要なのは想像力と、それを支える様々な体験、体験から得た想い…。 先生の日記にはそれがつづられていて、どうしてイバラードが描かれるのかその様子がよくわかります。