ところが今朝、寝る前にふと自分の掲示板に目を通して、驚愕のあまりしばし硬直。
そこに書き込まれていた内容をにわかには信じられず、半信半疑でbk1のページを開き、トップページに表示されている「bk1ランキング(総合)」のコーナーに視線を移すと――。
、
bk1の週間書籍売り上げの
……………………。
………………。
…………。
……マジで?
SFコーナー内でのランキングじゃなくて、実用書とかその他もろもろの本もひっくるめた、総合で3位? し、しかもよく見れば、小説でランキング入りしてるのは、この本と「ハリーポッターと賢者の石」だけじゃないですか! それだけならばまだしも、「ハリーポッター」のランクは9位……。
ということは……。
bk1で
……ってことですよね? す、凄すぎる。自分で仕掛けておいて何ですが、まさかここまで売れるとは……。森山和道さんには「bk1じゃ高瀬さんの本より売れてますよ」とか言われちゃいましたけど、冗談じゃないですよ、私の本どころか、他の誰よりも売れているじゃないですか。こ、こんな怪物と比較しないで下さい!
などと冗談っぽく言ってみたりしつつも、自分がコラムで紹介した本がここまで売れてくれたとなると、やっぱり嬉しいです。最終的に何冊くらい売れたのか、おおよその数は企画終了後に教えて頂けることになっていますので、今後もしばらくはbk1に注目していて下さいね。
にしても先週だけの記録とはいえ、総合3位……。五代ゆう、恐るべし。
●上記の通り、五代さんの作品につきましては専用の掲示板が出来ました。とりあえず、原則ネタバレOKなので、作品について突っ込んだことを話したい方はぜひご利用下さいませ。今回の企画以前に「骨牌使いの鏡」をご購入済みだった方々も、この機会によかったらご感想などをお聞かせ下さいね。
●そういえば、西村博之さんも、紹介したい本がおありのようなので、とりあえずリンク、 リンク。
「自分だけのお気に入り」では満足できない一冊っていうのは、誰にでもあるのかもしれません。
……と、何だか今月の日記はすっかり広告系サイトと化してましたが、さすがにもう、私に出来るような事もなくなってきましたのでていうかもう余裕がないので、そろそろ自分の仕事に集中しなければ……。
とはいえ、この企画が成功したのはもちろん私だけの力ではなく、買って下さった皆様、そして企画を応援してリンクを張って下さったwebサイトの主催者の方々のおかげです。連日同じ言葉を繰り返してばかりで芸がありませんが、それでも、本当にありがとうございました。
実のところ今回の企画、皆さんが応援のリンクを張って下さることを、最初から期待していました。五代さんを応援している人、企画に興味を持ってくださった人、あとは単純にアホなことやってる私を憐れんでくれた人、リンクを張って下さった理由は人それぞれだと思いますが、中でもやはり、五代さんの本を読んだ事のある読書系webサイトの方々はいち早くリンクを張って下さり、リンクと一緒に熱い応援の言葉を添えて下さっているところが多かった事がとても印象的です。やっぱり、「もっと多くの人にこの本を読んでもらいたい」と思っていたのは私だけではなかったんですね。そうした方々がリンクを張って下されば、30冊は決して難しい数字ではなかろうと思っていました。とかいいつつ、実際に売り切るまでは、不安で不安で仕方がなかったということは秘密です。
売れ行きが好調なため、bk1ではこの本を追加注文した上で、コラムももう少し掲載しておいてくれるみたいです。まだ迷っておられる方、今日初めてこの企画を知った方、いらっしゃいましたら是非ともお買い上げ下さい。五代さんの本が、bk1で、異常なほど好調な売れ行きを示した――そうした「実績」が出せたなら、きっとこれから先、「出来ること」の幅が増えてくると思うんですね。五代さんも、bk1も、そしてもちろん、この企画を応援して下さった皆さんもです。とりあえず、今回の企画は以下の結果を残せたのですから。
読書系webサイトの方々が一斉にbk1へリンクを張り、企画コラムを盛り上げてくれた時、
値段の高い、ハードカバーの本格ファンタジーが四日間で30冊売れた
※ ※ ※
もちろん、「30冊」というのはごくささやかな数字です。いくら企画としては一定の成果を得たとはいえ、これだけでは何も変えられません。ですが、数字がここから少しずつ大きくなり、もっと話題になっていけば、そこから変わってくる何かがあるかもしれません。その可能性だけなら、かろうじて示せたのではないかと思います。それすらもまた、ごくささやかなものではありますが。
……それから、「30冊売りきりました」という報告を頂いた後、私も今回の記念にbk1で「骨牌使いの鏡」を一冊注文しました。既に持っている一冊と共に本棚に並べて、今回の企画に際して皆様が寄せて下さったご厚意を忘れないようにしようと思います。
最後に重ねてお礼を申し上げます、応援して下さった多くの皆様、本当にありがとうございました。
ちなみに、私自身はこうして自腹企画に挑戦するのはこれが最初で最後だと思いますが、bk1では「売れなかったら自腹買い取り」のリスクを背負ってでもこの本を売りたい――という熱意がある方には、今後も同様の企画をやってくださるかもしれないそうです(bk1、SF・科学書売場担当の森山和道さんの日記、10/23日を参照)。
埋もれさせたくないあの本、一人でも多くの人に読んで欲しいこの本、そんな一冊がございましたら挑戦されてみてはいかがでしょうか。
なお、以下は余談です。私が五代さんに、初めてお会いした時に交わした会話の一部。 私は五代さんに訊ねました。 「私は、ただ、ハッピーエンドが好きなだけなんです」 ただそれだけの想い、それだけがあの壮大な物語を描き、あの長大な物語に終止符を打てたのだと知ったとき、この本は私にとって生涯忘れられない一冊になりました。
ごく短いものですが、ある意味、強烈なネタバレであり、できれば「〈骨牌使い(フォーチュン・テラー)〉の鏡」を読了後にご覧頂きたいので背景色と同じ色で書きますね。読了された方々は、範囲指定で反転させてお読み下さい。
「どうしてあんなに重くて、胸が苦しくなるような切ない物語を描いて、しかもそれに安易な癒しを与える訳でもないのに、最後にその全てを肯定するような、そんな物語を書けるんですか?」と。
五代さんは、それを聞いて、何だか物凄く照れたような表情で、こう応えて下さいました。
●ところで、こうした企画の最中ではありますが、私の掲示板では割と多くの方から「オンライン書店はあまり使わない」という意見を伺っております。その理由としましては、
1、欲しい本は普通に近所の書店で買っているから、わざわざオンライン書店に頼らなくていい。手に入りづらい本も、とにかく見つかるまで普通の書店を巡り、そして大抵は見つけてしまう。
2、宅配便を受け取るのが不便。
3、単純に、普通の書店の雰囲気が好き。
……といったものが目に付きます。一番多かったのは1の意見ですね。これは当HPの掲示板では、ある意味当然の結果でしょう。何しろ、私の本を買って読んでいるくらい濃い読書人が集う掲示板ですから。
ただ、2番目の意見はともかく、1と3,これは「オンライン書店を使わない理由」というよりは、一般書店に対する好意の表明という感じがします。一般に、本が好きな方々はそれを扱っている書店も好きで、なおかつ本好きな方々が気に入る書店というのは在庫が充実しているので、欲しい本はそこで買えるんですよね。私も、お気に入りの本屋さんは何軒かありますし、特に買いたい本がなくてもぶらっと書店の棚を眺めに出掛けるなんてこともしょっちゅうです。また、私は東京都在住ですので、新刊なら大抵の本は問題なく近所で購入できますので、新刊をオンライン書店で購入するという事は滅多にありません。
それでは、私がどのような時にオンライン書店を利用するのかと言えば。
1、少し前に刊行された本が欲しくなり、しかもその本が行きつけの書店で発見できなかった場合。
2、都内の大型書店に出掛ければ買えるのは分かっているが、すぐに読む本ではないし、何となく出掛けるのが面倒だな、というとき。
大雑把に分けて、この二つの場合ですね。特に前者を重視しておりまして、私はオンライン書店を、入手困難な本を手に入れる手段として利用しております。これは多分、他の利用者の方々も同様ではないかと思いますし、一番基本的な利用法じゃないでしょうか。もしもオンライン書店がなかったら手に入らなかったに違いない、という本を買う度にその有り難さを実感しています。
しかし、何事も基本の上には応用があるというもの。ちょっと考えてみれば、オンライン書店で本を買いたくなる状況というのは、上記のような基本的なものだけではない、という事に気づくはず。地方や海外にお住まいの方々が本を買うため? いえいえ、それはまだまだ基本です。
そう、オンライン書店の利用法には、見られては困る、聞かれても困る、語られたらヤバイ――第三の状況があるのです。
ではその状況とはいったい――?
……いえ、ここでは敢えて多くを語りますまい。真実とは、与えられるものではなく、自らの手で掴むもの。「人はどのような時にオンライン書店で本を買うのか?」、この機会に皆さんも考えてみて下さい。あるいはこうした、 リンクの中に、 そのヒントが、 あるかもしれませんが――真実というのは人それぞれですから……。
未読の方は是非この機会にご購入を! 既読の方はどうか応援のリンクをお願い致します! この名作を、この機会に一人でも多くの方にお届けしようではありませんか! また、ごくごくささやかな試みではありますが、このような良くも悪くも「無茶な企画」が成功すれば、今までにない、オンライン書店だけが可能にするサービスの可能性が見えてくる――かもしれません。
いま、あなたの買った一冊が、オンライン書店の未来を変える!
こうしてお願いしても、どれだけ効果があるのかは分かりませんが、裁断される前に少しでも売れるように、最低限の努力はしておきたかったので。
ともあれ、昨今の出版情勢では新刊を出したとしても旧刊が再刊してもらえる見込みはかなり薄いので、次回作は旧作を読み返さなくても大丈夫なような構成にしなきゃアカンですね。
さ、続き書かないと。旧刊が入手できなくなった今、せめて新刊だけでもお届けできるようにしなければ。
「再受験生が教える医学部最短攻略法」(エール出版社/荒川英輔)
タイトルからもお分かり頂けると思いますが、小説ではなくて、大学受験のコツを紹介している本です。この本の作者さんと私は別に出版社絡みの知り合いでも何でもなくて、ネット上でひょんなことから知り合った間柄だったりします。ちなみに著者のHPはここ。日記が私のサイトよりも面白いです。
このHPをご覧の皆様の中に受験生の方がいらっしゃいましたら、ぜひぜひ読んでみて下さいませ。また、受験生が登場する小説をお書きの同業者の皆様にとっても、受験関連の参考資料としてお役に立つかもしれません。 bk1では「お取り寄せ」になってますが、注文したら一週間ほどで届きましたので、クロネコで注文するのと大差ないと思います。文章も読みやすいので、興味のある方はどうかご一読を。以上、宣伝でした。
……しかし、私も人様の本を宣伝してばかりいられるほど余裕のある身分じゃないので、もうちょっと自分の本が売れるように努力しなきゃ……。