会場では大勢の有名な作家さんや評論家の方、そして角川春樹社長にご挨拶させて頂きまして、とっても緊張しました。あと、会場には私にとって神にも等しい存在であらせられる富野由悠季さんもいらしたのですが、さすがにご挨拶をする勇気は出ませんでした……。大森望さんや、編集の方には「ご紹介しましょうか?」と言って頂いたんですが、畏れ多くて近寄れないです……。その代わり、遠くからじーっと眺めてましたけど。<とても失礼です。
そうそう、作家さんの中では五代ゆうさんにもお会いしたんですが、五代さんは現在、左手の指を薬指を粉砕骨折されてまして、とても痛々しいお姿。これはすなわち、「次回作を粉骨砕身の心意気で執筆します!」という意味の身体を張った小ネタ決意表明に他ならず、創作にかける五代さんの並々ならぬ熱意に思わず目頭が熱くなってしまう私でした。
ただ、それにしても 必要以上に痛そうな感じだったので、次からはもうちょっと別の方向で意気込みを表明された方がいいんじゃないかなー、とちょっぴり思わないでもなかったのですがそれは秘密です。一刻も早いご快復をお祈りいたしております……>五代さん
とはいえ、私も今のうちに次回作をもうちょっと書き進めないといけません。五代さんの意気込みを見習って、執筆に励みたいと思います。骨は砕きませんが。
●ドラクエ、とりあえずクリアしました。噂によれば裏ボスなどもいるらしいですが、キリがないのでもうこれで終了。長かった……。パラディンの「しんくう波」があんなに強いと知ってれば、序盤で習得させておくべきだった……。
●気がつけば西村博之さんのHPで、トップの画像が『カラミティナイト』のヒロインの一人、優子になっていてびっくり。ていうかめちゃめちゃ感激。ありがとうございます〜――って、いえ、別に私のために描いて下さったわけじゃないでしょうけど、それでも嬉しすぎ。どれくらい嬉しかったのかと言えば、それはもう、我が心のロボットであるところの、ガンダムの壁紙(注:頭部と片腕が壊れた状態で、頭上にビームライフルを撃っている姿)を押しのけて新たな壁紙に使用しているほどでございます。
なお、上の記述を見て 「そ、それほどまでに嬉しかったのか!」と思うあなたはガンダマー、「……そんな例えじゃ、どのくらい嬉しかったのかイマイチ分からないなあ」と思うあなたは普通の人。「いかに嬉しかったとはいえ、あの名場面を外すとはなんたることか!」と怒るあなたはガンダム右翼。
そしてもちろん当HPは普通の人がメインの読者(推定)なので全然問題ナシ! わーい!
担当氏:「高瀬さん、『カラミティナイト』の売れ行き、かなり好調ですよ。このペースで、あともう少し売れてくれれば重版もいけるかもしれないです」
わたくし:「え!? 本当ですか!?」
担当氏:「ええ、特に大型の書店での売れ行きは絶好調でして、あとは小さめの書店での売れ行きがもう少し伸びれば……というところでしょうか」
うーん、それは私も感じてたんですよね。都内の大型書店は沢山見て廻ったんですが、私の新刊を始めとした今月のハルキ文庫の新刊は、ライトノベル系の平台に置かれている大型書店だと見るからに売れ行きがいいみたいなんですが、反面、いつも通りのハルキ文庫のスペースに置かれていたりすると、かなりキツイなって印象を受けるんです。そりゃまあ、そうですよね。だって、この表紙がですよ、文春文庫とか幻冬舎文庫の横に置かれていても、そりゃ手にとってくれる人は少ないでしょう。読者層、違い過ぎ。
それでも、小さい書店だと入荷冊数が少ないせいか、わざわざ今月の新刊だけ配置を変えてくれるような書店は少数のようでして……。入荷数に関しては流通の問題とかもありますし、書店側の責任ではないんでしょうけど、配置に関しては歯がゆいなあ……。
まあ、ミステリ小説が中心の講談社ノベルスで、スペースオペラとか巨大ロボット物を書いてる私ですから、場違いな雰囲気には慣れっこではありますが、さすがに重版が目前となると冷静ではいられません。ていかハッキリ言って現在わたくしはのたうち回っております。 うがあああああ、重版、重版重版重版ー! お願いです、未読の方、どうか「カラミティナイト」を買ってください、あなたの街の最寄りの書店で、もしくは例によって bk1で! いまならまだ送料手数料はタダ、しかも24時間以内に発送可能な状態です! 買ってください、お願いしますお願いしますお願いします……。
担当氏:「そういう訳で、営業の方からも早く『カラミティ』の続編が欲しいと言われておりますので、できれば講談社さんの原稿も急いで仕上げて頂きたいんですが……」
わたくし:「は、はあ、分かりました」
……そうですね、僕の方でもシリーズを売るために出来るだけのことはしないと。気合い入れて仕事すっか。
たとえばある日、ふと郵便受けに目を向けると、そこには京極夏彦さんから直筆の招待状が届いていて、銀座で開催されている「京極夏彦の世界 百怪図譜−リトグラフ展−」の開催を記念して行われるワインパーティにご招待して頂いたりとか――って、ちょっとそれマジデスカー!?<マジでした
私と京極さんは講談社で担当の編集氏が同じ人、というただそれだけのことがご縁で幾度かお会いしたことがありまして、私のHPに掲載されているイラストなんかもそんなご縁がきっかけで頂いたものなんですね。ただ、京極さんのお知り合いはミステリ作家さんがほとんどでして、面識もジャンル的な接点もない私などが会場に居ても一人ぽつんと所在なげに佇むことになるのは目に見えています。でも、有名な作家さんが大勢集まる会場の雰囲気はミーハー的には超おいしいイベントなので、行かないという手はありません。だって京極さんはもちろん、宮部みゆきさんとか貫井徳郎さんとか北村薫さんとかが目の前で見られるんですよ? 行くしかないでしょう!
とはいえ、どうせ行くなら誰か話し相手が欲しいなー、とも思ったので、私の数少ない知り合いの作家さんである、鷹野祐希さんをお誘いしてみることにしました。
わたくし:「あー、鷹野さん。かくかくしかじかで京極さんにお会い出来ますけど、一緒に行きません?」
鷹野さん:「え!? 京極さんにお会い出来るんですか!――行きます!」
わたくし:「そ、そうですか、でも鷹野さん、お怪我の具合は……?(注:鷹野さんは少し前に左足を亀裂骨折されています)」
鷹野さん:「大丈夫です! 治らなくても行きます!」
わたくし:「そ、そうですか。あ、でも、鷹野さんお仕事の方は……?(注:鷹野さんは現在、修羅場です)」
鷹野さん:「その日までにある程度の枚数をきっちり仕上げます!」
わたくし:「そ、そうですか。それじゃ会場でお会いしましょう」
……と、だいたいこんな感じのメールのやり取りをして(注:ほんの少しだけ脚色してます)、私たちは会場で待ち合わせることに。鷹野さんの行動力って凄いな、と思いました。
で、「リトグラフ展」の会場に到着した私は展示された京極さん入魂の妖怪リトグラフを眺め、鷹野さんを京極さんにご紹介し、それからワインパーティの開演前には講談社の担当氏ともお会いして、主にお互いのドラクエの進み具合について語り合ったりして来ました。
そのついでに、
わたくし:「あ……それで、次回作なんですけど、本当に『女王様』で、いいですか?」
担当氏:「うん、いいですよ」
という素晴らしく濃縮された打ち合わせも済ませましたので、シリーズ再開を待っていて下さる皆さんは安心して下さいね。<何だか不安です
なお、パーティが始まった後は、有名作家さんが近くを通るたびに鷹野さんと一緒になって「ああ! あの人は――!」と小声で囁き合い、ミーハー根性丸出しで雰囲気を楽しんできましたです。まさか会場に俳優の佐野史郎まで現れるとは思わなかったなあ……。同じ会場に自分がいるのが信じられませんでしたよ……。
そんな訳で、ミーハー的に楽しい一日を過ごし、今日はとっても有意義な一日でした。
でも、初日にしては山の減り具合が好調のようで、この調子で連休中も売れ続けてくれれば――という期待というか、手応えのようなものを感じられたのが嬉しかったです。今だから言いますが、「羅刹兵」の発売当時はあまり減っていない本の山を見て、悄然と帰宅したので……。
ただ、書店によっては全然減ってないところもあったので、楽観視は出来ないですが。店内の何処に本が置かれるかで、同じ地域の書店でも売れ方が全然違ったりするのが、多くの書店を廻ってよく分かりました。そしてどの書店でも、電撃文庫はいい場所に置かれてますねえ……。
ともあれ、連休が明けたら、また見に行ってみようと思います。売れますように、売れますように、売れますように……。
ということは……。
もしかして「9月の執筆陣には、同時刊行の他の作家さんの本も一緒に届けられる」=「他の作家の本が揃わないと送れない」ということであり、ようするに私の本が遅れてるせいで他の作家さんへの発送が遅れているのでは……? 私だけ先に送られてきたのは、ようするに揃ってない本が自分の本だったからということだったり……?
………………。
………………。
………………。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい、生まれてきてすみません、とほほ、何だか今日は昼間っから酒がうまいや……。
あと、もうひとつびっくりしたのは、何でも私の新刊を bk1で予約した方々には、すでに配達が始まっているらしいということ。書店に並ぶより早く届くなんて驚き。著者である私ですらまだ本になったものは見てないというのに(注:これもマジ)。先行予約で買って下さった方々というのは、それだけ期待してくれていた方々ということでしょうから、その期待に応えられていればいいのですが……。
……とかなんとか考えているうちに、ドラクエはディスク2に突入。 うなれ、ばくれつけん!
わたくし:「あー、高瀬です。ハルキ文庫の書き下ろし、何とか間に合いました!」
担当氏:「おお、おめでとう。何だか大変だったみたいだね」
わたくし:「ええ、何しろ再校ゲラを出したのが8月28日でしたから」
担当氏:「28日って――え、ちょっと待ちなよ高瀬くん、その新作の刊行っていつだっけ?」
わたくし:「今月の14日ですけど……」
担当氏:「……そりゃ大変だっただろうなあ……(注:しみじみと)。君じゃなくて、校正さんと印刷所の人たちが」
わたくし:「あ、いえ、それでも一応間に合いましたから――」
担当氏:「いくら間に合ったって……あのねえ、他社で初めて請け負った仕事でいきなりそんなキツキツのスケジュールでどうするんだ。そういうのじゃ駄目だってあれほど言ったのにまったく――(注:以下、数分間に渡ってハルキ文庫での仕事ぶりを講談社の担当氏にお説教される。その間、私は謝りまくり)、でもまあ、見た感じだと他のラインナップも凄そうだし、話題になるといいねえ」
わたくし:「(……ホッ)、ええ、本当、そうなるといいんですけど。それじゃ、またよろしくお願いしますー」
……こうして電話を終え、「もうちょっと、怒られないで済むような仕事っぷりを身につけないと駄目だなあ」としみじみ思う、作家生活五年目の秋。
あ、それからぼちぼち新作も書き始めています。実のところ、長期中断してしまった「女王様」を再開するまえに、少しでも話題作りをしなきゃならんという事で「カラミティナイト」を書き上げたわけだったりするので、早いところ「女王様」を再開しないことにはその意味が全然なくなっってしまいますからね。
覚えてくれてる人がいるうちに、なんとかしないと。
●先月末から日記と掲示板で「 bk1で予約して下さい!」としつこいくらいに繰り返してきた私ですが、その甲斐あってか「カラミティナイト」は今週のSFコーナー売り上げランキングで6位に入ってました。予約して下さった皆様、本当にありがとうございます!
実は、このランキングが気になって気になって仕方がなかったので、何度もお願いしてた訳なんですね。ま、アクセス数から推測されるこのHPの宣伝効果を考えれば、これ以上しつこくわめいてもあまり意味はないっていうか見苦しいだけという感じがするので、あとは一般書店での売り上げに期待することにします。売れてくれますように……。
●「ドラクエ」は現在、同じ一日を延々繰り返している村に到着したところ。主人公が武闘家、マリベルが盗賊、ガボが僧侶に転職してるんですが、ちと攻撃力に欠けるパーティって感じですね。この村のボスキャラに挑んではみたものの、あっけなく全滅させられてしまいました。うーん、やはり格闘系のキャラは二人いないとつらいかな。
ていうか、早いとこクリアしないと、後のスケジュールがつらいかな。
●私は先月引っ越しする際、引っ越しやさんにお願いして不要になった家具や電化製品を大量に処分してもらいました。仮住まいの間は部屋も狭くなりますし、良い機会だから「いつか使うかもしれないから」という理由でとっておいた普段使わないものはきれいサッパリ捨ててしまおうと思ったんですね。そんな訳で身の回りの荷物を整理してから仮住まいに移った私なのですが、引っ越しも終わり、PCを部屋にセットし、それから数日。何事もなく日々を過ごすうちに、ふと、何かが足りないような気が……。
しかしながら、PC本体、ディスプレイ、プリンター、ケーブルモデムと、私が普段ネットや執筆をする際に必要なものは全て揃ってるので、「まあ、気のせいか」と深く考えずに最近まで過ごしてきたのですが――このあいだ、新作のイラストをアップする際に何が足りないのかようやく気づき、青ざめましたよ。
カ、カ、カ……
カラースキャナーがないっ!! どこにもないぃぃ!
……どうやら、引っ越しの時、私が面倒くさがって「あー、この部屋の荷物はこれとこれ以外、全部捨てちゃって下さい」などという大雑把な指示を運送屋さんに出しただけで、後はぐうたらしていたのがいけなかったらしく、買ってから半年そこそこで取り込んだ画像枚数も大したことないカラースキャナーは私の指示通り廃棄処分に。た、高かったのに……。これからもたまに使うかもしれなかったのに……。バカバカ! 俺のバカー!!
なお、本日の日記はもちろん実話なので、とりあえず酒飲んで寝るというお決まりのパターンでその事実から目を背けつつ おやすみなさい。とほほ……。