being an INSIDE STaFF

01/11/09

NBAまにあ


ウワアアアン 皆さん御承知の通り、私は01年11月現在TBS系でNBA関連の放送を手伝う学生バイトです。学生バイトっつーのは呑気なもので、自分の立場関係なしで色んなことが言えるわけですよ。更にフツーのバイトではなく、この御時世にあってすら特殊技能扱いを受ける翻訳担当ですからカナリ色んなことに頭突っ込めるわけですよ。んで、今年入社で歳が近い人達もいたりするNBA関連なんでかなり多くの裏バナを仕入れる事も出来ました。今回は、特に印象深く、また皆さんにも馴染みのある「NBAまにあ」を斬る事にしました。


「NBAまにあ」。これは今季の番組タイトルです。確か昨シーズンは「NBAマニア」でした。さらに一昔前は「NBA mania」でした。はたしてコレは何を意味するのか。また、何を意味するかがこの時点でサッパリ分からない人たちも、この「6ch.金曜深夜枠」が今季は大幅にリニューアルされ、内容がほぼ全面的に変更になった事くらいは、見ている人なら分かると思います。そしてこの濃厚な辺境サイトを訪れる方々なら、その大半は今回のNBAまにあをヘド吐きながら見ている人と存じ上げます。

エッ・・・ さて本題です。名称が中途半端に変わるその理由、内容はそれに見合わず大幅に変更になったその理由、を聞いた範囲でしか話せませんが、読みたい人は読んで下さい。読みたくない奴はスキニシテ。この、NBAと全く関係のない、ある意味対極に存する人々が今回の「NBAまにあ」には多く登場します。その彼らとは吉本興業。また、本来なら英語が堪能でかつNBAにもそれなりの興味を持っていた美女・醜女レポーター達、今回は名前も知らないグラビア系アイドルがその場に鎮座しております。彼ら・彼女らが繰り出すのは以前のバンタム級NBAトークではなく、ましてはヘビー級などとは口が裂けても言えないアホ度の高い深夜トークに他なりません。また、番組ナレーションもNBAの断層を調べるようなものではなく、どちらかと言えば水槽の中の金魚を眺めるようなスタンスで進みます。選手を顔で判断し、取り上げるチームはレイカ、シクサとウィズだけ。日本に住んで民放しか見れない人は恐らくヴィンス・マグレ・レイアレン・フィンリ・KG辺りはテロに遭って死んだモノと思えるかもしれませんね。しかしココでは敢えて今回この番組の方向性を小1時間問い詰めるよーな事はしません。あくまで「事実」とその裏となる「現実」を忠実にお伝えする報道ドキュメンタリー番組です。

      ,一-、
     / ̄ l |   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    ■■-っ < 一旦CM入りま〜す  
    ´∀`/    \__________
   __/|Y/\.
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     | У..  |


アッ・・・ September 11th, 2001.NYでビジネスアワーが始まりを見せる頃、その悲劇は起こった。先月においては炭疽菌の恐怖も重なり、そしてそれはあらゆる経済活動を阻害することとなった。NBAの世界にあって、まず最初の被害は「アメリカ国外で行われるNBAプレシーズンゲーム等は全て中止する」というものだった。これによってレイカーズvsウォリアーズのジャパンゲームは露と消え、ジャパゲを当てにしていたファンならびにメディア・協賛各社は犠牲を強いられる事になった。その中で「NBAまにあ」は何故か開幕1週間前に復活をみせた。その前週に予定されていたジャパンゲームの内容を伝えるためだったと思われる。番組スタッフや事務所からの派遣契約によってレポーターになるべきはずの女性陣は旅客機テロの現場である「NYC」での開幕戦、そして現在解明が待たれる「メディア」を狙う炭疽菌テロを誰もが敬遠し、結果として、ではあるが番組内容自体が「当初の予定よりも」大幅な変更を余儀なくされる事となった。当初の予定とは何か。そもそもの始まりをお伝えしましょう。

アヒャーヒャッヒャ デイビッド・スターン・コミッショナーの構想により、グローバルな展開を推し進めるNBAは、その収益源の確保拡充に走るようになった。NBAファイナルやオールスターは世界100カ国以上で放送されるようになったのも、新たなファンを獲得すると共に、ワイドな浸透を図る為である。日本はその中でも主要なターゲットと目され、アメリカ・カナダ以外でシーズンゲームを隔年開催する唯一の国である。1990年代に入ってからはMJの黄金期と共にドリーム・チームが結成され、更に井上雄彦氏による「SLAM DUNK」も人気を博し第一次バスケブームが日本を席巻した。世界を見ても欧州地域では完全にバスケが根付いたと言っても良いだろう。

数多の欧州出身プレーヤーがNBA入りを果たし、後進へ路を作った今、ヨーロピアン・プレーヤーなどという呼称は既に死語化している。しかし、残念ながらアジア地域、特に日本はバスケをプレーする面では完全に遅れをとり、10年先でも日本人スタープレーヤーが誕生する可能性は危うい。NBAの人気とバスケのレベルは必ずしも比例しないのである。この事態を招いたのはメディア、とりわけTVの責任に因る所が大きいと私は言いたい。無論、私達プレーヤーにも責任はあるし、ビジネスの世界でスポンサーが付かない事になれば事業は進まない事も分かる。しかし、日本で放送されるNBAの試合を担当する人々は「バスケ」や「放送」に関してはプロであったとしても、「NBA」に関してプロであるとは決して言えない。にも拘わらずあくまでNBA素人の「JBLの監督」や「元JBLプレーヤー」等に放送の最重要課題である「視聴者への明快なアプローチ」を任せてきたのは明らかな失態だと言って良い。それはスポーツを見る人の視点とスポーツをする人の視点が同じではないからである。この事は皆さんなら至極当然に分かっていらっしゃる事と思う。

コイツは高2の夏から留学すべきだった 一般に知られている選手はせいぜいMJ、その後マジック・シャック・アイバ・コービー・ヴィンス辺りまで続けば上出来、これが日本のNBAそしてバスケ浸透度である。野球やサッカーのようにグローバル・ステージで活躍している分かり易い選手がいないため、視聴者の絶対数は他のスポーツ番組に比べて極めて少ないのが現状である。しかし、NBAが配給する一週間のハイライトビデオクリップは1本の単価が百万円以上。本格的なブロードバンド時代を迎え、CSも普及した今となっては、不人気スポーツの1週間遅れハイライトなぞ誰が大枚払って購入するだろうか。TBSは今までのマニア向け路線から脱却せざるを得なかった。新たな視聴者を獲得し浸透させる最も効果的な作戦の模索である。そして、番組の性質上、更なる低予算化を図らねばならない。通常なら、金曜の深夜にテレビを見ようとする人は少ない。その中で放送権やスポンサーの確保などシビアな競争に勝たなければならない。出た答えが今回の「NBAまにあ」だった。

スタジオは限りなく狭く、軽妙で止めどない吉本芸人とグラビアアイドルによるトーク。そこから苦労して編集したバスケの話題。ジョーダン・ウィザーズ、シャック&コービーのレイカーズ・そしてA.I.のシクサーズ。NBAを3チームに凝縮し、ダウンコストされたハイライトを見せつけられる。寧ろ、今までのNBA WeeklyやNBAマニア期とは完全なる別番組である。それでもなぜ執拗に「えぬびーえーまにあ」と言うタイトルに拘るのか。それは、NBAのガイドラインに因るものだった。今までずっと「nba mania」というタイトルの番組だと言って色々な審査を潜り抜けて「動くNBA」を提供してきたTBSだが、同時多発テロの影響もあってか、新参の番組に対するNBA側の審査がかなり厳しくなったせいで、別名称にして審査を待つ余裕がなかった、と言うのが実際の所らしい。それでお茶を濁すような形の名称変更となったわけだが、今までのスタンスで見るととても見るに耐えないNBA番組と言える。事実、初回の放送後は200件近いクレームが寄せられたそうだ。20代以上の90%がクレーム関係だったらしい。しかし、10代、とりわけ10代前半の視聴者からは好意的な感想が多くを占めたのもまた事実らしい。その多くはNBAを見る、という感覚で「NBAまにあ」を見ている訳ではない。「カワイイ」「カッコイイ」「面白い」が判断基準だからだ。1回一緒に翻訳を担当したNBA素人のオネーサンは休憩時間に笑いながら見入っていた。皆も、見る時は肩の力を抜いてみる事をお奨めする。決して番組自体はお奨めできる内容ではないのだが、「お笑い深夜番組(NBA)」として見て欲しい、と言うのが現場サイドからのメッセージである。

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以上、現場に近いところからAxxesがお送り致しました。
かなり長くなってしまい読み苦しい所があるかとも思いますが
こっちもボランティアでやってんだから見逃せや。な。コロスゾ。
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