訪問先リスト(1999年)
名称
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交通
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価格
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ポイント
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麻布浄苑
(曹洞宗・伝燈院)
東京都港区元麻布2-5-8
.0120-767-668
麻布浄苑」HP |
営団地下鉄日比谷線広尾/六本木駅下車徒歩15分
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Cタイプ:150万円3霊 小観音像3像
年間管理費3000円
Bタイプ:120万円2霊 小観音像2像
年間管理費
Aタイプ:75万円1霊 小観音像1像
年間管理費
観音墓:>35万円1霊 小観音像1像
以下年間管理費無料
合祀墓:25万円 1霊
分骨墓:15万円 小観音像1像
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・宗旨・宗派は問わず
・本堂等がなく、シンプル
・現代的で明るい施設・納骨・ロッカー内を自由に装飾できる
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縁の会
(曹洞宗・東長寺)
東京都新宿区四谷4-34
пD03-3353-6874
「縁の会」HPへ
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営団地下鉄丸の内線四谷3丁目駅徒歩7〜8分
都営地下鉄新宿線曙橋駅下車徒歩7〜8分
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費用一式
(個人墓/戒名/納骨式/永代供養/会運営費すべてを含む:ローンも可)
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・生前・個人墓のコンセプトを世に出した
・宗旨・宗派は問わず
・曹洞宗の戒名をつける
・入会時の支払以外一切無料
・月一回の一日法要に自由に参加可(無料)
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寂円寺「寂光廟」
(浄土真宗・功徳院)
文京区白山4-37-30
.03-3941-1791
「寂光廟」HPへ
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都営地下鉄三田線
千石駅徒歩10分JR水道橋駅下車
徒歩10分
バス:「白山5丁目」徒歩4分
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・生前契約45万円
・ご遺骨1体:50万円
・ご夫婦(2人):120万円
・合祀(散骨):20万円
ほかに家族用もあり
永代使用料・永代供養料・墓誌刻名料・管理費・会費を含む
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・真言宗に改宗の必要あり
・大きな納骨ロッカー
・近代的で明るい施設
・年間管理費は不要
・契約者は他施設の使用自由
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すがも平和霊苑
(高野山/真言宗)
東京都豊島区巣鴨5−35−37
.03-3949-4600
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JR山の手線巣鴨駅徒歩10分
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もやいの会:A会員(一般会員)/B会員(遺骨の埋蔵を希望する会員)入会金1口1万円(1口以上)
会費:年間2000円
遺骨埋蔵と維持費:1体10万円(Bのみ)
遺骨の引取りは別途/寄付は任意>
飛天塚(永代供養合祀墓):1体70万円
(税込み)
永代使用料・永代管理費・永代供養料を含む。希望により墓誌石が選べる(別途料金)
追加納骨は1体10万円
年間の管理費は不要
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・宗旨・宗派は問わず
・巣鴨に墓を持つステータス
・24時間いつでも参拝可能
・年間管理費は不要
・生前契約者れる
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東光山妙法寺
<おおくら大仏>
(日蓮宗)
世田谷区大蔵5-12-3
.3411-8080
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小田急線成城学園駅徒歩20分
小田急・東急バス成城学園〜渋谷「東宝前」下車徒歩1分
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室内墓所
1人用45万円(年間管理費2500円)
2人用80万円(年間管理費5000円)
墓所一基:300万円〜
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・宗旨・宗派は問わず
・参拝の際の演出に凝っている
・大きな観音像が目印
・美しい庭園
・ペット用墓所が隣接
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●個人墓訪問リポート
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●麻布浄苑
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「麻布浄苑」パンフレットより
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広尾と六本木をつなぐ通称テレ朝通りのほぼ真ん中あたりをちょっと奥に入った所。大使館やマンションが立ち並ぶ中にも寺院が点在する元麻布。エキゾチックな大使館を横目に坂を下りきり、ほっと息をつきたくなるポイントにある麻布浄苑。出来て3年というだけあり、新しい苑内には、いわゆる「お寺」の姿はない。
その代わり、入口を向いて開かれた観音堂が目立ち、吸い込まれるように中に入ってしまう。
観音像の背景にはハチの巣のようにおよそ4000ほどの棚が設えてあり、名札の入った棚には高さ10pほどの小さな観音像が置かれている。木製の観音像の台座は分骨した骨が入れられるようになっており、まだお元気な方の名は朱書き、戒名の書かれた名札もあれば、俗名も多く見られる。
宗旨・宗教の別なく受け容れるこの浄苑の本山は石川県。ここは数年前は駐車場であったらしい。
観音像前には花が生けられ、護摩や線香が用意されている。
管理事務室横の階段を降りると、法要のためのスペース、座禅堂、納骨ロッカーがあり、如何にも現代的に快適な空間となっている。納骨のロッカーはA〜Cタイプがあり、他にも供養のタイプは用意されている。
「いくら心配でも、お年を召した親御さんに子供から『そろそろお墓の事考えない?』とは切り出せない。子供に面倒みてもらわなくていいと考えて、ご自分で最期の住まいを探されて契約する方は多いですよ。最近は32歳の男性が契約されたこともあります。」
敷地は狭いが、従来型の墓地がない分開放感がある。礼拝堂前にはベンチ・テーブルがあり、池の水音に耳を澄ませ、ぼんやりと庭の花々を見ているだけで、ここが霊園であることを忘れてしまう。
さすがに金額的にはちょっと高いかと思うものもあるが、何と言ってもここは港区・元麻布。現世の住まいとしては高嶺の花、彼岸の世界でなら手が届く。
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「麻布浄苑」にはHPがありますので、関心のある方は下記のボタンからアクセスして見てください。

[麻布浄苑」HPへ |

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●東長寺「縁の会」 |
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「縁の会」パンフレットより
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地下鉄丸の内線「四谷3丁目駅」を降り、靖国通りを新宿方面に向かう。四谷4丁目の交差点を右に曲がると、正面Y字路先端に建つ東長寺が目に入る。
東長寺は約400年前(1594年)に開かれ、江戸時代には曹洞宗の学問寺として多くの武士が禅僧について学んだという。都市内の寺のあり方を追求して、数年前に建て替えられた禅寺ということで、建物の端整なシルエットは近代建築にも通ずる凛とした佇まいを見せている。
山門を入ると「水の苑(にわ)」が現れる。浅い人工池の中に黒い御影石の四角柱が集まって配されおり、これが「苑の碑(いしぶみ)」と呼ばれる「縁の会」会員の墓碑になっている。
「水の苑」の地下「羅漢堂」には「縁の会」会員の納骨壇が設置されており、すでに3000名以上の位牌が輪島塗の祭壇上に並んでいる。無論「生前・個人墓」の為ほとんどの位牌の戒名は朱で記されている。
「縁の会」は東長寺400年記念事業の一つとして、家や代々の墓を持たない層が増えてきたことや、生涯独身者や墓の継承人がいないなどの大都市での状況に対して、「生前・個人の墓」の考え方の「永代供養墓」を最初に世に問うた会員組織だとのこと。
現在入会費用は永代供養費用その他の全て含めて入会時に80万円を支払う事になっている。年会費や管理費等の別途費用は一切なしとのこと。
「縁の会」は「寺のあるくらし」を呼びかけており、会員には毎月一日(ついたち)に「一日法要」として、かつて武士達が学んだように、座禅、読経、掃除、写経、授戒式、精進料理、仏教講話、供養までのプログラムが参加自由のかたちで用意されている。これも無論無料とのこと。
今後会員に対してのいろいろなプログラムが考えられているとのことで、「縁の会」は施設もさることながら、生きている間に新たな仲間ができるところなのかもしれない。 |
縁の会にはHPがありますので、関心のある方は下記のボタンからアクセスして見てください。

東長寺「縁の会」HPへ
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●法輪山・寂円寺寂光廟
都営三田線・白山駅には、小石川植物園や白山神社に詣でてきたと思しき人々が、紫陽花(あじさい)の見事さを話しながら通り過ぎていく。
交通量の多い白山通りに面した寂円寺は駅から徒歩約10分。駐車スペースも若干用意されている前庭の向こうに近代的な建物と本堂がそびえている。厳粛な雰囲気を漂わせる全景に、恐る恐る受付まで階段を上った。
寂円寺は浄土真宗のお寺で、こちらにお願いする場合は浄土真宗に改宗する必要がある。永代供養のタイプは、安置ロッカーに骨壷のまま収納するタイプと合祀(散骨)するタイプのおおまかに2タイプ。永代使用料、永代供養料、墓誌刻名料、管理費、会費はすべて含まれた料金になっている。
さて、永代供養墓の碑は、従来の墓所に隣接して廟がある。お参りはここで行う。他に個別の地下の室内墓所もある。
安置ボックスは廟の下の建物に設置されている。1家族で1つのボックスの場合と、大きなボックスを他の方々と共同で使う場合、また安置せずすぐに合祀して土に環る方法もある。
ボックスに入っても33年経ったら散骨所に環される。
遺骨の一時預かりスペース(年1万円)は宗教を問わない。
葬儀のためのホールも貸し出すが宗教を問わない。
各々の安置ボックスは奥行きが深いので既製の骨壷がそのまま5つ収納できる。小さな骨壷に少量を移し、入りきらない分を最初から合祀するのではなく、あくまで前進1体分収められるのが特徴だ。
18年前から始めたシステムだが、安置ボックスが狭くて暗かったため、2年ほど前に改装したとのこと。広く、3mはあろうと思われる天井までロッカー式の安置ボックスが並び、圧倒されてしまった。
金属の安置ボックスが光を照り返す室内、静かでひんやりとした空間。
人気のない図書館にいるような、所在ない気分がしてくる。
池の配された庭に出て、光に触れてほっとした。死の領域は今や、こんなに整然とに整頓されてしまうものなのだ。名状し難い不思議な感情が沸いてきてしまった。 |

「寂円寺」パンフレットより

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●すがも平和霊苑 |
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「もやいの会」パンフレットより
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巣鴨と言えば「とげぬき地蔵」を連想する。確か神社仏閣が多いと聞く地区だ。JR山の手線巣鴨駅から歩くこと10分。青果市場と大きな墓所を抜けたところにあるのが「すがも平和霊苑」だ。九州に本山がある真言宗の寺である。
事務室前の細い路地の突き当たりにもやいの会の碑が見える。もやいの会は生前の契約しか受付けない。飛天の塚は永代供養合祀墓、名前を入れたステンレスプレートや石版が横壁面に並んでいる。金額の差でいずれかが選べる。いずれも生きている人の氏名は朱書きで示されている。戒名ではなく俗名で記される。
既に6000名の申し込みがあるが、過半数はまだ元気な方々なので朱書きの名前が目立つ。
もやいの会は生きているうちから入るため、知り合うために様々な集いが催される。「最期の家」に生きているうちから詣でる人も多い。
苑内は夜でも訪問できるよう照明設備完備、少々狭いが、奇麗に手が入れられている。やって来た方々がお弁当を広げたり、休憩できる施設も用意されている。
「巣鴨に墓を持つ」ステータスを強く打ち出している。
飛天の塚は永代供養1体50万円がこの7月から70万円になるとか。2020年、「団塊の世代」が亡くなる頃には100万円くらいにはなるだろうとの話。1区画1000万円する従来の形態の墓所も併設されており、管理費は年3万円だが滞納する家はない。その管理費のおかげで、共同供養墓所も管理費なしでやっていけるとのことだ。
ここに最期の住まいを求める人々の事情は様々だが、ひとりで入る予定の女性、夫婦と息子で入る予定、改葬で元の墓を引き上げて一族の墓を移す人等、入り方も様々。宗旨、宗教の別も問わない。外国人も受け容れている。「巣鴨に墓を持つ」ステータスを強くアピールしている。昭和は遠くなったが、やはりイメージは大切だ。
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● 世田谷東光山「妙法寺」(おおくら大仏 ) |
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「妙法寺」パンフレットより
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渋谷で成城学園駅行きのバスに乗り、30分ほど揺られ、世田谷通りも環状8号線を過ぎると、落ち着いた住宅地の趣が濃くなる。そんな時期に「東宝前、おおくら大仏…」というアナウンスが聞こえる。慌てて身仕舞いを正して降り、周りをぐるりと見回すと、そこはすぐに見つけることが出来る。
大きな大仏像が背中を向けている。見慣れていないからかなりシュールな風景だ。大仏像の足元の建物には、スリットのような入口があり、ひんやりとした玉砂利が奥に続いている。右手に現れたスペースは大仏像の足元、参拝する特別な趣向が凝らされた台が設置されている。
IDカードを小さなボックスに挿入し、ボタンを押すと、40秒ほどで奥から骨壷を収納するボックスが現れる。そこでパッと下からライトアップされたのには少々驚いた。1人用が1000、2人用が500用意されており、参拝する台には常に花が生けられ、蝋燭やお線香が用意されている。手ぶらでお参り出来るわけである。
「お墓にお参りしにやって来た」感じはあまりなく、陰気な雰囲気もまったくない。丈の低いスペースながら、窮屈さが感じられないのは、金色の壁面が空間を膨張させている事もあるだろう。永代供養料1体45万円。ほかに年間2500円の管理費がつく。設えを考えると安いのかも知れない。
参拝スペースの上は大仏像があり、その足元には合祀された方々の碑が置かれている。大仏像は朝・夕は世田谷通りに向かって立ち、交通安全祈願をささげている。その他は墓所に向かって見守っている。
空の下で大仏像を見上げ、また足元の碑に手を合わせる。横では緑の木々や花々が揺れている。壁の向こうに人の生活がるのを感じる。現世と隔別された感がないのは安心する。
その大仏像前は従来通りの墓所となっており、新しい区画も販売され、1区画300万円から。
管理費は年1.2万円とのことである。周りはいかにも世田谷のイメージそのまま、戸建住宅に囲まれている。
墓所の奥が妙法寺境内で、美しく手入れされた庭園になっている。
法要で使用できる施設があり、池には錦鯉が悠々と泳でいる。隣接地には大蔵動物霊園があり、ペットの供養も行われている。もちろんいくら家族とはいっても同じ墓には入れないが大きな声で呼べば今でも飛んできそうな所でペットも眠っていると思えば、落ち着くものだ。
住宅地・世田谷らしいうれしい設え、そう感じた。
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