「シレジア人か・・・この辺りでは珍しい。」

 男は鋭い眼光を細め、虜囚となった少年の姿を検分するように眺め回した。
 圧倒的な威圧感を伴い、闇を纏った巨大な影が細身の少年の姿を覆う。
 目を伏せ黙したままの少年の上衣に、黒ずんだ無骨な手を差し入れて身を肌蹴ると、部屋に控える複数の兵達が背後で息を呑む気配が伝わる。
 薄闇に零れる雪のように白い肌、細身でありながら引き締まり均整の取れたしなやかな肢体。
 流れる翡翠、その宝石のような輝きに縁取られた芸術品の如き相貌。
 そして囚われ人の戒めを受けて尚、少年の身を芳香のように包む気高き品位が、その只人ならぬ価値を物語る。
「成程、シレジア人には美しい者が多いと聞くが。まさに市井の民草にとってみれば相応しき救世主と言ったところか・・・。」
「・・・・・・」
 この期に及んで正体が暴かれていないのは不幸中の幸いと言えた。
 出自が晒され、黒薔薇の教団にその身が引き渡されることさえなければ、逃れる機会は必ずある。
 闇の祝福を受け、何人の力も寄せ付けることのない強大な支配の力を得た魔王は、
 一方でその力の故に、この少年の秘めた本来の価値に・・・恐るべき理力にはまだ気づいてはいないのだ。
「・・・・・・っ」
 支配者の手が、無遠慮に肌を探る。下唇を噛んでセティは屈辱に耐えた。

「その意思、我が前にどこまで持つものか・・・興が乗るわ。」


セティは剥くだけでも萌えます。
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