繋げた相手の身の内に、想いと共に熱情を解き放ち。
 幸福な酩酊感に、セティはしばらくの間身を委ねた。

 心を溶かす一体感。熱くせわしない吐息を白い首許に押し付けて、その細身を掻き抱く。
 当初の嘲る様な余裕の態はどこへやら。
 縋るように身を絡め、泳ぐ瞳で熱い息を吐く少年(の姿を取ってはいるがあの小憎らしい父親である)が、例えようもなく愛おしく感じられた。
「・・・成程、・・・悪くは、ないな」
 掠れた甘い声色が、収まらぬ息を継ぎながら耳元で夢のように言葉を紡いだ。
 そのたおやかな右手が伸ばされて、乱れた髪を幾度も撫でてくる。
「そうだな・・・今後は、お前も、選択肢の一つに加えておいてやろう。」
(何が選択肢の一つだ)
 変わらぬ傲慢な物言いに、心の中で悪態をつくも言葉を飲み込み。
 今はあえて余裕を繕い、その猫のような瞳を覗き込んだ。言葉を口元に囁き落とす。
「いずれ貴方は私だけを追うようになる・・・」
「大した自信だな。」
 口端に一瞬苦笑を乗せて。その不可思議な生き物は舌をぺろりと出して我が子の耳を頬を、所構わず舐め始めた。
(懐かれた・・・)
 くすぐったさに身を竦めながら、セティは妙な感慨に浸った。

 優しく、満たされる。
 この幸せな宵闇が、永遠に明けなければ良いのにと願いながら。


尽くし攻と甘え受
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