尋常ではない。

 なぜかつくられた別コーナー。ここは93年16号から94年1号まで(コミックス
では7巻「決死行(3)」から8巻「ドルドレイ攻略戦(6)」にあたる)においての
一連の修正についてのページである。
 この期間に掲載された分については、ほぼ毎回といっていいほど原稿に修正が入って
いる。しかも、その修正はすべて共通の部分に対して行われているのである。
 その部分とはキャラクターの顔である。
 以前からコミックスのこのあたりを読むたびにキャラの顔の年齢がコマごとに違って
見え、しばしば困惑したが雑誌のバックナンバーを見て、ようやくその原因がわかった。
 雑誌ではどのコマでもだいたい同じ程度の年齢であった。  しかし、雑誌では物語と
ともに成長したはずのキャラクターの顔が幼いままになって
しまっていたのである。おそらく、成長に伴うキャラの描き方の変更が雑誌連載に間に
合わなかったのだろう。
 鷹の団入団から3年以上がたち、ガッツをはじめ鷹の団のメンバーも成長した。とこ
ろが、彼らの顔は3年前と変わっていない。これはまずいということでコミックス収録
時に一部原稿を修正し、キャラの見掛けと時間の経過のつじつまをあわせようとしたの
だ。
 具体的には、主に口と目の間の距離を広げ、あごを丸みのあるラインからやや先細り
のシャープなラインに直している。言うまでもなくキャラクターの見かけの年齢をあげ
るための修正である。
 しかし、もちろんすべてのコマでキャラの顔を書き直すのは事実上不可能である。描
き直せる(書き直すべき)コマは直し、書き直せないコマは書き直さなかった結果、コ
マごとに微妙な違和感が出ることになったのである。

 しかし、一部とはいえこの顔の描き直しの数は尋常ではない。
 作品の完成度のために、この膨大な量の修正を行った作者は驚異と尊敬に値する。

 …………ある意味、俺もすごい。顔の修正などを1コマ1コマチェックすると、1話
あたり30分から1時間くらいかかってるのに、これだけやってんだから。
 自分で自分をそんけーしてやろう。

 なお、実は顔の修正は93年16号以前にも存在する。
 しかし、ここでは特に顕著な期間に絞って紹介することにした。

 下の画像は修正の典型例である。

 7巻131ページ2コマ目。
 左が雑誌掲載時のもの、右は単行本である。比較してほしい。

  

 その少し前。雑誌のみ。   以下は7巻における修正個所。
ページ数コマ番目キャラクター修正したパーツ
94キャスカ鼻、口、あご
97最後キャスカ目、鼻、口、あご
109ガッツ鼻、口、あご
110ガッツ
110ガッツ鼻、口、あご
1242、3ガッツあご
1251、3ガッツ鼻、口、あご
125ガッツあご
126ガッツ全体的に
131ガッツ鼻、口、あご
144グリフィス鼻、口
147グリフィス鼻、口、あご