ZO-3


 自分自身の色々なことが許せなくて

 人差し指をカッターで何度も切りました

 でも私はバカだから

 いつも一瞬力を抜いてしまって

 薄皮しか切れません

 血が出るまで切りつけることができません

 深く傷を付けることができません


 そのことに焦って悲しくなっていたら

 壁に立て掛けていたケース入りのギターが

 私の腕に向かってゆっくり傾いてきました


 それがとても優しかった

 私にはそう感じた


 「やめなよ」って止めてくれた気がした


 私はそこで手を止めた


 なんて弱虫

 でもなにか温かかったんだもの

 黒いソフトカバー入りの君が

 私のこと止めてくれたようで

 バカだけど すごくバカみたいだけど

 嬉しかったんだ…