2006.11.10
足の問題




                                                                                 島 健二


私が楽しみにしている集まりの一つに、会社関係の友人5人ほどで月に1回、集まって談笑し、一杯飲んで、

そのあと二次会のカラオケへと流れる会合があります。

夕刻5時半に集合し、一次会は7時まで、2次会は9時までと決めてあります。先日も楽しく談笑し、飲んで、

食べて、場所を近くのカラオケ館へと移して歌いまくり、気分良く散会しました。 その帰途のことです。

いつもなら、最寄りの大江戸線、新宿西口駅から一駅、都庁前駅まで行き、乗り換えて練馬光ヶ丘駅へと帰る

私ですが、足が悪い私は何としてでも腰掛けたいのです。


この時間帯は混んでいていつも満員、これまでに2,3度は席を譲っていただいて感謝して腰掛けて帰った

こともありますが、運が悪いと立ち通し、優先席には若者達が老人を見ても眠っているふりをしているのです。

優先席といってもまことに中途半端でこちらから「席を譲っていただけませんか?」とは言い難く、

優先席の前に立つのも物欲しげで厭だし…。

練馬くらいまで来ないと社内は空いて来ません。

今回は特に足の具合が悪く、どうしても腰掛けたかったので、

一計を案じて新宿西口駅から逆周りに乗りました。


大江戸線にあまり馴染みがない方々のために蛇足ながら解説をしますが、大江戸線は山手線のように環状線に

なっていて、都庁前駅から新宿西口、東新宿、若松河田という方向へ廻り、牛込神楽坂、飯田橋へと進み、

本郷から蔵前を通ってグルリと廻って新宿、都庁前へと戻り、環状線部分を終えて、それから中野方面(中野

坂上、東中野)を経由して練馬方面へと下り、終点が光ヶ丘駅というわけで、都庁前を起点とする環状線に、

都庁前から直線状の光ヶ丘行きを継ぎ足したような格好をしているのです。


逆行すれば勿論ガラガラで、悠々と優先席に腰掛けました。

飯田橋、春日、本郷三丁目(世之介さんの顔が浮かんだ)、上野御徒町、蔵前、両国あたりまでは以前に行っ

たこともあり、それほど違和感はありませんが、森下、清澄白河あたりから違和感が始まり、門前仲町、月島、

勝どきは異国の地、大門まで来てやっと馴染んだ駅々となり、青山一丁目に来てやれやれの感じ、代々木から

新宿へと回遊した時間がちょうど1時間、ご苦労様でした。


そのまま終点光ヶ丘駅まで腰掛けっぱなしで帰りました。

兎に角草臥れました。帰宅11時20分でした。

でも、もうやらないかと問われたら又やるでしょう。立ちっぱなしはそれほど辛い。

といって「席を譲ってください」は言いたくない。何か良い方法はないでしょうかね。

この時間帯になると、老若男女を問わず、誰もが疲れています。

老人や障害者(以下老人等といいます)に席を譲れと云われても迷惑でしょう。

また「老人等はこんな時間帯に出歩くな」という批判もあるでしょう。

でも止むを得ない外出もあるし、時には老人等もささやかな夜遊びもしたい。

だから若干気が引けるので、「席を譲って下さい」は言い難い。


電車は公共の足です。何か互いに気持ち良く、譲ったり、譲られたりの名案はないでしょうか?

 誰もが納得するルールが欲しいと思います。
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