2006.2.23
ガセネタ




                                                                                 島 健二


粉飾決算事件、証券取引法違反容疑で世間を騒がせているライブドア社の堀江前社長が、昨年秋の総選挙に

出馬した際、自民党公認ではないものの、自民党の全面的な応援の下に、広島六区から亀井静香候補の刺客

として立候補したことから、自民党と堀江氏との間に特別な関係があると見た民主党では、特に武部自民党

幹事長が選挙で堀江氏を応援する際に、「わが子、わが弟、堀江をどうぞ宜しく」と演説したり、

その後堀江氏がプロ野球広島球団取得に意欲を示した際に、読売、渡辺オーナーとの仲を取り持ったなどと、

特に親密な間柄にあったことを強調していたのですが、今回3月17日、民主党永田寿康議員が予算委員会

の質問にその頃(昨年8月末)堀江氏から武部幹事長の次男に対して3000万円の送金を行なうよう指示

する社内メールの写を手にして、ズバリ、実名を明言して詰め寄りました。

テレビで見ていた私でさえ、ビックリした程です。

その際、私はズバリと実名を出したことと、メールの写の他にも証拠があるのかの2点が気になりました。



案の定、小泉首相の応答は「そんなガセネタに基づいてそんな重要な決め付けをしてよいのか?」

という趣旨でしたし、武部幹事長も「そんな事実は無根です」と即座に切り返されました。

永田氏側としては、送金元などの金融機関名も分かっているなどと云いながら提示はなく、

また前原民主党代表は小泉首相に対して国政調査権の行使を条件に22日の党首討論の際にこれらを開示

する旨を約しましたが、小泉首相は「国家権力の行使は慎重でありたい」と噛み合わず、

「そんなことをしないでも、これこれだからこのメールは本物だと証明すればよい」と押し返したのです。


マスコミも民主党のやり方は詰めが甘く、自民党が有利に押し返したという見解を述べていましたが、

その通りでした。


22日の党首討論、前原代表は、「ライブドア関連の問題は後にゆっくり質問することにして……」と

他の事項の質問から始めて約30分、肝心の問題は最後に約10分間、相変わらず国政調査権の行使を

要求するに止まり、金融機関名や口座の開示もありませんでした。

これに加えて、その後問題を提起した永田寿康議員からは議員辞職の意思表示があった旨が伝えられ、

民主党内でも永田議員は勿論、前原代表、野田国会対策委員長らの責任までも問われる始末と聞いて

いますが、どういう決着を見るのかは分かりません。



この問題は別として、私は以前から、こうした問題が予算委員会で論議されるのに疑問を持っていました。

確かに国民の耳目を集めるような問題は主要委員会で分かり易く論議し、納得の行く結論を出してもらい

たいとは思いますが、どう考えても「予算委員会」は馴染まないように感じます。

野党が予算成立を引き延ばすために提起するにしても、こんな問題と予算と何の関係があるのか? 

他の委員会でやって欲しいと思うのですが…。


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