2006.1.26
人工透析に降参!脱帽!(再入院の顛末)



                                                                           島 健二

昨年末1227日に退院後、具合が良かったのも三四日、大晦日頃からまたも呼吸切迫が始まり、元旦は

ロビーへ降りて年賀を祝ったものの、だんだんに容態は悪くなる一方なので、
日に急遽再入院しました。

前回と同じ練馬の病院では、原因が肺炎のためだけではなく、腎不全から来る「むくみ」で体内に溜まっ

て来た「水」が肺、心臓部にまで及び、呼吸困難を起こすものと気付き、専門病院での対応が適切との

判断をしたよう
で、翌6日には板橋、大山にある老人医療センターへと転院することになりました。

直ちに人工透析の手法を利用して、体内にある余分な水分を除去することになり、私としては充分に状況を

把握しないままに、施術を受けたのですが、兎に角降参!脱帽!でした。


人工透析についてはおぼろげな知識はありましたが「こんなものだったのか」とビックリ!

移動用ストレッチャーに載せられて施術室へ、そこで検量用のベッドへ移されてベッドごと検量、また施術

台へと移されます。この間に乱暴とは云いませんが、無造作に身体を扱われるさまは、河岸に荷揚げされて

移送されるマグロの心境でした。


いよいよ人工透析の開始です。

何という荒っぽい治療法でしょうか? 生まれたままのスッポンポンの姿のままで、両鼠径部から静脈に

それぞれ
本ずつ針を差し込まれ、しかも固定するためにチクチクと縫われ、局所麻酔はしても痛いし、

怖ろしいし、何よりもみじめな姿態のまま施術を受ける情けなさ! 

そして体外へ導き出された血液がクリーニングされて体内へと還流されるまでの約
時間、耐え難い辛さと

打ちひしがれた屈辱感に耐えなければなりませんでした。

しかも幸いに私の場合は大丈夫でしたが、施術中に極端に血圧が下がるというような危険もあるとか! 

兎に角降参!降参!でした。



私の場合は、まだ腎臓の機能が健康人の4分の1程度は残っているとのことで、この1度の透析で済み、

今のところ定期的に治療を受ける必要はないとのことでホッとしましたが、1日おきに透析を受けている

方々のご苦労と苦痛を考えると、何とかもう少し痛くない、楽な、そして羞恥感、屈辱感を受けないような

ソフトな治療法が開発されないものでしょうか?

ただしこの透析の手法を借りた治療法の効果にはこれまたビックリ! 

ただ1度の施術で何と体内に溜まった余分な水分はすべて抽出され、80キロ超だった体重は66,5キロ

へと激減して、「むくみ」もとれて軽やかになりました。

勿論「酸欠状態」も解消です。ただ身体が苛め抜かれて体重が一挙に減ったせいか、酷く疲れてスタミナが

なくなった感じですが、時の経過と共に徐々に回復するでしょう。

兎に角、今回は透析の顕著な効果、医師の確かな技術、看護師達の確かな看護技量や介護手腕に素直に頼り

きり、脱帽!でした。


手荒い施術方法に「降参」すると同時に、その遂行面での医師、看護師達の確かな手腕に「脱帽」する

初体験で、「天使の花園」でのロマンチックな夢のようなものは感じる暇さえありませんでした。


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