2005.3.21
ホリエモン
島 健二
えらい騒ぎになったものです。
ホリエモン氏のことは昨年の近鉄バッファロース買収問題の折に初めて知りましたが、
その後新規参入の話に変わり、彼はどうもナベツネ氏等の旧体制のお年寄りに嫌われ
るらしく、楽天の三木谷氏との競争に敗れましたが、三木谷氏のやり方はお年寄りに
は礼を尽くしたのでしょうが、ホリエモン氏のアイディアを横取りしたやり方で、
うまく立ち回った感じで、良い印象はなく、むしろホリエモン氏のアイディアと行動
力に共感しましたし、あの甘いイケメンに読み取れる不屈な面魂に魅力を感じたのです。
一般のプロ野球ファンの多くがホリエモン贔屓だったと思います。
その後地方競馬に進出しようとしたり、色々と行動力を発揮して興味を持たせてくれて、
IT界から出て来た優れた行動力を持つ「新人類」だと興味を持ちました。
今回のニッポン放送、フジテレビとの問題については、ドえらい事を仕掛けたナと
ビックリしています。
旧体制の政界、財界の方々とホリエモンの相性は悪いらしく、今回は最初からホリエモン・
バッシングが起りました。政治家を含むお偉方達、評論家までも口を揃えて「時間外取引
は違法だ」だの「脱法だ」などと叩きました。
また服装を含めて「無礼」だの「失礼」だのと攻撃しました。
確かに「金があれば出来ないことはない」「どうせ将来滅びて行くテレビやラジオは取り
込んでから殺す」とか、「知らない奴に株を買われるのがいやなら上場しなければいい」
などと言うことは過激ですし、「大株主には頭を下げて来るものだ」などと相手に対して
の礼儀に欠けています。
また時間外取引を利用したのも、「違法でなければ法律の隙間を縫って何をしても良い」
という考え方で賛同しかねます。
私は旧体制の経営者でもなければ、勿論政治家でも評論家でもない一介の老人ですが、
政財界のお偉方が嫌う気持ちも分かりますし、私自身もあまり過激なやり方、礼儀に欠け
る態度には反発を覚えますが、今回の場合はフジテレビの日枝会長、ニッポン放送の亀淵
社長の最初から相手を見下したような応対、頑迷さにも反発を覚えますし、対応策も自己
防衛のみを考えて、一般株主の利害を無視したお粗末さで事前の用心が出来ていなかった
ものと思います。
また私自身には到底真似できないホリエモン氏の着想、行動力には限りない魅力を感じま
すし、時代は変わって日本的な義理人情の「政財界のもたれあい」による旧体制の経営方
法が通用しない世の中になったようにも思います。
ホリエモン氏のやり方は良い意味でも悪い意味でもアメリカ式で、中々良く勉強もしてい
ます。すべてアメリカの真似をするのが良いとは思いませんが、今後のためにアメリカ式
の厳しいやり方を学んで、防衛策を考えておく必要があるという警鐘を鳴らす良い事例に
なったように思います。
ニッポン放送の「フジテレビに対する新株発行予約権差し止め請求」を東京地裁に認めら
れて、ホリエモン氏はなおフジテレビの買収を仄めかしながら、反面フジ側と話し合いを
求めたようですが、フジ側は頑迷に提携を拒んでいるようです。
この辺がお互いに限界ではないでしょうか?
私自身は利害関係も何もありませんが、どちらもあまり傷つかない形での解決を求める潮
時ではないかと思います。
塩川正十郎代議士も「この辺で提携について話し合ったらどうか」と言い出したようですが、
塩川氏または他の誰かが、時の氏神的に現われて、仲裁人として和解を取り持ってほしいと
思います。
「焦土作戦」とか「レヴァレッジド・バイ・アウト」(買収先資産を担保にした企業買収)
などが具体化しないうちに…。 目次へ