2004.11.17
老いとボケ


                                                                  島 健二

敬愛する増田次郎さんの「惚けない方法と老害」を読んで色々と考えさせられました。

思い当たるフシばかりです。

私も「何とか惚けないで一生を終えることが出来ないか?」といつも考えています。

増田さんが述べられたように、私も70代の後半からとみに体力の衰えと記憶力、判断

力の衰えを痛感しています。

知っていることを思い出せないもどかしさ、直ぐに疲れてしまって集中力を維持できな

い悲しさ等々悔しいことばかりです。

それに加えて、感情的にももろくなり、ちょっとしたことで、一喜一憂するようにもな

っています。怒りっぽく、反面、直ぐに悲しくなり、落ち込んでしまうのです。

「加齢と共に判断力が低下していることの自覚が不十分」なのでしょう。



増田さんと同様に、私もこの「やっとこさっとこ」に駄文を書かせていただいたり、

シルバーヴィラの機関紙「銀杏」の編集を手伝ったり、お年寄りたちとご一緒にカラオ

ケで「昔懐かしい愛唱歌」を歌ったり、惚け込まないように脳を刺激して頑張っている

つもりです。


それが最近何か物足りなく、評価されない悲しさなどを感じてしまっていました。

前に、「自己主張・自己弁明」と題して載せていただいた「シルバー・フェスタ・オン・

ステージ」の際の「参加拒否」のような行動にあらわれています。

神経的に疲れているのを感じて、休息が必要などと考えて、毎日のように身体を休めて

ウツラウツラと昼寝ばかりして、ただ漫然とその日その日を過ごしながら、反面「こん

なことをしていたら、脳味噌がただの味噌になって、本当に惚けてしまうのではないか」

と心配もしていました。



そんな時に増田さんのエッセイを読み、色々と考えさせられていたのですが、

昨日(16日)にNHKの「プロジェクトX」を見ました。

サッカーに情熱を燃やす男が病気のため、腎臓を摘出し、人工透析を受ける体となって

プレイヤーを断念しながらも、斜陽となっていたサッカー界を復活させるには地域社会

に密着したプロ化しかないと「Jリーグ」設立のために、中心的存在として尽力した30

年を描いたものでしたが、その中で、国井アナの「体力的に大きなハンデを負いながら、

成否不明なプロジェクトに良く情熱を燃やし続けましたね」という問いかけに、主人公が

「仕事もなくなり、何もない状況に置かれて、たとい成否不明でも何か情熱を燃やす仕事

が欲しかった。そして、たゆまず意欲を持ち続けることが身体面を支えてくれたと思う」

と答えたのに感動しました。



「これだ! 惚けない方法につながるのは意欲を持ち続けることだ」と思ったのです。

「周囲から評価されようが、されまいが関係ない。自分が有意義だと思ったことに意欲

を持ち続けることが大切なのだ」と考えました。

そう考えることによって神経的な疲れも幾分薄れたようにも感じています。


増田さんの考え方、「プロジェクトX」から得た教訓に沿って、

「仕事の出来映えをチェックしながら、社会から退場を求められないよう」に頑張って

行くつもりになりました。有難うございました。
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