2004.11.3
プロ野球雑記帳
 ◎プレイオフ


                                                                    島 健二

今年のプロ野球、パ・リーグのプレイオフ、日本シリーズは異常なほどの盛り上がりを見せ

ました。例によって芸のない日本野球界、不人気にあえぐパ・リーグが大リーグの猿真似で、

さしたる成案もなしに導入したプレイオフ制度ですが、ペナント・レース終盤に勝率第3位

を狙ってプレイオフに参加しようと頑張った日本ハムとロッテの争いが白熱化し、連日良い

試合を展開して人気を盛り上げました。


私は第3位に来るチームは近鉄に違いないと考えていましたし、ある時期まではその可能性

が見えたのですが、オリックスとの合併問題が表面化するようになって、近鉄が脱落してし

まったのは残念でした。

第3位を確保した日本ハムが勢いに乗ってダイエーに挑むのではないかと思っていたら、

西武がしぶとさを発揮して勝ち上がり、ダイエーまでも制して、セ・リーグの覇者中日と

日本シリーズを戦うことになりました。

このプレイオフの各試合は素晴らしい熱戦、接戦で、久方ぶりに野球の醍醐味、魅力を満喫

することが出来ました。


日本シリーズはオレ流落合監督が率いる中日が有利かと見ていましたが、西武が素晴らしい

しぶとさを発揮して、とうとう中日を抑えて日本一の座を獲得したのにはビックリしました。

このプレイオフ、日本シリーズを通して、西武はいずれも最終戦まで持ち込んで、最後に勝

利を得て勝ち残ったしぶとさは驚嘆に値します。


でも、良く考えてみるとプレイオフという制度は随分変な制度です。

年間を通じて百数十試合も戦って、勝率第1位を獲得したダイエーが即優勝とはならないで、

2位、3位との短期決戦で破れて日本シリーズに出られないのは割り切れないでしょう。

またプレイオフ制度を採用していないセ・リーグの優勝チーム中日も、プレイオフで勝ち

残ったパ・リーグの2位西武と日本一を争う羽目となり、しかも敗れてしまったことは納得

が行かない思いに違いありません。

パ・リーグ2位の西武が、首位ダイエー、セ・リーグの覇者中日を差し置いて日本一という

ことになってしまったのですから…。


議論すれば色々と異論が出るでしょうが、所詮プロ野球は観客が喜んでナンボの世界、

理屈に合わなくても、納得が行かなくても、大いに盛り上がったのだから良しとしなければ

ならないのでしょうか? 

衰退の一途をたどろうとしているプロ野球の人気を取り戻すには観客が喜んでくれることが

第一です。

その意味で、プレイオフは変な制度ですがプラスになったと思います。
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