2004.2.4

小学校の友人たち

                                                       島 健二


私達の年令になると、気分的に懐かしい友人たちは大勢いますが、現在でも時々逢

ったり、便りをしたりと云う友人の数は非常に少なくなり、年賀状交換だけの間柄

となってしまう人たちが多くなります。これは小学校の友人に限らず、中学、高校、

大学、会社関係を通じて同じことです。クラス会やOB会もあまり開かれなくなり

ますし、また開催されても出席できない人がだんだんに増え、私自身も体調の具合

で欠席してしまうことが多い此の頃です。

そんな環境でも、何とかして逢いたいと云う友人たちは、限られた小数で、特別に

親しい間柄か、付き合いが続く何かの特別な事情がある人達です。


前に増田さんとの共通の友人、百目鬼(どうめき)さん…中学時代の友人…のこと

を本名で書きましたが、この人には同年会開催の労をとって下さる感謝の念を表わ

しただけで、特に親しくお付き合いしているわけではありませんし、すっぱ抜いた

りするようなこぼれ話もないので、本名を書かせていただきました。

次にはO君…会社関係の友人…が登場しましたが、この人は今後も何度か登場する

機会もあるでしょうし、差し障りが出る場合も考えて、頭文字で書きました。

これから書く友人たちも一々ご本人に了承をとるわけにも行きませんので、頭文字

やあだ名、通常呼び合う呼び名等で表わしたいと思います。

前置きが長くなりましたが、現在でも時々逢う間柄の小学校時代の友人は五人ほど

います。

「U君」

始めにU君、彼は小学校時代に一番親しかった友人といっていいでしょう。子供の

頃というものは仲が良かったり、喧嘩をしたり、イジメをしたり、されたり、色々

な想い出がありますが、U君だけはいつも私の味方でした。

たまたま私がいじめられたりすると、U君はいつも私をかばってくれたものです。

私もあまり負けていない方でしたが、U君の存在は百人力でした。社会人となって

からもこの信頼関係は続き、私が家庭の事情で友人たちとの交際が出来なくなって

しまった時期がありましたが、U君だけは多忙な間を縫って何かと接触を保ってく

れましたし、後に私が交際復活が可能となった時点でもキッカケを作ってくれて、

現在時々逢う人たちとの間を取り持ってくれたのです。

U君は百目鬼さんのように、クラス会などを開催する労をとってくれる名幹事です。

数年前には地方在住の人たちをも招集する大クラス会を開催してくれ、その会場に

このシルバーヴィラが経営する飯田橋の「鴻運」と云う中華料理店を使ってくれて、

皆にご無沙汰していた私の存在を目立たせてくれたりしてくれました。


「麻雀仲間」

次には麻雀です。U君のすぐ近所(小田急線、代々木上原)に住む「六さん」とい

う友人と、もう一人やはり近くの世田谷代田に住むN君という友人と私を近付けて

くれる手段として、麻雀の仲間に誘ってくれたのです。

「六さん」も人格者で小学校時代にも親しかった人ですし、N君も育ちの良い紳士

的な人ですので、楽しい麻雀仲間が出来ました。実際には「六さん」の奥さんが麻

雀大好き人間で、いつでも4人揃ったのですが、付き合いが途絶えていた私を仲間

に入れてくれたのです。U君たちの優しさに感謝しています。

この折角の好意を私がダメにしてしまいました。

このシルバーヴィラから代々木上原まで通うのが、年とともにだんだん辛くなって、

仲間を抜けてしまったのです。でも何年か麻雀で付き合っている間に、小学校時代

の親しさが復活したのはU君たちのお蔭です。今では時々クラス会の幹事会という

形で、前述の「鴻運」で昼食会を催してくれますので、これには必ず参加していま

す。この昼食会に必ず参加するのがH君で、この人もとても立派な紳士です。

彼は麻雀はやらないので昼食会のみの参加ですが、この昼食会では中心的存在とな

っています。クラス会の幹事会なのですが、その後クラス会は開催されていません。

もう皆で集まるエネルギーがなくなったのかも知れません。


「マコちゃん」

この昼食会に最近特別参加したのが、京都在住の「マコちゃん」です。

彼は陶芸家で、我々サラリーマンとは環境が違うのですが、小学校の友人たち、特

にH君を慕い、また私とも昔から仲が良く、何十年かの空白を乗り越えて、前述し

た数年前のクラス会以降、私にも電話をかけて来たり、葉書をくれたりしています。

その「マコちゃん」が先日の昼食会に参加の折に、「もう上京する機会もあまりな

いと思うから、これが最後かな!」と言ったのには全員ホロリとしました。

H君と私と相談して、割り勘ではなく、「マコちゃん」の分は他の皆で負担しました。

「マコちゃん」は「有り難う、有り難う」と嬉しそうでした。

また逢う機会があるといいなと思いました。
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