2016.4.7
長生きは本当に幸せなことでしょうか
私が子供のころ(今から80年前)60才というと大変なお年寄りだと思いました。
日本人の平均寿命は戦後すごく伸び世界でも長寿国の筆頭です。
老人に対するいろいろな優遇策がありありがたいことだと思っています。
しかし私自身が今年8月には米寿になるほど長生きして、それが幸せなことなのか疑問になってきました。
私の子供のころはボケたお年寄りは非常に珍しい存在でした。
今考えると認知症が始まる前に亡くなっていたのです。
医学でも胃瘻などという治療法はなく、老人が寝たきりで長生きするということはなかったのです。
元気で長生きして愉快に生きられるのなら良いのですが、痛いだけ、苦しいだけでの長生きは本当に喜ぶべきことでしょうか。
囲碁で中押し負けというルールがあります。
私はほどほどのところで人生を終わるルールがないのが不思議です。
完全に治癒できる病気なら、再び元気になって愉快な余生を送るのは良いことです。
しかしアルツハイマーや末期がんなど完治の見通しのない老人を本人の意思に反して長生きさせることは誠に無駄なことです。
本人の肉体的、精神的苦痛も大きく、長生きは決して幸せなことではありません。
お医者さんは本人が中押し負けで負けを認めても、医療行為を中止したら処罰される法律があるそうです。
私はせめてこの種の法律を廃止して頂きたいと思うのです。
私は主治医に私の希望をお話しし、先生も承りましたと言っておられます。
昔先輩が「寿命と犬の尻尾は長ければよいというものではない」と言われたのを覚えています。
老人の立場からお願いする次第です。
目次へ