2011.5.30
民主党政権は逆噴射政権だった


私も民主党の唱えた「コンクリートから人間へ」のスローガンには、なるほどと思った時期がありました。

余りに選挙目当ての首を傾げたくなる工事や、これは役所や公共企業間の連携の悪さに起因するであろう

「工事が終わった直後にまた掘り返す」の頻発に呆れていたせいもあります。

しかし土木工学は英語でcivil engineering (市民の、民生用の工学)というくらいで、本来は国民の生活水準を向上

させるための学問であります。

鳩山内閣が誕生した途端、当時の前原国土交通大臣はいきなり「八つ場ダム(やんばダム)」建設中止を命令しました。

関係都県との事前協議もせず、現地住民の了解を得ることもなく、マニフェストだからと中止させてしまったのです。

工事の完成率が何パーセントかは知りませんが、工事を中止したらどのくらい損失が出るかも分かっていないという

後世の批判は免れないと思います。

この「八つ場ダム」建設中止事件は、民主党政権の体質を示すシンボルでした。全てマニフェストに書いた国民との

約束だからという理由で、次々に日本経済の浮揚にブレーキをかける逆噴射をつづけました。

かの「仕分」と称する政治ショーがそうです。

レンホー女史の名言(実は迷言)「スーパーコンピューターはなぜ世界一でなければいけないのですか?」はノーベル

賞科学者たちの顰蹙を買いました。技術立国にしか生きる道のない日本にとって、最悪の愚策だったと思います。
 

毎度申し上げていることですが、絶対に正しいことなどはどこにもありません。何十年も後になって、あれは間違い

だったといえればよい方です。安全神話などというものは、嘘に決まっています。

毎日世界中を飛んでいる飛行機だって、時には墜落します。

墜落するのが怖い人は、北朝鮮の金正日主席のように列車で旅行するしかないでしょうね。


さてこの文章を書く気になったのは、次の記事を読んだからです。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20110526/220257/

                                     
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「あなたは安全という商品を十分手に入れたか」という表題の記事です。筆者は三橋貴明さん。

是非お読みになって下さい。


日本の政治をまともな方向に向けないと、大変なことになります。

日本国という飛行機がまさに離陸しようとしている時に、原発を止めて電力不足を起こすという逆噴射をしようとし

ている馬鹿政権です。この政権こそがまさしく日本に降りかかっている国難そのものだと考えています。
 
原発事故への対応を見ていても、この政権のやっていることは全て責任回避ばかり。

政府が原発運転のリスクをとらないで、知事さんにとれというのですか? 

リスクを冒して難局を乗り切ろうという大臣は見あたりません。

戦国時代の武士は「向こう傷(身体の前半分の傷)は恥でないが、後傷(うしろきず)は恥」と言ったそうです。

敵に後を見せて逃げようとしたから切られたということです。菅政権は全員敵に後を見せる人ばかり。


政権を替えても似たようなものだという説もありますが、今の政権は失敗をとがめられるのを恐れている憶病者ばかり。

今のような逆噴射さえしなければ、飛行機の墜落だけはありません。

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